ASKUL ランサムウェア攻撃によるシステム障害に伴う特別損失の計上、通期連結業績予想の取り下げ、中間配当・期末配当予想の修正(中間配当無配、期末配当未定)および役員報酬の減額に関するお知らせ他 (2026.01.28)
こんにちは、丸山満彦です。
ASKULのランサムウェア攻撃によるシステム障害対応費用を特別費用として特別損失に挙げていますね...52.16億円。。。
それ以外にも前期と比較し、売上減少に伴う利益減少(45億円)、一時的な物流効率の低下による物流費増(25億円のうち18億〜19億円)と言うのも影響額ですかね...
ざっとで120 億円程度の影響があったと言う感じですかね...
52億円の特別費用は、物流基盤を維持するための費用と、取引先ごとに今後発生しうる損害に対する引当金で全体の9割強となっているようです。ただ、BSを見てもそれっぽい引当金の顕著な増加は見られませんね...
アスクルさん頑張って欲しいですね...
● ASKUL
2026年5月期第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
これを見ると分かりやすいかもです...
2026年5月期 第2四半期 決算説明資料(スクリプト付き)
アスクル株式会社 2026年5月期 第2四半期決算説明 質疑応答要旨
...【ランサムウェア攻撃に伴う影響について】
Q:第 3 四半期以降、一過性コストや固定費増をどの程度見込んでいるのか?ロジスティクス事業の一時停止に伴う補償等の追加コストは発生するのか?
A:決算説明資料の 7 ページをベースにご説明すると、11 月度はランサムウェア攻撃の影響により大幅な減収となり、アスクル単体で約 300 億円の売上減が発生しており、限界利益ベースでは約 45 億円の利益減となる。また、一時的な物流効率の低下による物流費増の 25 億円については、夏場の猛暑による飲料等のケース品出荷の増加や、関東 DC 立ち上げ時に想定していた一時的な物流効率の低下(下期には改善見込み)も含まれているが、約 7 割にあたる 18~19 億円は、ランサムウェア攻撃に伴う手作業出荷などによる効率悪化が要因と考えている。
営業外費用については、稼働停止期間中に発生した物流センターや Web サイト等に係る償却費を計上している。これは本来であれば販管費として処理すべき費用を営業外として計上しているものであり、ランサムウェア攻撃による追加的なコストではない。
最も大きいのは特別損失の 52 億円であり、短期間で売上が急減した中でも当社の強みである物流基盤を維持するための車両確保など一定の維持コスト等が必要となった点が影響している。取引先への対応についても、契約上発生し得る損害額を見積もり計上しており、確定分と見積もり分の双方を含んでいる。これらはすべて第 2 四半期で織り込んでおり、第 3 四半期以降に大きな特別損失が新たに発生する見込みはない。なお、ロジスティクス事業も稼働停止の影響を受けている。以上を合計すると、第 2 四半期におけるランサムウェア関連の影響額は約 120 億円と見込んでいる。
Q:特別損失 52 億円の内訳について教えて頂きたい。出荷期限切れ商品の評価損の金額や対象品目、物流基盤の維持費用やシステム調査・復旧費用に要した人数規模、またその中には親会社からの支援も含まれているのか?
A:特別損失(システム障害対応費用)52 億円の主な内容は、物流基盤を維持するための費用と、取引先様ごとに今後発生し得る損害に対する引当金の 2 点であり、この 2 つで全体の約 9 割強を占めている。期限切れ商品の評価損や廃棄損については、規模としては数億円程度であり、応援に来ていただいた方の人件費等についても、大きな金額にはなっていない。
Q:第 3 四半期においても、償却費は営業外費用として計上されるのか?また、特別損失について、既にキャッシュアウトしている費用はあるのか?
A:営業外費用として計上している償却費は、稼働停止期間中に発生した減価償却費およびソフトウェア償却費で、本来は販管費となるものを営業外に振り替えて処理したものになる。稼働再開後は従来どおり販管費として計上されるため、あくまで区分が元に戻るという理解でいただきたい。特別損失については、第 2 四半期時点でキャッシュアウトしているものも一部あるが、第 3 四半期以降に確定し、追加でキャッシュアウトが発生する費用もある。
Q:下期は、ロジスティクス事業において大きな赤字が発生しないという理解でよいか?
A:ロジスティクス事業は 11 月度に大きな影響を受けたが、12 月中旬以降徐々に再開しており、12 月度も一定の影響は残るものの、その後は赤字幅が縮小していく見通しである。前期までは概ねマイナス 1 億円程度で推移していたが、今期、第 2 四半期はランサムウェアの影響によりマイナス 4 億円となっている。
...
【システム障害の原因/セキュリティ対策について】
Q:決算説明資料の 11 ページに記載されている原因分析について詳細を教えて頂きたい。
A:まず、ID・パスワードの漏洩については、業務委託先アカウントからのアクセスは確認しているものの、漏洩の直接的な原因はデータ上確認できていない。
バックアップについては、攻撃者がシステム内部に侵入し、一般的なランサムウェアの手法によりバックアップデータを暗号化したものである。ハードウェア機器に関するセキュリティ対策手順の課題については、一般的なネットワーク機器における脆弱性対策が十分に徹底されていなかった点にある。今後、このプロセスの健全化を進めていく方針である。
Q:ランサムウェア被害におけるサイバー保険の有無や適用範囲について教えて頂きたい。
A:サイバー保険には加入しているが、今回のランサムウェア攻撃について満額の補償が出るわけではない。保険自体の補償範囲も限定的であるため、今回の被害額と比べると、保険金が下りたとしても補填されるのは一部にとどまる。
Q: 被害を受けたシステムの復旧やセキュリティ対策に要する今後の費用をどの程度見込んでいるのか?
A:最も被害を受けた物流システムについては既に再構築が完了しており、ソフトウェア投資も大きな金額ではないため、来期の業績に大きな影響を与えるものではないと考えている。一方で、セキュリティ対策は今後さらに強化していく必要があり、これまで手を抜いていたわけではないものの、最優先で投資していく方針である。ただし、セキュリティ関連の投資についても巨額になることは想定しておらず、業績への影響は限定的であるとみている。
...
・2026.01.28 2026年5月期_1月度月次業績のお知らせ
・2026.01.28 ランサムウェア攻撃によるシステム障害に伴う特別損失の計上、通期連結業績予想の取り下げ、中間配当・期末配当予想の修正(中間配当無配、期末配当未定)および役員報酬の減額に関するお知らせ
1.特別損失の計上について
...システム障害対応費用として特別損失 52 億 16 百万円を計上しております。これは主にサービス復旧に備えた物流基盤等の維持費用、システム調査・復旧費用、出荷期限切れ商品の評価損等になります。...
2.通期連結業績予想の取り下げについて
...(2)取り下げの理由
...すでに 2025年 12 月中旬より本格的なサービスの復旧フェーズをスタートし、お客様の信頼および業績を回復するために全社一丸となり、販売促進施策や営業活動の準備を進めておりますが、今後の見通しを合理的に見積もることは困難と判断し、2025 年 7 月 4 日公表の 2026 年 5 月期通期連結業績予想を取り下げ、未定とすることといたします。
3.中間配当・期末配当予想の修正(中間配当無配、期末配当未定)について
...(3)修正理由
...配当については、財務体質の強化を図りつつ、毎期の業績等を勘案しながら、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を安定的に行うことを基本方針としておりますが、本事案による一時的な業績への影響と売上高回復に向けた資金投下等を鑑み、誠に遺憾ながら、2025 年 11 月 20 日を基準日とする中間配当につきましては無配とさせていただきます。なお、期末配当につきましては、現時点では未定とさせていただき、今後の業績動向を見極めつつ慎重に検討してまいります。
4.役員報酬の減額について
(1)役員報酬減額の内容
このたびの業績への影響を受け、役員報酬の支給対象取締役に対する月額固定報酬を 20%減額といたします。
2)減額の期間
2026 年 1 月支給分から 2026 年 5 月支給分まで
● まるちゃんの情報セキュリティ気まぐれ日記
・2025.12.14 ASKUL ランサムウェア攻撃の影響調査結果および安全性強化に向けた取り組みの報告 (2025.12.12)
・2025.11.30 アサヒホールディングス サイバー攻撃によるシステム障害発生についての記者会見他 (2025.11.27)
« IPA 「情報セキュリティ10大脅威 2026」を公開 (2026.01.29) | Main | 英国 NAO 監査の知見:2024-25年度NAO財務監査からの教訓と発見 (2026.01.26) »

Comments