防衛白書(2024年)
こんにちは、丸山満彦です。
防衛省が令和6年、2024年の防衛白書を公表しましたね。。
70周年...
今年も表紙がいいですね。。。
今年の表紙のコンセプトは、刀鍛冶。込められた思いは抑止力の維持ですかね...ほとんど全ての市井の人は戦争なんてしたくないし、戦争に行きたくもない...
表紙のコンセプト「刀鍛冶」
防衛省・自衛隊は発足以来、「刀を抜かないために」必死で刀を鍛えてきました。すなわち、抑止力となる刀を鍛え上げ、わが国に対する武力侵攻を未然に防いできました。自衛隊発足70周年の節目にあたり、国家安全保障戦略などを踏まえ、わが国の防衛力、抑止力が順調に強化されている様と、今後もたゆまぬ努力を続ける決意を表現しています。
特集1 白書でひも解く 自衛隊発足70年の歩み
特集2 私はこうして「日本を守る! 」
・2024.07.12 報道・白書・広報イベント|令和6年度版防衛白書を掲載
サイバーという用語は508ヶ所にでてきますね...
新しい領域ということで、宇宙、サイバー、電磁波に関する文書が増えていますかね...
第I部
第4章 宇宙・サイバー・電磁波の領域や情報戦などをめぐる動向・国際社会の課題など
第3節 サイバー領域をめぐる動向
1 サイバー空間と安全保障
インターネットは、様々なサービスやコミュニティが 形成され、新たな社会領域(サイバー空間)として重要 性を増している。このため、サイバー空間上の情報資産 やネットワークを侵害するサイバー攻撃は、社会に深刻 な影響を及ぼすことができるため、安全保障にとって現 実の脅威となっている。 サイバー攻撃の種類は、不正アクセス、マルウェア(不 正プログラム)による情報流出や機能妨害、情報の改ざ ん・窃取、大量のデータの同時送信による機能妨害のほ か、電力システムや医療システムなど重要インフラのシ ステムダウンや乗っ取りなどがあげられる。また、AIを 利用したサイバー攻撃の可能性も指摘されるなど、攻撃 手法は高度化、巧妙化している。 軍隊にとっても、サイバー空間は、指揮中枢から末端 部隊に至る指揮統制のための基盤であり、サイバー空間 への依存度が増大している。サイバー攻撃は、攻撃主体 の特定や被害の把握が容易ではないことから、敵の軍事 活動を低コストで妨害できる非対称な攻撃手段として認 識されており、多くの国がサイバー攻撃能力を開発して いるとみられる。
2 サイバー空間における脅威の動向
諸外国の政府機関や軍隊のみならず民間企業や学術機関などに対するサイバー攻撃が多発しており、重要技術、機密情報、個人情報などが標的となっている。また、高度サイバー攻撃(A Advanced Persistent Threat PT)は、特定の組織を執拗に攻撃するとされ、長期的な活動を行うための潤沢なリソース、体制や能力が必要となることから、組織的活動であるとされる。
このようなサイバー攻撃に対処するために、脅威認識の共有などを通じて諸外国との技術面・運用面の協力が求められている。こうしたなか、米国は、攻撃主体が悪意のあるサイバー活動によって非対称な優位性を獲得し、重要インフラを標的にすることで、米国の軍事的優位性を低下させていると評価しており、特に、中国、ロシア、北朝鮮、イランをあげている1 。
1 中国
中国では、これまで、サイバー戦部隊は戦略支援部隊のもとに編成されていたとみられてきたが、この戦略支援部隊は、2024年に信息(情報)支援部隊などに再編された可能性が指摘されている。なお、2024年以前の戦略支援部隊は17万5,000人規模とされており、このうち、サイバー攻撃部隊は3万人との指摘もあった。台湾国防部は、サイバー領域における安全保障上の脅威として、中国が平時において、情報収集・情報窃取によりサイバー攻撃ポイントを把握し、有事では、国家の基幹インフラや情報システムの破壊、社会の動揺、秩序の混乱をもたらし、軍や政府の治安能力を破壊すると指摘している2。また、中国が2019年に発表した国防白書「新時代における中国の国防」において、軍によるサイバー空間における能力構築を加速させるとしているなど、軍のサイバー戦能力を強化していると考えられる。
3章2節2項5(軍事態勢)
中国は、サイバー空間において、日常的に技術窃取や国外の敵対者の監視活動を実施しているとされ3 、2023年には、次の事案への関与が指摘されている。
・ 2023年4月、米司法省は、米居住の中国反体制派のオンライン会議において、反体制派の発信をメッセージの大量送信により妨害したとして、中国政府職員を起訴。
・ 2023年5月、米国と英国などは、中国政府が支援するサイバーアクター「Volt Typhoon」が米国の重要インフラに侵入していたと公表。痕跡が残らないように、侵入先の環境にあるネットワークツールを使用して検知を回避していたと指摘。
・ 2023年7月、米IT企業は、中国を拠点とするサイバーアクター「Storm-0558」が米国務省、商務省などの電子メールアカウントをハッキングしていたと公表。
・ 2023年8月、米IT企業は、中国を拠点とするサイバーアクター「Flux Typhoon」が台湾の政府機関などに侵入し、長期的なアクセスを確立・維持していたと公表。
・ 2023年9月、警察庁・内閣サイバーセキュリティセンターなどは、中国を背景とするサイバーアクター「BlackTech」がわが国を含む東アジアと米国の政府、産業、技術分野などの情報窃取を目的としたサイバー攻撃をしたとして注意喚起。
2 北朝鮮
北朝鮮には、偵察総局、国家保衛省、朝鮮労働党統一戦線部、文化交流局の4つの主要な情報機関と対外情報機関が存在しており、情報収集の主たる標的は韓国、米国とわが国であるとの指摘がある4 。また、人材育成はこれらの機関が行っており5 、軍の偵察総局を中心に、サイバー部隊を集中的に増強し、約6,800人を運用中と指摘されている6 。各種制裁措置が課せられている北朝鮮は、国際的な統制をかいくぐり、通貨を獲得するための手段としてサイバー攻撃を利用しているとみられる7ほか、軍事機密情報の窃取や他国の重要インフラへの攻撃能力の開発などを行っているとされる。2024年に発表された「国連安保理北朝鮮制裁委員会専門家パネル2023年最終報告書」においては、2017年から2023年までの北朝鮮の関与が疑われる暗号資産関連企業に対する58件のサイバー攻撃の被害が約30億ドルにのぼるほか、北朝鮮は外貨収入の約5割をサイバー攻撃により獲得し大量破壊兵器計画に使用していると報告されている。2023年には、次の事案への関与が指摘されている。
・ 2023年4月、米司法省は、サイバー攻撃によって得た暗号資産を資金洗浄したなどとして北朝鮮の朝鮮貿易銀行の幹部を起訴。
・ 2023年6月、韓国と米国は、北朝鮮のサイバーアクター「キムスキー」がソーシャルエンジニアリングを利用した不正アクセスによって外交情報を収集していたとして注意喚起。
・ 2023年7月、米セキュリティ企業は、北朝鮮偵察総局傘下とみられるサイバーアクターが米ソフトウェア事業者のシステムに侵入し、この事業者の顧客に対して悪意のあるスクリプトを実行したと発表。
・ 2023年8月、米連邦捜査局は、北朝鮮のサイバーアクターが6月に複数事業者から数億ドル相当の暗号資産を窃取していたとして注意喚起。
・ 2023年10月、韓国国家情報院は、8月と9月に北朝鮮のハッカーが韓国国内の造船企業やその従業員に対して、技術情報窃取とみられるサイバー攻撃の試みを検知したとして注意喚起。
3 ロシア
ロシアについては、軍参謀本部情報総局、連邦保安庁、対外情報庁がサイバー攻撃に関与しているとの指摘があるほか、軍のサイバー部隊8 の存在が明らかとなっている。サイバー部隊は、敵の指揮・統制システムへのマル ウェアの挿入を含む攻撃的なサイバー活動を担うとされ9、その要員は、約1,000人と指摘されている。また、2021年に公表した国家安全保障戦略において、宇宙・情報空間は、軍事活動の新たな領域として活発に開発されているとの認識を示し、情報空間におけるロシアの主権の強化を国家の優先課題として掲げている。なお、2019年には、サイバー攻撃などの際にグローバルネットワークから自国のネットワークを遮断し、ネットワークの継続性を確保することを想定したいわゆるインターネット主権法を施行している。ロシアは、スパイ活動、影響力行使、攻撃に関する能力を向上させているとされ10 、2023年には、次の事案への関与が指摘されている。
・ 2023年4月、ポーランドは、ロシア連邦保安庁に関連するサイバーアクターがEU諸国の省庁などを標的とする広範な諜報活動を観測したとして注意喚起。大使館を装い、マルウェアを挿入させるリンク付き電子メールを送信していたと指摘。
・ 2023年5月、米国と英国などは、ロシア連邦保安庁がマルウェア「Snake」を使用し、50か国以上で20年近く諜報活動をしていたと発表。マルウェアに感染したコンピュータは、暗号化したネットワークを構築し、偽装した通信を中継していたと指摘。
・ 2023年6月、ウクライナは、ロシアのサイバーアクター「APT28」がウクライナの省庁などに対して、ウェブメールの脆弱性を悪用した諜報活動をしていたとして注意喚起。
・ 2023年8月、ウクライナ、英国、米国は、ロシア軍参謀本部情報総局がウクライナ軍の使用する端末に対して新しいマルウェア「Infamous Chisel」を展開しようとしていたとして注意喚起。
・ 2023年12月、英国と米国などは、ロシア連邦保安庁傘下のサイバーアクター「Star Blizzard」が英国やその他の地域の組織や個人を標的とするスピアフィッシング攻撃をしていたとしてロシアを非難。
4 その他の脅威の動向近年では、日常的に使用する製品の脆弱性やセキュリティが緩い取引先などを介したサプライチェーン攻撃や、重要インフラなどの産業制御システムへのサイバー攻撃も注目されている。
サプライチェーン攻撃は、製品の部品調達から販売に至る供給過程において、信頼している組織やソフトウェアを侵害して標的となる組織に侵入するため、従来セキュリティの回避が懸念されている。2023年に、米国と英国などは、ランサムウェア攻撃を仕掛けるアクター「cl0p」が政府機関の使用するソフトウェアの脆弱性を利用して政府ネットワーク内に侵入していたとして注意喚起している。
産業制御システムへのサイバー攻撃は、これまでは独自仕様やクローズドなシステムであったものが、ITの利用によりオープンなシステムに移行することで、攻撃の標的になりやすくなっていることから、重要インフラなどへのサイバー攻撃が懸念されている。2022年に欧州のセキュリティ企業は、ウクライナ送変電施設へのロシアのサイバー攻撃において、ITネットワークよりも内側にある産業制御システムに侵入し、破壊的なマルウェアを展開しようとしていたと指摘している。また、宇宙システムについても、2022年に衛星通信事業者に対するロシアのサイバー攻撃によって衛星通信サービスが中断している。このため、各国は衛星通信に関する新たなアドバイザリやガイドラインなどによりセキュリティ対策を強化するほか、欧米では、宇宙システムの脆弱性を明確にする侵入試験やハッキング競技会なども実施されている。
3 サイバー空間における脅威に対する動向
こうしたサイバー空間における脅威の増大を受け、各国で各種の取組が進められている。サイバー空間に関しては、国際法の適用のあり方など、基本的な点についても国際社会の意見の隔たりがあるとされ、例えば、米国、欧州、わが国などが自由なサイバー空間の維持を訴える一方、ロシアや中国、新興国などの多くは、サイバー空間の国家管理の強化を訴えている。国連では、2021年から2025年にかけ、サイバー空間における脅威認識、規範、国際法の適用など幅広い議論をするオープン・エンド作業部会が開催されている。
参照 Ⅲ部1章4節5項(サイバー領域での対応)
1 米国
米国では、連邦政府のネットワークや重要インフラのサイバー防護に関しては、国土安全保障省が責任を有しており、国土安全保障省サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency; CISA)が政府機関のネットワーク防御に取り組んでいる。
戦略面では、国家サイバーセキュリティ戦略を発表し、重要インフラの防御や脅威アクターの阻止・解体などに注力するとしている。また、連邦政府機関のサイバーセキュリティを強化するための「ゼロトラスト11戦略」を発表し、各省庁に対してゼロトラストモデルのセキュリティ対策を求めている。さらに、不足するサイバー人材を確保するため国家サイバー人材・教育戦略を発表し、国民の基本的サイバースキルの習得やサイバー教育の変革などに長期的に対処するとしている。
安全保障に関しては、国家安全保障戦略において、サイバー攻撃の抑止を目指し、サイバー空間における敵対的行動に断固として対応するとし、国家防衛戦略では、サイバー領域における抗たん性の構築を優先し、直接的な抑止力の手段として攻勢的サイバー防御をあげている。また、国防省のサイバー戦略2023では、攻撃者の組 織・能力・意図を追跡し、悪意のあるサイバー活動を妨害・劣化させて防御するほか、統合軍のサイバー領域での作戦を支援し、同盟国や関係国と協力して防御するとしている。
なお、2019年日米「2+2」では、サイバー分野における協力を強化していくことで一致し、国際法がサイバー空間に適用されるとともに、一定の場合には、サイバー攻撃が日米安全保障条約にいう武力攻撃に当たりうることを確認している。米軍は、2018年に統合軍に格上げされたサイバー軍が、サイバー空間における作戦を統括している。米サイバー軍は、国防省の情報ネットワークの防護、敵のサイバー活動監視や攻撃防御、統合軍の作戦支援などのチームから構成されており、6,200人規模である。また、米軍は、ラトビアやリトアニアなどのパートナー国において、重要なネットワーク上の悪意のあるサイバー活動に 対して、防御し妨害する作戦を実施している。
2 韓国
韓国は、2024年、北朝鮮などによるサイバー脅威や高度化するサイバー環境に対応するため、攻勢的サイバー防御や抗たん性確保などを目標とする新しい「国家サイバー安保戦略」を発表している。国防部門では、韓国軍は、サイバー作戦態勢を強化し、サイバー空間における脅威に効果的に対応するため、2019年に合同参謀本部を中心としたサイバー作戦の遂行体系を構築するとともに、合同参謀本部、サイバー作戦司令部、各軍の連携体制を整備した。2023年には、米韓サイバー安全保障協力を強化するため、米韓高官級協議体「高位運営グループ」が発足している。
3 オーストラリア
オーストラリアは、2022年に発表した国防サイバーセキュリティ戦略において、サイバー脅威環境に適応した任務重視かつ最新のサイバーセキュリティをベストプラクティスとパートナーシップによって実現するとし、運用モデル実装や能力取得など行動目標を定めている。また、2023年に公表した「2023年から2030年までのサイバーセキュリティ戦略」において、2030年までにサイバーセキュリティの世界的なリーダーになるためのロードマップを定めている。
2023年に公表した国防戦略見直しでは、ドメイン統合作戦を支援するサイバー能力を広範に強化すべきとしており、2024年に公表した国家防衛戦略および統合投資プログラムにおいて、2034年までの10年間にわたり、サイバー能力を含む防衛能力を向上させることとしている。
組織面では、オーストラリアサイバーセキュリティセンター(A Australian Cyber Security Centre CSC)を設置し、政府機関と重要ンフラに関する重大なサイバーセキュリティ事案に対処している。また、2022年、サイバー攻撃を未然に阻止するため、通信局と連邦警察から選抜された100名のサイバー要員で構成される常設共同タスクフォースの新設を発表し、サイバーセキュリティ大臣は攻勢的なサイバー防御を明言した。
豪軍は、2017年に統合能力群内に情報戦能力部を、2018年にその隷下に国防通信情報・サイバー・コマンド(D Defence Signals Intelligence and Cyber Command SCC)を設立した。空軍では、職種区分としてネットワーク、データ、情報システムなどを防護するサイバー関連特技を新設し、2019年に新設した特技の募集を開始した。
4 欧州
EUは、2020年に「デジタル10年のためのEUのサイバーセキュリティ戦略」を発表し、強靱なインフラと重要サービスのための規則改正や、民間・外交・警察・防衛各分野横断型の共同サイバーユニットの設立などを目標としている。加えて、EUの市民とインフラの保護能力強化などのため、2022年にEUサイバー防衛政策を発表している。
また、域内のサイバー協力のため、サイバー防御活動の共通フレームワークを加盟国軍のサイバー事案対処チームでの利用を進めるほか、加盟国相互のサイバーセキュリティ支援などに取り組んでいる。2023年には、サイバー関連の危機対応のため、加盟国間の情報共有と状況認識を強化する運用者レベルでの演習を実施している。
NATOは、2014年のNATO首脳会議において、加盟国に対するサイバー攻撃をNATOの集団防衛の対象とみなすことで合意している。また、2023年のNATO首脳会議では、サイバー防衛分野の政治、軍事、技術を統合して平時・危機・有事を通して軍民協力を確保し、重要インフラを含む国家サイバー防衛をさらに強化するとしている。
組織面では、NATOサイバーセキュリティセンターがNATO自身のネットワークを保護するほか、サイバー領域作戦センターがサイバー領域における作戦行動の調整、行動自由の確保、脅威への回復力を提供している。2023年には、悪意のある重大なサイバー活動に対する支援として仮想サイバー事案支援能力(V Virtual Cyber Incident Support Capability CISC)を立上げている。
また、研究や訓練などを行う機関としてNATOサイバー防衛協力センター(Cooperative Cyber Defence Centre of Excellence CCDCOE)が2008年に認可さ れた。CCDCOEは、サイバー活動に適用される国際法をとりまとめたタリンマニュアル2.0を2017年に公表しており、このマニュアルを3.0へ更新する取組が進められている。また、2023年、CCDCOE主催「ロックド・シールズ」や、NATO主催「サイバー・コアリション」のサイバー防衛演習が開催され、NATO加盟国のほか、わが国も参加している。
英国は、2021年に公表した国家サイバー戦略において、敵対勢力の探知・阻止・抑止などの戦略的目標を掲げている。また、2023年に公表した「国家サイバー部隊:責任あるサイバー戦力の実践」では、テロ活動の妨害、APT脅威への対抗、選挙干渉の軽減などを実施し、今後、国家サイバー部隊の規模・能力・機能統合を追求するとしている。
組織面では、2016年に、国のサイバーインシデントに対応し、官民のパートナーシップを推進するため、国家サイバーセキュリティセンターを政府通信本部に新設した。また、2020年に軍のネットワーク防護を担当する第13通信連隊を発足させたほか、国家サイバー部隊を設立している。
フランスは、2015年に発表した国家デジタルセキュリティ戦略において、サイバー空間の基本的利益を保護し、サイバー犯罪への対応を強化するなどとしている。また、2018年の「サイバー防御の戦略見直し」では、サ イバー危機管理プロセスを明確化している。
組織面では、2017年に統合参謀本部隷下にサイバー防衛軍を発足させており、2025年までに約5,000名規模の人員に増強し、サイバー防衛能力を強化するとしている。また、2023年に成立した「2024から2030年の軍事計画法」では、サイバー任務のための戦術・手法・手順を構築するセンター・オブ・エクセレンス(研究拠点)の創設を目指すとしている。
1 米国防省「サイバー戦略2023」(2023年)による。
2 台湾国防部「国防報告書」(2021年)による。
3 米国防省「サイバー戦略2023」(2023年)による。
4 米国防情報局「北朝鮮の軍事力」(2021年)による。
5 韓国国防部「2016国防白書」(2017年)による。
6 韓国国防部「2022国防白書」(2023年)による。
7 米国防情報局「北朝鮮の軍事力」(2021年)による。
8 2017年2月、ロシアのショイグ国防相の下院の説明会での発言による。ロシア軍に「情報作戦部隊」が存在するとし、欧米との情報戦が起きており「政治宣伝活動に対抗する」としている。ただし、ショイグ国防相は部隊名の言及はしていない。
9 2015年9月、クラッパー米国家情報長官(当時)が下院情報委員会で「世界のサイバー脅威」について行った書面証言による。
10 米国防省「サイバー戦略2023」(2023年)による。
11 「内部であっても信頼しない、外部も内部も区別なく疑ってかかる」という性悪説に基づいた考え方。利用者を疑い、端末などの機器を疑い、許されたアクセス権でも、なりすましなどの可能性が高い場合は動的にアクセス権を停止する。防御対象の中心はデータや機器などの資源。
サイバー安全保障という用語は19ヶ所にでてきますね...
第III部 防衛目標を実現するための3つのアプローチ
第1章 わが国自身の防衛体制
3 サイバー安全保障
政府は、国家安全保障戦略を踏まえ、武力攻撃に至らないものの安全保障上の懸念を生じさせる重大なサイバー攻撃のおそれがある場合に能動的サイバー防御を導入することなど、政府全体としてサイバー安全保障分野における対応能力を欧米主要国と同等以上に向上させる方針である。
2024年度においては、特に、政府機関などの情報システムのサイバーセキュリティ確保についての施策を中心に事業を計画している。このほか、サイバー安全保障関連予算の一定の増強を図るとともに、複数の幹部職員の新たな配置と指揮命令系統の強化により、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC; National center of Incident readiness and Strategy for Cybersecurity)の抜本的強化を図る。また、能動的サイバー防御の実施に関する事業については、関連する法整備に向けた検討の進展状況を踏まえつつ、実施すべき事業について引き続き精査を行うこととしている。
第4節 ミサイル攻撃を含むわが国に対する侵攻への対応
5 サイバー領域での対応
サイバー領域においては、諸外国や関係省庁、民間事業者との連携により、平素から有事までのあらゆる段階において、情報収集、共有を図るとともに、わが国全体としてのサイバー安全保障分野での対応能力の強化を図ることが重要である。政府全体において、サイバー安全保障分野の政策が一元的に総合調整されていくことを踏まえ、防衛省・自衛隊においては、自らのサイバーセキュリティのレベルを高めつつ、関係省庁、重要インフラ事業者、防衛産業との連携強化に資する取組を推進することとする。Ⅰ部4章3節(サイバー領域をめぐる動向)
1 政府全体としての取組
政府は、国家安全保障戦略を踏まえ、武力攻撃に至らないものの安全保障上の懸念を生じさせる重大なサイバー攻撃のおそれがある場合に能動的サイバー防御を導入することなど、政府全体としてサイバー安全保障分野における対応能力を欧米主要国と同等以上に向上させる方針である。2024年度においては、特に、政府機関などの情報システムのサイバーセキュリティ確保についての施策を中心に事業を計画しているほか、内閣サイバーセキュリティセンター(N National center of Incident readiness and Strategy for Cybersecurity ISC)の抜本的強化を図ることとしている。
1節2項3(サイバー安全保障)
2 防衛省・自衛隊の取組
サイバー領域は、国民生活にとっての基幹インフラであるとともに、わが国の防衛にとっても領域横断作戦を遂行する上で死活的に重要である。近年のサイバー空間における厳しい情勢を踏まえ、国家安全保障戦略においては、武力攻撃に至らないものの、安全保障上の懸念を生じさせる重大なサイバー攻撃を可能な限り未然に排除し、発生してしまった場合には被害の拡大を防止するため、能動的サイバー防御を導入することとしている。防衛省・自衛隊は、能動的サイバー防御を含むサイバー安全保障分野における政府全体での取組と連携していく。その際、重要なシステムなどを中心に常時継続的にリスク管理を実施する態勢に移行し、これに対応するサイバー要員を大幅増強するとともに、特に高度なスキルを有する外部人材を活用することにより、高度なサイバーセキュリティを実現する。高いサイバーセキュリティの能力により、あらゆるサイバー脅威から自らを防護するとともに、その能力を活かしてわが国全体のサイバーセキュリティの強化に取り組んでいくこととする。
このため、2027年度までに、サイバー攻撃31状況下においても、指揮統制能力や優先度の高い装備品システムを保全できる態勢を確立し、また防衛産業のサイバー防衛を下支えできる態勢を確立する。今後、おおむね10年 後までに、サイバー攻撃状況下においても、指揮統制能力、戦力発揮能力、作戦基盤を保全し任務が遂行できる態勢を確立しつつ、自衛隊以外へのサイバーセキュリティを支援できる態勢を強化することとしている。図表Ⅲ-1-4-12(防衛省・自衛隊におけるサイバー攻撃対処のための総合的施策)、資料16(防衛省のサイバーセキュリティに関する近年の取組)
(1)サイバーセキュリティ確保のための体制整備
ア サイバー専門部隊の体制拡充
2022年3月、共同の部隊として自衛隊サイバー防衛隊が新編され、サイバー攻撃などへの対処のほか、陸・海・空自のサイバー専門部隊に対する訓練支援や防衛省・自衛隊の共通ネットワークである防衛情報通信基 盤32(Defense Information Infrastructure DII)の管理・運用などを実施している。2023年度 以降も、自衛隊サイバー防衛隊をはじめ陸・海・空自のサイバー専門部隊の体制を拡充しているほか、サイバー関連業務に従事する隊員のサイバー要員化を推進している。また、2023年7月に整備計画局情報通信課を改編し、サイバー整備課と大臣官房参事官を新設するなど、サイバー政策の企画立案機能も強化した。
イ 民間人材の活用
サイバーセキュリティに関する専門的知見や経験を有する者を自衛官や技官として採用するとともに、官民人事交流も行っている。また、2021年7月から、サイバー領域における高度な知識・スキルや豊富な経験・実績を有する人材をサイバーセキュリティ統括アドバイザーとして採用しているほか、民間企業における実務経験を積んだ者を採用する官民人事交流制度や役務契約などによる外部人材の活用などにも取り組んでいる。2021年から、サイバーセキュリティに関する専門的知見を備えた優秀な人材を発掘することを目的として、防衛省サイバーコンテストを実施31 情報通信ネットワークや情報システムなどの悪用により、サイバー空間を経由して行われる不正侵入、情報の窃取、改ざんや破壊、情報システムの作動停止や誤作動、不正プログラムの実行やDDoS攻撃(分散サービス不能攻撃)など。32 自衛隊の任務遂行に必要な情報通信基盤で、防衛省が保有する自営のマイクロ回線、通信事業者から借り上げている部外回線や衛星回線の各種回線を利用し、データ通信網と音声通信網を構成する全自衛隊の共通ネットワーク。している。さらに、2022年から、新たにサイバーセキュリティの技能を持つ予備自衛官補の採用も開始している。
(2)セキュリティ強化
ア 最新のアーキテクチャの導入
サイバー領域における脅威は日々高度化・巧妙化していることから、情報システムのセキュリティ対策についても、一過性の「リスク排除」から継続的な「リスク管理」へ考え方を転換し、情報システムの運用開始後も常時継続的にリスクを分析・評価し、必要なセキュリティ対策を実施するリスク管理枠組み(Risk Management Framework RMF)を2023年度から実施している。また、境界型セキュリティのみで組織ネットワーク内部を安全に保ちうるという従来の発想から脱却し、ゼロトラストの概念に基づくセキュリティ機能の導入に向けた取組を進めていく。これらにより、防衛省・自衛隊のサイバーセキュリティレベルを向上させ、万が一、組織ネットワーク内部に侵入されたとしても迅速に検知、対処できる体制を構築する。
KEY WORD: ゼロトラスト 組織ネットワーク内部の安全性を当然視せず、内外からすべてのアクセスについて真正性を動的に検証・制御することで、組織の情報資産(データ、デバイス、アプリケーションなど)を安全に保つとの考え方。
イ 装備品や施設インフラを含めたセキュリティ対策
日々高度化・巧妙化する最新のサイバー攻撃の脅威に対して適切に対応していくためには、情報システムの防護態勢を強化していくことが必要である。そのため、自衛隊のシステムを統合・共通化したクラウドを整備し、一元的なサイバーセキュリティ対策を実施するほか、装備品システムや施設インフラシステムの防護態勢を強化するとともに、ネットワーク内部に脅威が既に侵入している前提で内部の潜在的脅威を継続的に探索・検出するスレットハンティング機能の強化などを進めていく。
ウ 防衛産業サイバーセキュリティの強化
防衛省・自衛隊は、米国の基準であるNIST SP800- 17133と同水準の管理策を盛り込んだ新たな情報セキュリティ基準である「防衛産業サイバーセキュリティ基準」を2022年3月に整備した。これを受け、2023年4月以降、防衛関連企業において保有する情報システムの改修などが進められている。図表Ⅲ-1-4-13(ゼロトラスト概念に基づくセキュリティ機能の強化(イメージ))、Ⅳ部1章1節2項4 (防衛産業保全の強化)
(3)教育・研究
自衛隊のサイバー防衛能力の抜本的強化を図るためには、サイバーセキュリティに関する高度かつ幅広い知識を保有する人材を育成していくことが喫緊の課題であり、教育の拡充や民間の知見の活用も含めて積極的な取組が必要である。このため、高度な知識や技能を修得・維持できるよう、要員をサイバー関連部署に継続的かつ段階的に配属するとともに、部内教育や部外教育による育成を行っている。
各自衛隊の共通教育として、2019年度から陸自通信学校(当時)においてサイバーセキュリティに関する共通的かつ高度な知識を習得させるサイバー共通教育を実施しているほか、米国防大学サイバー戦指揮官要員課程、米陸軍サイバー戦計画者課程への隊員派遣、陸自高等工科学校へのシステム・サイバー専修コースの設置といった取組を実施している。また、2024年3月に、陸自通信学校を陸自システム通信・サイバー学校に改編してサイバー教育部を新設し、サイバー要員を育成する教育基盤を拡充した。防衛大学校においても、サイバーに関するリテラシー教育の拡充を行うとともに、2024年度に情報工学科をサイバー・情報工学科に改編した。
さらに、サイバーセキュリティは高度な知識をもつ専門人材のみならず、ネットワーク・システムを利用するすべての人員のリテラシーなくしては成立しないことから、一般隊員へのリテラシー教育を推進している。
研究面では、2023年度に防衛研究所に新設したサイバー安全保障研究室の研究体制を強化するとともに、防衛装備庁次世代装備研究所において、サイバー攻撃による被害拡大の防止やサイバー攻撃を受けても各種装備システムの運用を継続できるよう、装備システム用サイバー防護技術の研究を進めている。
(4)民間企業や諸外国との連携
サイバー攻撃に対して、迅速かつ的確に対応するためには、民間部門との協力、同盟国などとの戦略対話や共同訓練などを通じ、サイバーセキュリティにかかる最新のリスク、対応策、技術動向を常に把握しておく必要がある。このため、民間企業や同盟国である米国をはじめとする諸外国と効果的に連携していくこととしている。
ア 民間企業などとの協力
2013年7月に、サイバーセキュリティへの関心が高い防衛産業10社程度をメンバーとするサイバーディ フェンス連携協議会(C Cyber Defense Council DC)を設置し、防衛省がハブとなり、防衛産業間において情報共有を実施することにより、情報を集約し、サイバー攻撃の全体像の把握に努めている。また、毎年1回、防衛省・自衛隊と防衛産業にサイバー攻撃が発生した事態などを想定した共同訓練を実施し、防衛省・自衛隊と防衛産業双方のサイバー攻撃対処能力向上に取り組んでいる。
イ 米国との協力
あらゆる段階における日米共同での実効的な対処を支える基盤を強化するため、日米両国がその能力を十分に発揮できるよう、あらゆるレベルにおける情報共有をさらに強化し、情報保全やサイバーセキュリティにかかる取組を抜本的に強化していく。
2013年10月、日米両政府は、防衛当局間の政策協議の枠組みとして日米サイバー防衛政策ワーキンググループ(Cyber Defense Policy Working Group CDPWG)を設置した。この枠組みでは、サイバーに関する政策的な協議の推進、情報共有の緊密化など、幅広い分野に関する専門的・具体的な検討を行った。
2015年には日米防衛協力のための指針(ガイドライン)とCDPWG共同声明が発表され、日米両政府の協力として、迅速かつ適切な情報共有体制の構築や、自衛隊と米軍が任務遂行上依拠する重要インフラの防衛などがあげられるとともに、自衛隊と米軍の協力として、各々のネットワークとシステムの抗たん性の確保や教育交流、共同演習の実施などがあげられた。また、2019年 4月の日米「2+2」では、国際法がサイバー空間に適用されるとともに、一定の場合には、サイバー攻撃が日米 安保条約第5条にいう武力攻撃にあたりうることを確認した。さらに、2023年1月の日米「2+2」や、同年10 月の日米防衛相会談において、サイバー分野における協力を強化することで一致するとともに、日米両政府全体の枠組みである日米サイバー対話への参加や、防衛当局間の枠組みである日米ITフォーラムを継続的に開催するなど、米国との連携強化を一層推進している。運用協力の面では、日米共同統合演習(実動演習)、日米豪共同指揮所演習などにおいてサイバー攻撃対処訓練を実施し、日米共同対処能力の向上に取り組んでいる。
ウ 同志国などとの協力
米国以外の関係国とは、脅威認識の共有、サイバー攻撃対処に関する意見交換、多国間演習への参加などにより、連携・協力を強化することとしている。North Atlantic Treaty Organization NATOなどとの間では、政府全体の枠組みである日
NATOサイバー協議への参加や、防衛当局間においてサイバー空間を巡る諸課題について意見交換する日NATOサイバー防衛スタッフトークスなどを行うとと もに、エストニアに設置されているNATOサイバー防衛協力センター(Cooperative Cyber Defence Centre of Excellence CCDCOE)が主催する「サイバー紛 争に関する国際会議」(International Conference on Cyber Conflict CyCon)に参加している。CCDCOEには、2019年3月から、防衛省から職員を派遣している。2022年10月、CCDCOEの活動への参加にかかる取決めへの署名手続きが完了し、防衛省は正式に同センターの活動に参加することとなった。
このほか、オーストラリア、英国、ドイツ、フランス、エストニアとの防衛当局間のサイバー協議を行っている。また、シンガポール、ベトナムなどとの防衛当局間で、ITフォーラムを実施し、サイバーセキュリティを含む情報通信分野の取組や技術動向に関する意見交換を行っているほか、ASEANに対するサイバーセキュリティ分野の能力構築支援なども実施している。自衛隊のサイバー領域の能力強化や諸外国との連携強化を目的に、2023年4月、CCDCOEが主催する多国間サイバー防衛演習「ロックド・シールズ2023」に日豪合同チームで参加するとともに、2024年2月には英国主催の「ディフェンス・サイバー・マーベル3」に前年に続いて参加した。さらに同月には、陸自が多国間サイバー防護競技会「Cyber KONGO 2024」を主催し、米国、オーストラリア、ドイツ、フランス、リトアニア、ベトナム、フィリピンなど計16か国の参加国とともに、サイバー領域における能力の強化を図った。(
5)政府全体としての取組への寄与
防衛省・自衛隊は、警察庁、デジタル庁、総務省、外務省、経済産業省と並び、サイバーセキュリティ戦略本部の構成員として、NISCを中心とする政府横断的な取組に貢献しており、例えばサイバー攻撃対処訓練への参加 や人事交流、サイバー攻撃に関する情報提供、情報セキュリティ緊急支援チーム34(C Cyber incident Mobile Assistance Team YMAT)に対する要員の派遣などを行っている。また、NISCが実施している府省庁の情報システムの侵入耐性診断に関し、自衛隊が有する知識・経験を活用し、協力している。
31 情報通信ネットワークや情報システムなどの悪用により、サイバー空間を経由して行われる不正侵入、情報の窃取、改ざんや破壊、情報システムの作動停止や誤作動、不正プログラムの実行やDDoS攻撃(分散サービス不能攻撃)など。
32 自衛隊の任務遂行に必要な情報通信基盤で、防衛省が保有する自営のマイクロ回線、通信事業者から借り上げている部外回線や衛星回線の各種回線を利用し、データ通信網と音声通信網を構成する全自衛隊の共通ネットワーク。
33 非政府機関情報システムにおけるセキュリティ管理策であり、米国防省が注意情報を取り扱う契約企業に対して義務付けている情報セキュリティ基準。
34 政府として一体となった対応が必要となる情報セキュリティにかかる事象が発生した際に、被害拡大防止、復旧、原因調査や再発防止のための技術的な支援、助言などを行うチーム。
防衛白書
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・電子書籍(epub)版(準備中)
目次...
特集1 白書でひも解く 自衛隊発足70年の歩み
特集2 私はこうして「日本を守る! 」
ダイジェスト 本文第Ⅰ部~第Ⅳ部の記述について、分かりやすく要約しています。
第I部 わが国を取り巻く安全保障環境
第1章 概観
1 グローバルな安全保障環境
2 インド太平洋地域における安全保障環境
第2章 ロシアによる侵略とウクライナによる防衛
1 全般
2 ウクライナ侵略の経過と見通し
3 ウクライナ侵略が国際情勢に与える影響と各国の対応
第3章 諸外国の防衛政策など
第1節 米国
1 安全保障・国防政策
2 軍事態勢
第2節 中国
1 全般
2 軍事
3 対外関係など
第3節 米国と中国の関係など
1 米国と中国の関係(全般)
2 インド太平洋地域における米中の軍事動向
3 台湾の軍事力と中台軍事バランス
第4節 朝鮮半島
1 北朝鮮
2 韓国・在韓米軍
第5節 ロシア
1 全般
2 安全保障・国防政策
3 軍事態勢と動向
4 北方領土などにおけるロシア軍
5 対外関係
第6節 大洋州
1 オーストラリア
2 ニュージーランド
第7節 東南アジア
1 全般
2 各国の安全保障・国防政策
3 各国の軍近代化
4 地域内外における協力
第8節 南アジア
1 インド
2 パキスタン
3 カシミール地方の帰属をめぐるインドとパキスタンとの対立
第9節 欧州・カナダ
1 全般
2 多国間の安全保障の枠組みの強化
3 欧州各国などの安全保障・防衛政策
第10節 その他の地域など(中東・アフリカを中心に)
1 中東
2 アフリカ
3 国際テロリズムの動向
第4章 宇宙・サイバー・電磁波の領域や情報戦などをめぐる動向・国際社会の課題など
第1節 情報戦などにも広がりをみせる科学技術をめぐる動向
1 科学技術と安全保障
2 軍事分野における先端技術動向
3 民生分野における先端技術動向
4 情報関連技術の広まりと情報戦
5 防衛生産・技術基盤をめぐる動向
第2節 宇宙領域をめぐる動向
1 宇宙領域と安全保障
2 宇宙空間に関する各国の取組
第3節 サイバー領域をめぐる動向
1 サイバー空間と安全保障
2 サイバー空間における脅威の動向
3 サイバー空間における脅威に対する動向
第4節 電磁波領域をめぐる動向
1 電磁波領域と安全保障
2 電子戦に関する各国の取組
第5節 海洋をめぐる動向
1 「公海自由の原則」などをめぐる動向
2 海洋安全保障をめぐる各国の取組
3 北極海をめぐる動向
第6節 大量破壊兵器の移転・拡散
1 核兵器
2 生物・化学兵器
3 弾道ミサイルなど
4 大量破壊兵器などの移転・拡散の懸念の拡大
第7節 気候変動が安全保障環境や軍に与える影響
1 全般
2 安全保障への影響
3 インド太平洋地域における気候変動
第II部 わが国の安全保障・防衛政策
第1章 安全保障と防衛の基本的考え方
第1節 安全保障を確保する方策
第2節 憲法と防衛政策の基本
1 憲法と自衛権
2 憲法第9条の趣旨についての政府見解
3 基本政策
第3節 安全保障政策の体系
第2章 国家安全保障戦略などの「三文書」
第1節 国家安全保障戦略の概要
第2節 国家防衛戦略の概要
1 防衛大綱から国家防衛戦略への変遷
2 国家防衛戦略の概要
第3節 防衛力整備計画の概要
1 計画の方針
2 自衛隊の体制など
3 整備規模
4 所要経費など
第3章 防衛力整備と予算
第1節 令和6(2024)年度の防衛力整備
第2節 防衛関係費
1 令和6(2024)年度防衛関係費の概要
2 重点ポイント
3 防衛関係費の内訳
4 最適化への取組
5 防衛力強化のための財源確保
6 各国との比較
第4章 安全保障と防衛を担う組織
第1節 国家安全保障会議
第2節 防衛省・自衛隊の組織
1 防衛力を支える組織
2 自衛隊の統合運用体制
3 統合作戦司令部
第5章 自衛隊の行動に関する枠組み
1 自衛隊の任務
2 わが国の防衛
3 公共の秩序の維持や武力攻撃に至らない侵害への対処など
4 重要影響事態への対応
5 国際社会の平和と安定への貢献に関する枠組み
第III部 防衛目標を実現するための 3つのアプローチ
第1章 わが国自身の防衛体制
第1節 わが国の防衛力の抜本的強化と国全体の防衛体制の強化
1 わが国の防衛力の抜本的強化
2 国全体の防衛体制の強化
第2節 力による一方的な現状変更を許容しない安全保障環境の創出
1 「瀬取り」への対応
2 中東地域における日本関係船舶の安全確保のための情報収集
第3節 力による一方的な現状変更やその試みへの対応
1 わが国周辺における常続的な情報収集・警戒監視・偵察(ISR)
2 わが国の主権を侵害する行為に対する措置
第4節 ミサイル攻撃を含むわが国に対する侵攻への対応
1 島嶼部を含むわが国に対する侵攻への対応
2 ミサイル攻撃などへの対応
3 陸・海・空領域における対応
4 宇宙領域での対応
5 サイバー領域での対応
6 電磁波領域での対応
7 大規模テロや重要インフラに対する攻撃などへの対応
8 国民保護に関する取組
第5節 情報戦への対応を含む情報力強化の取組
1 情報収集・分析などの機能の強化
2 認知領域を含む情報戦などへの対処
第6節 継戦能力を確保するための持続性・強靱性強化の取組
1 弾薬の確保
2 燃料などの確保
3 装備品の可動状況の改善
4 施設の強靱化
第7節 国民の生命・身体・財産の保護に向けた取組
1 大規模災害などへの対応
令和6年能登半島地震への対応
2 在外邦人等の保護措置および輸送への対応
第2章 日米同盟
第1節 日米安全保障体制の概要
1 日米安全保障体制の意義
2 日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の内容
3 日米間の政策協議
第2節 日米共同の抑止力・対処力の強化
1 宇宙領域やサイバー領域などにおける協力
2 統合防空ミサイル防衛
3 情報収集・警戒監視・偵察(ISR)活動
4 米軍等の部隊の武器等防護
5 後方支援
6 共同訓練・演習
7 拡大抑止
8 共同使用
第3節 同盟調整機能の強化
1 同盟調整メカニズムの設置
2 運用面におけるより緊密な調整
第4節 共同対処基盤の強化
1 情報保全およびサイバーセキュリティ
2 防衛装備・技術協力
第5節 在日米軍の駐留に関する取組
1 在日米軍の駐留
2 在日米軍再編に向けた取組
3 在日米軍の駐留に関する取組
第3章 同志国などとの連携
第1節 多角的・多層的な安全保障協力の戦略的な推進
1 同志国などとの連携の意義など
2 各国との防衛協力・交流の推進
3 多国間安全保障協力の推進
4 能力構築支援への積極的かつ戦略的な取組
5 女性・平和・安全保障(WPS)推進に向けた取組
第2節 海洋安全保障の確保
1 海洋安全保障の確保に向けた取組
2 海賊対処への取組
3 海洋安全保障にかかる協力
第3節 国際平和協力活動への取組
1 国際平和協力活動の枠組みなど
2 国連PKOなどへの取組
3 国際緊急援助活動への取組
第4節 軍備管理・軍縮や不拡散への取組
1 軍備管理・軍縮・不拡散関連条約などへの取組
2 大量破壊兵器の不拡散などのための国際的な取組
第IV部 共通基盤の強化
第1章 いわば防衛力そのものとしての防衛生産・技術基盤の強化
第1節 防衛生産基盤の強化
1 防衛生産基盤強化法と基本方針
2 防衛生産基盤強化法以外の主な取組
第2節 防衛技術基盤の強化
1 防衛技術基盤の強化の必要性
2 防衛技術指針2023に示す防衛技術基盤の強化の方向性
3 次期戦闘機の開発
4 民生技術の積極的な活用
第3節 防衛装備・技術協力と防衛装備移転の推進
1 防衛装備移転三原則にかかわる制度
2 防衛装備移転の推進のための取組
3 米国との防衛装備・技術協力関係の深化
4 新たな防衛装備・技術協力の構築
5 防衛装備・技術協力にかかるその他の取組
第4節 装備品の最適化の取組
1 合理的な装備体系の構築のための取組
2 限られた人材を最大限有効に活用するための取組(無人化・省人化)
3 ライフサイクルを通じたプロジェクト管理
4 契約制度などの改善
5 調達の効率化に向けた取組など
6 FMS調達の合理化に向けた取組の推進
第5節 経済安全保障に関する取組
1 日本政府内の動向
2 防衛省の取組
第2章 防衛力の中核である自衛隊員の能力を発揮するための基盤の強化
第1節 人的基盤の強化
1 採用の取組強化
2 予備自衛官などの活用
3 人材の有効活用に向けた施策など
4 生活・勤務環境の改善など
5 人材の育成
6 処遇の向上、再就職支援など
第2節 ハラスメントを一切許容しない環境の構築
1 ハラスメント被害への対応
2 ハラスメント根絶に向けた措置に関する防衛大臣指示など
3 防衛省ハラスメント防止対策有識者会議
4 ハラスメント防止の状況に関する特別防衛監察
5 ハラスメント防止対策の抜本的見直し
第3節 ワークライフバランス・女性の活躍のさらなる推進
1 ワークライフバランス推進のための働き方改革
2 女性の活躍推進のための改革
第4節 衛生機能の変革
1 戦傷医療対処能力の抜本的強化
2 各種事態や多様な任務に対応するための衛生機能の強化
第5節 政策立案機能の強化
1 政策立案機能の強化に向けた取組
2 防衛研究所における取組
3 その他の機関における取組
第3章 訓練・演習に関する諸施策
第1節 訓練・演習に関する取組
1 わが国自身による各種事態への対処力強化に資する訓練
2 日米同盟の強化に資する訓練
3 日米に第三国を交えた多国間共同訓練
4 同志国との二国間共同訓練
5 同志国などとの多国間訓練
第2節 各種訓練環境の整備や安全管理
1 訓練環境
2 安全管理への取組
第4章 地域社会や環境との共生に関する取組
第1節 地域社会との調和にかかる施策
1 民生支援活動
2 地方公共団体などによる自衛隊への協力
3 地方公共団体と地域住民の理解・協力を確保するための施策
4 防衛施設と周辺地域との調和を図るための施策
5 国家行事への参加
6 南極地域観測に対する支援
7 部外土木工事の受託
8 その他の取組
第2節 気候変動・環境問題への対応
1 防衛省・自衛隊の施設に関する取組
2 在日米軍施設・区域に関する取組
第3節 情報発信や公文書管理・情報公開など
1 様々な広報活動
2 公文書管理・情報公開に関する取組
3 政策評価などに関する取組
コラム
第I部
第1章 概観
解 説 わが国周辺における核・ミサイル戦力の増強
第2章 ロシアによる侵略とウクライナによる防衛
視 点 ロシアによるウクライナ侵略の状況
第3章 諸外国の防衛政策など
視 点 三正面の対応を迫られる米国
解 説 台湾をめぐる中国の軍事動向
視 点 連携を強める中国軍とロシア軍
解 説 2023年以降の北朝鮮の核・ミサイル開発動向
解 説 わが国周辺におけるロシアの軍事動向
解 説 太平洋島嶼国が抱える安全保障上の問題
視 点 フィンランド・スウェーデンのNATO加盟の意義
視 点 イスラエル・パレスチナ武装勢力間の衝突
第4章 宇宙・サイバー・電磁波の領域や情報戦などをめぐる動向・国際社会の課題など
視 点 偽情報を含む影響工作と「情報機関」による「情報戦」の論点
第II部
第2章 国家安全保障戦略などの「三文書」
解 説 反撃能力
視 点 抑止力の意義
第3章 防衛力整備と予算
解 説 安全保障に関連する経費
第4章 安全保障と防衛を担う組織
解 説 自衛隊の統合運用体制の深化
第III部
第1章 わが国自身の防衛体制
解 説 尖閣諸島について
解 説 南西防衛体制の強化
VOICE 宇宙領域把握(SDA)任務
解 説 宇宙安全保障構想と防衛省の取組
VOICE 陸自高等工科学校で学んで
解 説 Jアラートによる弾道ミサイルに関する情報伝達
(内閣官房からのお知らせ)
VOICE 国民保護訓練に参加した隊員の声
VOICE 令和6年能登半島地震における災害派遣に従事した
即応予備自衛官の声
第2章 日米同盟
解 説 同盟強化のための取組
解 説 日米拡大抑止協議
VOICE 日米間の調整業務を通じて感じたこと
解 説 米軍ロウワー・プラザ住宅地区の一般開放
第3章 同志国などとの連携
VOICE 乗艦協力プログラムに参加した
防衛省内部部局職員の声
VOICE 令和5年度インド太平洋方面派遣(IPD23)
護衛艦部隊幕僚の声
VOICE WPS推進に向けた防衛省の取組
第IV部
第1章 いわば防衛力そのものとしての防衛生産・技術基盤の強化
VOICE ①装備品の開発・生産拠点強化にかかる取組
②「君シカオラン」で、装備品のキーサプライヤーに。
解 説 次期戦闘機:国際機関の創設
解 説 次期戦闘機の第三国移転(国会審議での主要な論点)
解 説 防衛装備移転三原則改正に対する
諸外国・企業などの反応
VOICE 日本製警戒管制レーダーの受領をうけて
(フィリピン空軍第580警戒管制団司令の声)
第2章 防衛力の中核である自衛隊員の
能力を発揮するための基盤の強化
VOICE 活躍する即応予備自衛官と雇用主の声
VOICE 再就職した隊員と雇用主の声
解 説 戦傷医療対処能力強化に向けた取組
~防衛省の戦傷医療における輸血戦略~
解 説 防衛大学校卒業式
第3章 訓練・演習に関する諸施策
解 説 令和5年度自衛隊統合演習(実動演習)「05JX」
VOICE 米海兵隊との実動訓練
「レゾリュート・ドラゴン23」に参加した隊員の声
VOICE 日仏共同訓練に参加した隊員の声
VOICE 米豪主催多国間共同訓練
「タリスマン・セイバー23」に参加した隊員の声
第4章 地域社会や環境との共生に関する取組
解 説 わが国の水産物の消費拡大に向けた取組
解 説 令和5年度航空観閲式
● まるちゃんの情報セキュリティ気まぐれ日記
・2023.07.28 防衛白書(2023年) (+ 能動的サイバー防衛...)
・2022.07.26 防衛白書(2022年)
・2021.07.14 日本の防衛白書が初めて台湾周辺情勢の安定の重要性に言及したことについての中国政府の見解
・2021.07.13 防衛白書(2021年)
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