個人情報保護委員会 DeepSeekに関する注意喚起と、外国制度(中華人民共和国)の更新 (2025.02.03)
こんにちは、丸山満彦です。
個人情報保護委員会は、うわさの生成的AIであるDeepSeekに関する注意喚起を出し、合わせて中華人民共和国の制度を更新したようですね...
・2025.02.03 DeepSeekに関する情報提供
生成AIサービスについては、その利用が世界的に普及している中、新たにDeepSeek社注1 による生成AIサービスが開発され、サービス提供が開始されています。同社の生成AIサービスについては、日本国内でサービス提供体制が構築されている他のサービスとは異なり、留意すべき点がありますが、同社が公表するプライバシーポリシーは中国語と英語表記のもののみとなっています。このため、同社が公表するプライバシーポリシーの記載内容に関して、以下のとおり、情報提供を行います。
- ①当該サービスの利用に伴いDeepSeek社が取得した個人情報を含むデータは、中華人民共和国に所在するサーバに保存されること
- ②当該データについては、中華人民共和国の法令が適用されること
(参考)
上記②に関して、当該データに対しては、例えば以下のような法令が適用されることとなります。
- 中華人民共和国個人情報保護法
- サイバーセキュリティ法
- データセキュリティ法
- 中華人民共和国国家情報法 等
国家情報法についても記載がありますね... 参考になります...
- 関係する機関・組織・国民に対し、国家安全機関、公安機関の情報部門及び軍の情報部門が行う国家情報活動に対して必要な支持・援助・協力行うことを義務付け。
- 同法に基づく事業者が保有する個人情報へのアクセスに関しては、例えば、以下の点に関する規定が存在しない。
- アクセスの実施に関する制限及び手続
- 法令において特定された目的(又は当該目的と矛盾しない正当な目的)の達成に必要な範囲でのアクセス実施
- アクセスの実施に関する独立した機関からの承認
- 取得された情報の取扱いの制限・安全管理
- アクセスの実施に関する透明性の確保
※上記のとおり、これらの法令によって、中華人民共和国の国家安全機関、公安機関等は、国家安全保障や犯罪捜査の目的に限らず、広範な情報収集活動の目的のもと、企業や個人に対して、その保有する、個人情報を含む様々な情報を提供させ、収集・監視することが可能とされている。したがって、同国企業が提供するデジタルサービス等を本邦国民が利用する際、同国企業によって収集される利用者個人に関する情報も、当該国家安全機関、公安機関等による収集・監視の対象となり得るものと考えられる。
個人の基本的人権と国家の安全保障のバランスをどのように取るのか?というのは、(民主主義の国であれば)それぞれの国民が国がどうあるべきかを規定する話ですから、国民で議論をする必要がある部分なのでしょうね...
【参考】
・中華人民共和国個人情報保護法(中华人民共和国个人信息保护法)
- [PDF] 仮訳
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