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2025.11.04

国家サイバー統括室 サイバーセキュリティ戦略(案)サイバーセキュリティ推進専門家会議第2回会合

こんにちは、丸山満彦です。

日本のサイバーセキュリティ戦略の最新は[PDF]2021年のものですが、その改訂が検討されていますが、2025年版?の案が公表されていますね...

2回目で案がでてきているということは、ほぼ既定路線?

米国の場合は、2023年のサイバーセキュリティ戦略は、2022年の国家安全保障戦略のサイバー領域での実施計画となっていますが、日本のサイバーセキュリティ戦略は単独なんですかね...

 

国家サイバー統括室 - サイバーセキュリティ推進専門家会議

・2025.10.30 第2回会合(令和7年10月30日)

・・[PDF] 資料1 新たなサイバーセキュリティ戦略(案)の概要 

20251103-110104

 

 

・・[PDF] 資料2 サイバーセキュリティ戦略(案)

20251103-105951

 

目次...


I.策定の趣旨・背景

II.本戦略における基本的な考え方

1.確保すべきサイバー空間の在り方及び基本原則

2.サイバー空間を取り巻く情勢認識及び今後の見通し
(1)厳しさを増す国際情勢と国家を背景としたサイバー脅威の増大
(2)社会全体のデジタル化の進展とサイバー脅威の増大
(3)AI、量子技術等の新たな技術革新とサイバーセキュリティに及ぼす影響

3.サイバー空間を取り巻く課題認識及び施策の方向性
(1)深刻化するサイバー脅威に対する防御・抑止
(2)幅広い主体による社会全体のサイバーセキュリティ及びレジリエンスの向上
(3)我が国のサイバー対応能力を支える人材・技術に係るエコシステム形成

III.目的達成のための施策

1.深刻化するサイバー脅威に対する防御・抑止
(1)国が要となる防御・抑止
(2)官民連携エコシステムの形成及び横断的な対策の強化
(3)国際連携の推進・強化

2.幅広い主体による社会全体のサイバーセキュリティ及びレジリエンスの向上
(1)政府機関等におけるサイバーセキュリティ対策の強化
(2)重要インフラ事業者・地方公共団体等におけるサイバーセキュリティ対策の強化
(3)ベンダー、中小企業等を含めたサプライチェーン全体のサイバーセキュリティ及びレジリエンスの確保
(4)全員参加によるサイバーセキュリティの向上
(5)サイバー犯罪への対策

3.我が国のサイバー対応能力を支える人材・技術に係るエコシステム形成
(1)効率的・効果的な人材の育成・確保
(2)新たな技術・サービスを生み出すためのエコシステムの形成
(3)先端技術に対する対応・取組

IV.本戦略の推進体制


 

官民連携...


(3) 我が国のサイバー対応能力を支える人材・技術に係るエコシステム形成

産学官を通じて、サイバーセキュリティ人材の確保・育成・裾野拡大にこれまで以上に注力していく。また、研究・開発から実装・運用まで、産学官の垣根を越えた協働による、国産技術・サービスを核とした、新たな技術・サービスを生み出すエコシステムを形成するとともに、AI や量子技術等の新たな技術革新がもたらすサイバーセキュリティ分野の変革に備え、対応していく。

これについても、関係する各主体の「自律性」「多様な主体の連携」とともに、これまで我が国でサイバーセキュリティ分野での人材・技術が十分育ってこなかったことに鑑み、国がより積極的な役割を果たしていく。

これら施策の実現には、官だけ、民だけ、一国だけで対応することには限界がある。官民連携・国際連携の下、広く国民・関係者の理解を得て、国が対策の要となり、官民一体で我が国のサイバーセキュリティ対策を推進していく。

これにより、厳しさを増すサイバー空間を巡る情勢に切れ目無く対応できる、世界最高水準の強靱さを持つ国家を目指す。

加えて、本戦略に基づき施策を推進するに当たっては、以下の点に留意する。

・我が国全体のサイバーセキュリティ確保のためには、政府機関・重要インフラ事業者等を標的にしたサイバー脅威に対するサイバー安全保障の観点に基づく対応から、個人や企業による主体的・自律的な対策、それを支援する取組に至るまで、切れ目のない取組が必要であり、これらは互いに補いあう関係にある。また、サイバー空間には国境がなく、サイバーセキュリティに係る内外の施策は有機的に連携し推進されるべきものである。本戦略では、これらの必要な施策を切れ目なく一体的・総合的に実施し、施策の実効性を高めることを目指す。

・生成 AI 技術の進展等に伴い、サイバー空間を利用した外国からの偽情報拡散を含む影響工作の脅威の増大が懸念される。この問題は、我が国の健全な民主主義の基盤に影響を及ぼす可能性とともに、サイバー攻撃と連動し展開されるおそれもある。こうした状況を踏まえ、当該問題に係る関係省庁は密接に連携しつつ、我が国のサイバーセキュリティ確保の観点から、本戦略に基づく適切かつ必要な対応を行う。

・これまで述べてきたようなサイバー空間における脅威の実態について、国民の認識と理解を得ることが必要である。国は、サイバー対処能力強化法等に基づく能動的な防御・抑止の措置を含め、国の対応・施策の推進に当たり、関係者と連携しつつ、広く国民の理解と協力を得るよう努めていく


 

国が対策の要となるのはよいが、官民と上下の関係ではない...ということは政府側が強く意識をした方が良いし、常にそう言い続けておくことが重要ですよね...

要というのは、扇子の骨を留める金具のことですから、バラバラにならないように留めることが重要。取りまとめ役、事務局な立場...

「国がより積極的な役割を果たしていく」≠「国が指示する」

「国がより積極的な役割を果たしていく」=「国がプレイヤーとして役割を果たす」ということだと思うんですよね...書いている通り...

本当は多様な主体マルチステークホルダー)をもっと強調してもよいかもですね...

 

 

人材育成について...

人材育成については、2003年の経済産業省の情報セキュリティ総合戦略の時から言われている話で(もちろん環境変化があるのは理解しつつも)、必要となる人材ができる限り適時に揃えられる体制(構造、システム)をつくることが重要(もちろん今必要な人材を供給するオペレーションも重要なのですが)ですよね...でないと、いつまでも、人材不足を言い続けながら対策が後手後手になる(サイバーセキュリティ対策が向上しないのを人材不足のせいにしていないか???という話もあるしね...)。

案では、

「① 人材フレームワークの整備と効果的な運用」を提案した上で、「② サイバーセキュリティ人材の育成に資する教育や演習・訓練の更なる充実 」を以下のように説明しています...

社会人になってから会社が教育するのではなく、学問としてちゃんとサイバーセキュリティを位置付けて、国として(各大学の自主的な努力ではなく)学生を生み出せるようにしていくことが重要なような気がします。昔からそう言ってきています...

 


② サイバーセキュリティ人材の育成に資する教育や演習・訓練の更なる充実

我が国では、依然として専門知識や実践スキルを備えたサイバーセキュリティ人材の不足が指摘されている。一方、官民において資格制度や研修・演習、学び直しの機会提供等の取組は進展しており、この潮流を加速させ、「質」と「量」の両面で人材の確保・育成を加速させることが重要である。

初等中等教育段階から高等教育、職業訓練、社会人の能力開発、高度専門人材の育成に至るまで、体系的かつ継続的な学びの環境整備が求められる中、基礎的素養(情報リテラシー)から高度な専門性まで段階的に習得できる場の整備を図り、産学官が連携を強化して実践的スキルや最新知見の学習機会を確保する。

具体的には、「数理・データサイエンス・AI 教育プログラム認定制度」を通じた大学や高等専門学校におけるサイバーセキュリティを含む数理・データサイエンス・AI 教育の強化や、「セキュリティ・キャンプ」等の若年層を対象とした高度な技術教育プログラムの推進を図る。若手技術者には、最先端のセキュリティ技術・製品開発に関するカリキュラムを提供し、応用力や実務スキルの習得を支援する。重要インフラ事業者等に向けては、「CYDER」、「CYROP 46」及び「中核人材育成プログラム」等の対処能力向上に資する実践的な演習や演習基盤の提供、トレーニングの機会等を促進し、多様な学びの場を体系的に整備・拡充して、対象者が段階的に活用できる環境を整える。専門的なセキュリティスキルを有していない人材についても、組織内外のセキュリティの専門家と協働する上で必要な知識を習得したプラス・セキュリティ人材 47となれるような学習機会の充実化を図る。また、国家資格である情報処理安全確保支援士については、資格更新時の負担軽減を図りつつ、中小企業のセキュリティ対策支援を含め、活用促進に向けた取組を進めることにより人数の拡大を目指す。さらに、実践的な課題解決能力を養成し次世代人材の早期発掘や国際的な人的ネットワーク形成にも資する CTFCapture The Flag)について、人材育成上の効果も踏まえ活用する。

このような多様な学びの取組が、人材フレームワークを介して有機的に連携することで、学びの機会が継続的に提供され、それらを通じて得た知識・技能がキャリア形成や活躍の場につながるよう、各種教育・訓練制度を俯瞰しながら、不断の改善を進める。


 

ちなみに、人材フレームワークは昔からいわれつつ一向にできていないので、そろそろできるのでしょうね。これは非常に重要です。JNSAのSekBok(2021年版)[wikipedia]がありますが、(これをベースにでもよいのですが、)SP800-181 r1NICE Framework homepage (web) のような(あるいはコピーでもよいかも...)より詳細なものを正式に決める必要があるように思います...

で、大学の教育カリキュラムからリンクできる形になればなおいいですね...

 


 

 

ちなみに現行バージョンのこの図、改めて見るとポイントをよく図示できているように思います...

 

20251103-122829

 

あと、海外のサイバーセキュリティ

 

 


 

まるちゃんの情報セキュリティ気まぐれ日記

・2025.09.22 NCO サイバーセキュリティ推進専門家会議

・2021.09.30 日本のサイバーセキュリティ戦略についての質問に対する中国政府スポークスマンの回答

・2021.09.28 NISC サイバーセキュリティ戦略本部 第31回会合 サイバーセキュリティ戦略確定 (予算からみるとサイバーセキュリティは経済発展というよりも安全保障?)

 

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