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2026.04.12

総務省 情報通信政策研究 第9巻 第2号 AI規正論2.0―適合性評価制度の展開と統合認証の実現に向けて (2026.03.24)

こんにちは、丸山満彦です。

総務省の情報通信政策研究所が発行している、総務省 情報通信政策研究 第9巻 第2号に新保先生が、「AI規正論2.0―適合性評価制度の展開と統合認証の実現に向けて」という論文を寄稿していますね...

この論文に書いている通り、AIのマネジメント認証として、JISQ42001:2005が制定されています。国際標準化においては、ISO/IEC JTC 1/SC 42 での日本の貢献が大きく、複数のワーキンググループで主導的役割を担っていますよね...私もSC42のコントリビュータとなっています...

これからAIは自動車やロボットという物理的に動く物体の制御等への利用が進み、それが社会に普及していくことが想定されます。そのような場合には製品認証ということとAIシステムのマネジメントの認証というのが重要となるかもしれません...

ということで、新保先生の論文の紹介です...

 

● 総務省 - 情報通信政策研究所 

・2026.03.04 学術雑誌『情報通信政策研究』第9巻第2号


寄稿論文

論文(査読付)

調査研究ノート(査読付)


 

そのうち新保先生の論文は...

AI規正論2.0―適合性評価制度の展開と統合認証の実現に向けて 著者:新保史生(慶應義塾大学総合政策学部教授)

20260411-64745

 


要旨

本稿は、2023 年に提唱した「AI 規正論」を発展させ、AI システム適合性評価制度の展開と統合認証の実現に向けた考察を行うものである。EU では AI 法に基づく整合規格策定の遅延やオムニバス提案による規制緩和の動きが見られ、ブリュッセル効果の変容も顕著である。一方、日本では AI 制度標準化の取り組みとして JIS Q 42001 が制定され、マネジメントシステム規格に基づく AI システムの組織的管理に関する枠組みが整備されている。国際標準化においては、ISO/IEC JTC 1/SC 42 での日本の貢献が大きく、複数のワーキンググループで主導的役割を担っている。AI 規正論 2.0 の目標は、製品認証とマネジメントシステム認証を統合した「統合認証」の実現である。サイバネティック・アバターの認証研究を通じた実用性の検証とともに、統合認証の枠組みを提示し信頼できる AI 社会の実現に向けて、AI 統治のベストプラクティスを世界に発信していくことにある。


 

目次...


AI規正論 2.0 –– 適合性評価制度の展開と統合認証の実現に向けて

1. はじめに
1.1 AI 規正論 1.0 から 2.0 へ
1.2 AI 規正論 2.0 の構成と目的

2. EU の AI 制度標準化
2.1 適用開始スケジュール
2.2 一般目的 AI モデルに関する規律の性格
2.3 AI 法の目的と適合性評価制度
2.4 標準化要請の法的枠組み
2.5 標準化要請の要求事項
2.6 標準化作業の現状
2.7 ブリュッセル効果の変容と EU 規制政策の転換
2.8 オムニバス・パッケージ Omnibus VII(デジタル)

3. 日本の AI 制度標準化
3.1 政策文書における標準化の位置づけ
3.2 JIS Q 42001 の制定とその意義
3.3 規格の構造
3.4 認定・認証体制の整備
3.5 AI マネジメントシステム適合性評価制度の今後の展開

4. 国際標準における日本の貢献
4.1 ISO/IEC における日本の活動
4.2 主要な国際規格の体系

5. 統合認証とサイバネティック・アバター(CA)
5.1 仮想化実世界の進展とサイバネティック・アバターに関する研究
5.2 統合認証の必要性
5.3 CA 認証マークの開発
5.4 統合認証の国際的展開

6. おわりに


 

たしかに、フィジカルAIなどがAI時代における信頼性確保のためには、製品認証とマネジメントシステム認証を統合した「統合認証」は重要となるでしょうね...

AIシステムが物理的な製品(例えば、車、ロボット、船、ドローン)に搭載され、その制御を行うようになると、製品認証という側面から、AIシステムの安全性もサブセットとして重要となりますよね...

整理すると、

AIシステムを搭載した製品を開発するという面から(事業者として)は、製品認証が重要であり、その製品認証のサブセットとしてAIシステムの安全をどのように確認するのか?ということが重要となる。

AIシステムを搭載した製品を含むAIを活用するという面から(事業者として)は、マネジメントシステム認証が重要であり、そのためには製品認証をとっているAI製品の利用が重要となる。

昔、セキュリティの世界であった、ISO/IEC 15408と、BS7799(後のISO/IEC27001)の関係に似ているのかもしれません...

と考えると、製品認証とマネジメント認証を統合認証は誰のための認証か?という話も出てくるかもしれません...

 

 

ところで、別の話ですが、ISO/IEC 42001:2023の策定当時から、AIシステムというのは、マネジメントシステム認証の要素と製品認証的な要素が混じっているねという議論はありました。AIシステムという特定の機能をもつシステム、つまりアプリケーションシステム(という製品)の利用に関するマネジメントシステムだからです。

会計システムのマネジメントシステム認証という感じかもしれません...そうなると、AIシステムという製品の良し悪しという話と、それを利用するマネジメントシステムの良し悪しという二つの面がどうしても出てきてしまうような気がします...

しかしもっと考えると、さまざまな局面にAIシステムが組み込まれた製品、サービスが企業で多用され(汎用的に利用されてしまう)、AIシステム同士が自律的に連携している状況でAIマネジメントシステム認証というのは、どの範囲で行うべきなのか?というのは悩ましい話になるかもしれません...

AI systems are everywhere, and all AI systems connect into one.

という世界での認証とは???

 


 

まるちゃんの情報セキュリティ気まぐれ日記

・2024.02.06 経済産業省 AIマネジメントシステムの国際規格が発行されました (2024.01.15)

・2023.12.25 ISO/IEC 42001 情報技術 人工知能 - マネジメントシステム

 

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