金融庁 スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議(第29回)議事録
こんにちは、丸山満彦です。
金融庁が、4月18日に開催した「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議(第29回)議事録」を公表していますね...
スチュワードシップ・コードやコーポレートガバナンス・コードに重要なリスクと認識されているサイバーリスクがどのように反映されるべきか考え、ちょっと最近注目しています...
残念ながら、今回は、サイバーセキュリティは一箇所でしかでてきません。コードに記載する内容というよりも、より実際的に役立つ情報とするためにどのようにするべきかというところが課題となっていますので...
● 金融庁
・2024.05.29 スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議(第29回)議事録
形式的な記載となっているという認識はあるようですね...記載内容の比較可能性を高めることを強調しすぎたり、監督官庁からの細かい指摘があると、どうしてもツッコミが入れられにくいようにと担当者が考えるので、形式的な記載となりがちかもしれません...
金融庁の課題意識...
...いま一度各コードがプリンシプルベースかつコンプライ・オア・エクスプレインのアプローチを取っているという趣旨に立ち戻って、全ての企業・投資家の皆様においてきめ細かく必要な取組を検討していただくというところが必要ではないかと考えています。こうした観点から、各コードを形式的に遵守することよりも、むしろ丁寧にエクスプレインしていただくというところも重要ではないかということを記載しています。中長期的な企業価値の向上という目的に応じた成果を追求するという、まさにアウトカム・オリエンテッドということを再確認した上で着実に実践に移すことが重要ではないかと考えられます...
また、金融庁の発言で...
チュワードシップ活動の実質化です。こちらにつきましては、昨年末にかけて金融審議会でまず協働エンゲージメントの促進等について提言が行われてございます。さらに、大量保有報告制度の見直しや、実質株主の透明性確保に向けた提言も出されています。
課題のところですが、チェックボックスを埋めるような形式的な対話が行われているという御指摘や、投資先の深い理解に基づく建設的な目的を持った対話や双方向の対話が行われていないという御指摘もあるところです。
と、対話になってないやん...という指摘があるという意見ですが、
この会議自体も各委員が順番にご意見を開陳しているいう、有識者会議あるあるで、対話になっていないということで、日本社会に根ざした課題なのだろうなと思います(^^)
● 金融庁 - スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議
・2024.04.18 「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(第29回)議事次第
・・開催通知
・・資料
・・・資料1[PDF] 「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」メンバー名簿
・・・資料2[PDF] コーポレートガバナンス改革の実質化に向けたアクション・プログラムのフォローアップと今後の方向性について(案)
・・・資料3[PDF] 事務局説明資料
・・・資料4[PDF] 東京証券取引所における最近の取組み
・・・資料5[PDF] 事務局参考資料①
・・議事録
座長は神田先生ですが、神田先生とはとある委員会で一緒です(^^)
● 金融庁
・2020.03.24 スチュワードシップ・コード(再改訂版)の確定について
・[PDF] 「責任ある機関投資家」の諸原則 ≪日本版スチュワードシップ・コード≫ ~投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために~
● 日本証券取引書グループ
・2021.06.11 改訂コーポレートガバナンス・コードの公表
・[PDF] コーポレートガバナンス・コード ~会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために~
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