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2024.04.17

外務省 外交青書 2024

こんにちは、丸山満彦です。

外務省が外交青書2024年を公表していますね...

日中関係について読んでおこうと思いました...

 

外務省 - 外交青書

・2024.04 [PDF] 令和6年版外交青書

20240416-230019

 


イ 日中関係

(ア)二国間関係一般

隣国である中国との関係は、日本にとって最も重要な二国間関係の一つであり、両国は緊密な経済関係や人的・文化的交流を有している。日中両国間には、様々な可能性とともに、尖閣諸島情勢を含む東シナ海、南シナ海における力による一方的な現状変更の試みや、ロシアとの連携を含む中国による日本周辺での軍事的活動の活発化など、数多くの課題や懸案が存在している。また、台湾海峡の平和と安定も重要である。さらに、日本は、香港情勢や新疆ウイグル自治区の人権状況についても深刻に懸念している。同時に日中両国は、地域と世界の平和と繁栄に対して大きな責任を有している。「戦略的互恵関係」を包括的に推進し、日本として、主張すべきは主張し、中国に対し責任ある行動を強く求めつつ、諸懸案も含め、対話をしっかりと重ね、共通の諸課題については協力する、「建設的かつ安定的な日中関係」の構築を双方の努力で進めていくことが重要である。2023年は、前年に引き続き、首脳間を含むハイレベルでの意思疎通が継続的に行われ、両国間の様々な懸案を含め、二国間関係から地域・国際情勢に至る幅広い議題について意見交換を積み重ねた。

22日、林外務大臣は、秦剛外交部長と電話会談を行い、林外務大臣から、両首脳間の重要な共通認識である「建設的かつ安定的な関係」の構築という大きな方向性の実現のため、秦剛部長と連携していきたいと述べ、同部長から同様の考えが示された。また、同月18日、林外務大臣は、ミュンヘン安全保障会議の際に、王毅中央外弁主任と会談を行った。41日から2日、林外務大臣は、日本の外務大臣として約33か月ぶりに中国を訪問し、秦剛外交部長、王毅中央外弁主任との会談のほか、李強国務院総理への表敬を行った。秦剛部長との会談では、「建設的かつ安定的な日中関係」の構築という首脳間の共通認識を実施に移していくため、双方が努力を続けていきたいと述べ、秦剛部長から同様の考えが示された。また林外務大臣から、邦人拘束事案への抗議、東シナ海・南シナ海情勢や中国の軍事活動の活発化、中国の人権状況などに対する深刻な懸念を表明し、東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水6の海洋放出について日本の立場を明確に伝達した。

714日、林外務大臣は、ASEAN関連外相会議(インドネシア)の際に、王毅中央外弁主任と会談を行い、ALPS処理水の海洋放出について日本の立場を改めて明確に述べ、科学的観点からの対応を改めて強く求め、また、邦人拘束事案への日本の厳正な立場や東シナ海情勢、軍事活動の活発化についての重大な懸念を改めて表明した。

96日、インドネシアのジャカルタ訪問中の岸田総理大臣は、ASEAN3首脳会議開始前に、李強国務院総理と短時間立ち話を行った。岸田総理大臣から、「建設的かつ安定的な日中関係」の構築の重要性につき述べ、また、ALPS処理水についての日本の立場を改めて明確に述べた。

1116日、APEC首脳会議に出席するためサンフランシスコ(米国)を訪問中の岸田総理大臣は、習近平国家主席と首脳会談を行った。岸田総理大臣から、2023年は日中平和友好条約締結45周年の節目に当たり、両国の多くの先人達が幅広い分野において友好関係の発展に尽力してきたことに両国国民が思いを馳はせ、今後の日中関係を展望する良い機会となった、日中両国が地域と国際社会をリードする大国として、世界の平和と安定に貢献するため責任を果たしていくことが重要であると述べた。両首脳は、日中間の四つの基本文書の諸原則と共通認識を堅持し、「戦略的互恵関係」を包括的に推進することを再確認し、日中関係の新たな時代を切り開くため、「建設的かつ安定的な日中関係」の構築という大きな方向性を確認した。その観点からも、両首脳は、2023年に入り、外務、経済産業、防衛、環境分野の閣僚間の対話が成功裡りに開催されたことを歓迎した上で、引き続き首脳レベルを含むあらゆるレベルで緊密に意思疎通を重ねていくことで一致した。また、岸田総理大臣から、経済や国民交流の具体的分野で互恵的協力を進めていきたいと述べ、正当なビジネス活動が保障されるビジネス環境を確保した上で、日中経済交流の活性化を後押ししていきたいと述べた。両首脳は、環境・省エネを含むグリーン経済や医療・介護・ヘルスケアを始めとする協力分野において具体的な成果を出せるよう、日中ハイレベル経済対話を適切な時期に開催することで一致し、日中輸出管理対話の立ち上げを歓迎したほか、マクロ経済についての対話を強化することで一致し、日中協力の地理的裾野が世界に広がっていることを確認した。また、両首脳は、共に責任ある大国として、気候変動などのグローバル課題についても協働していくこと、様々な分野において、国民交流を一層拡大していくこと、日中ハイレベル人的・文化交流対話を適切な時期に開催することで一致した。加えて、岸田総理大臣から、5月の日中防衛当局間の海空連絡メカニズムの下でのホットラインの運用開始を歓迎し、安全保障分野における意思疎通の重要性を述べた。また、尖閣諸島をめぐる情勢を含む東シナ海情勢について深刻な懸念を改めて表明し、日本の排他的経済水域(EEZ)に設置されたブイの即時撤去を求めたほか、ロシアとの連携を含む中国による日本周辺での軍事活動の活発化などについても深刻な懸念を改めて表明した。岸田総理大臣は、台湾海峡の平和と安定が日本を含む国際社会にとっても極めて重要であると改めて強調し、中国側からの台湾に関する立場の主張に対して、日本の台湾に関する立場は、1972年の日中共同声明にあるとおりであり、この立場に一切の変更はないと述べた。さらに、岸田総理大臣から、中国における邦人拘束事案について、邦人の早期解放を改めて求めた。ALPS処理水の海洋放出については、科学的根拠に基づく冷静な対応を改めて強く求め、日本産食品輸入規制の即時撤廃を改めて求めた。双方は、お互いの立場に隔たりがあると認識しながら、建設的な態度をもって協議と対話を通じて問題を解決する方法を見出していくこととした。両首脳は、拉致問題を含む北朝鮮、中東、ウクライナなどの国際情勢についても議論を行い、国際情勢について緊密に意思疎通していくことを確認した。

1125日、上川外務大臣は、日中韓外相会議(韓国・釜プサン山)の際に王毅外交部長と会談を行い、1116日の日中首脳会談で確認された大きな方向性に沿った日中関係の発展に向け、外相間で緊密に連携していくことで一致し、双方は、あらゆるレベルで緊密に意思疎通を行っていくことを確認した。また、上川外務大臣から、日本産食品輸入規制の即時撤廃を強く求め、東シナ海情勢などの諸懸案についての深刻な懸念を表明し、日本のEEZに設置されたブイについて即時撤去を求めた。また双方は、グローバルな課題や北朝鮮情勢などについても意見交換を行った。このほか、2月には日中安保対話及び日中外交当局間協議が、4月と10月には、日中高級事務レベル海洋協議などの事務レベルの各種協議がそれぞれ対面で開催され、東シナ海情勢や中国による軍事活動の活発化などの諸懸案について率直な意見交換を行うなど、事務レベルでも日中間で緊密に意思疎通が継続された。また、63日にはシンガポールで開催されたシャングリラ・ダイアローグに際し、浜田靖一防衛大臣と李尚福国務委員兼国防部長との日中防衛相会談も行われた。

(イ)日中経済関係

日中間の貿易・投資などの経済関係は、非常に緊密である。2023年の日中間の貿易総額(香港を除く。)は、約3,007億ドル(前年比10.4%減)となり、中国は、日本にとって17年連続で最大の貿易相手国となった。また、日本の対中直接投資は、中国側統計によると、2022年は約46.1億ドル(前年比17.7%増(投資額公表値を基に推計))と、中国にとって国として第3位(第1位はシンガポール、第2位は韓国)の規模となっている。また、国際収支統計によると、日本にとっても中国は米国、オーストラリアに次ぐ第3位の投資先国であり、約3.2兆円に上る直接投資収益の収益源となっている。

20240417-103130

 

新型コロナによる往来の制限が緩和される中、日中間の経済対話は引き続き行われた。4月には日中外相会談、7月には王毅中央外弁主任との会談が行われ、首脳・外相レベルを含めあらゆるレベルで緊密に意思疎通を行っていくことが確認された。1116日の日中首脳会談では、環境・省エネを含むグリーン経済や医療・介護・ヘルスケアを始めとする協力分野において具体的な成果を出せるよう、日中ハイレベル経済対話を適切な時期に開催することで一致した。また、同月25日の日中外相会談では、16日の日中首脳会談で一致した環境・省エネを含むグリーン経済や医療・介護・ヘルスケアを始めとする二国間協力の推進、さらには様々な分野における国民交流の拡大に向け、適切な時期に開催する日中ハイレベル経済対話と日中ハイレベル人的・文化交流対話を活用していくため調整を進めることで一致した。このほか、2月には日中経済パートナーシップ協議がオンラインで実施された。また、官民の経済交流としては、11月に第9回日中企業家及び元政府高官対話(日中CEO等サミット)が対面形式で開催され、外務省から堀井巌外務副大臣が歓迎レセプションに出席した。

(ウ)両国民間の相互理解の増進

〈日中間の人的交流の現状〉

中国は、202318日、入国後のPCR検査や隔離措置を撤廃するなど水際措置を緩和したが、前年末に日本が発表した中国本土での感染拡大に係る水際措置に対する措置として、同月10日、日本国民に対する一般査証の発給を一時停止することを発表した。同月29日、中国は一般査証の発給を再開したが、従来から停止していた観光査証などの一部査証及び中国短期滞在(15日以内)の査証免除措置などは再開されなかった。315日、中国は、観光査証を含む各種訪中査証の発給を再開したが、日本人に対する中国短期滞在の査証免除措置は引き続き停止している(202312月時点)。中国からの訪日者数は、2023年は約242.5万人(日本政府観光局(JNTO)推定値)と、前年の約18.9万人(JNTO確定値)に比べ大幅に増加したが、2019年の約959.4万人(JNTO確定値)と比較すると、新型コロナ流行以前の水準には至っていない。日中両国の間では、文化、経済、教育、地方など幅広い分野で交流が積み重ねられている。2023年は日中平和友好条約締結45周年に当たり、これを記念した行事・イベントも数多く実施された。条約発効日に当たる1023日には、東京において日中交流促進実行委員会(委員長:十倉雅和経団連会長)が主催する「日中平和友好条約45周年レセプション」が開催され、岸田総理大臣と李強国務院総理、上川外務大臣と王毅外交部長との間でそれぞれ交換した条約締結45周年を記念するメッセージが紹介された。また、同日、北京においても中国人民対外友好協会及び中国日本友好協会主催の記念レセプションが開催された。次世代を担う青少年交流については、新型コロナが収束に向かう中で約3年ぶりに国境を越える往来が再開され、対面での交流事業が実施された。対日理解促進交流プログラム「JENESYS」などにより、両国の学生や研究者の相互理解及び対日理解が促進されることが期待される。

(エ)個別の懸案事項

〈東シナ海情勢〉

東シナ海では、尖閣諸島周辺海域における中国海警船による領海侵入が継続しており、また、中国軍も当該海空域での活動を質・量とも急速に拡大・活発化させている。

尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も日本固有の領土であり、現に日本はこれを有効に支配している。したがって、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない。日本が1895年に国際法上正当な手段で尖閣諸島を日本の領土に編入してから、東シナ海に石油埋蔵の可能性が指摘され尖閣諸島に対する注目が集まった1970年代に至るまで、中国は、日本による尖閣諸島の領有に対し、何ら異議を唱えてこなかった。中国側は、それまで異議を唱えてこなかったことについて、何ら説明を行っていない。その後、2008年に、中国国家海洋局所属船舶が尖閣諸島周辺の日本の領海内に初めて侵入した。7

2023年の尖閣諸島周辺海域における中国海警船による年間の領海侵入の件数は34件に上り(2022年は28件、2021年は34件)、また、2023年の接続水域内における中国海警船の年間確認日数は過去最多の352日を記録した。さらに、20205月以降、中国海警船が尖閣諸島の日本の領海に侵入し、当該海域において日本漁船に近づこうとする動きが頻繁に発生しており、20234月にはこれに伴う領海侵入時間が過去最長となる80時間以上となる事案が発生するなど、依然として情勢は厳しい。尖閣諸島周辺の日本の領海で独自の主張をする中国海警船の活動は、国際法違反であり、このような中国の力による一方的な現状変更の試みに対しては、外交ルートを通じ、厳重に抗議し、日本の領海からの速やかな退去及び再発防止を繰り返し求めてきている。引き続き、日本の領土・領海・領空は断固として守り抜くとの決意の下、冷静かつ毅き然と対応していく。

中国軍の艦艇・航空機による東シナ海を含む日本周辺海空域での活動も活発化している。2023年は、前年に引き続き、屋久島周辺での中国海軍測量艦による日本の領海内航行が複数回確認された。6月と12月には中露戦略爆撃機による共同飛行、7月から8月にかけては中露艦艇による共同航行が前年に引き続き確認された。また、中国海軍艦艇による尖閣諸島周辺を含む海域での航行も複数回確認された。中国海軍艦艇による日本領海内の航行については、政府として、日本周辺海域における中国海軍艦艇などのこれまでの動向を踏まえ強い懸念を有しており、また、中露両国の軍による日本周辺での共同行動は日本の安全保障上重大な懸念であることから、それぞれの事案について、中国側に対しこうした日本の立場をしかるべく申入れてきている。

無人機を含む航空機の活動も引き続き活発であり、2012年秋以降、航空自衛隊による中国軍機に対する緊急発進の回数は高い水準で推移している。このような最近の中国軍の活動全般に対して、日本は外交ルートを通じ繰り返し提起してきている。

東シナ海における日中間のEEZ及び大陸棚の境界が未画定である中で、中国側の一方的な資源開発は続いている。政府は、日中の地理的中間線の西側において、中国側が東シナ海の資源開発に関する「2008年合意」8以前に設置した4基に加え、20136月から20165月にかけて新たな12基の構造物が、さらに20225月以降、新たに2基が設置され、これまでに合計18基の構造物が16か所に設置されていることを確認している(16か所のうち2か所では、二つの構造物が一つに統合されている状態)。このような一方的な開発行為は極めて遺憾であり、日本としては、中国側による関連の動向を把握するたびに、中国側に対して、一方的な開発行為を中止し、東シナ海の資源開発に関する「2008年合意」に基づく国際約束締結交渉再開に早期に応じるよう強く求めてきている。なお、20196月に行われた安倍総理大臣と習近平国家主席との首脳会談においては、両首脳は資源開発に関する「2008年合意」を推進・実施し、東シナ海を「平和・協力・友好の海」とするとの目標を実現することで一致したほか、20234月に行われた日中外相会談においても、東シナ海の資源開発に関する「2008年合意」を推進・実施していくことで一致した。

また、東シナ海を始めとする日本周辺のEEZにおいて、中国による日本の同意を得ない海洋調査活動も継続しており、その都度、外交ルートを通じて中国側に申入れを行っている。加えて、20237月、東シナ海の日本のEEZにおいて、中国が設置したと考えられるブイの存在が確認された。政府としては、11月の日中首脳会談や日中外相会談を含め、首脳・外相を含むあらゆるレベルで、様々な機会を捉え、中国側に対して抗議し、ブイの即時撤去を累次にわたって強く求めている。

日中両国は、海洋・安全保障分野の諸懸案を適切に処理するため、関係部局間の対話・交流の取組を進めている。例えば、20186月に運用開始した日中防衛当局間の「海空連絡メカニズム」は、両国の相互理解の増進及び不測の衝突を回避・防止する上で大きな意義を有するものであり、同メカニズムの下での「日中防衛当局間のホットライン」の運用が20235月に開始された。

日中首脳会談を含む累次の機会に日本側から述べているように、東シナ海の安定なくして日中関係の真の改善はない。日中高級事務レベル海洋協議や他の関係部局間の協議を通じ、両国の関係者が直接、率直に意見交換を行うことは、信頼醸成及び協力強化の観点から極めて有意義である。日本政府としては、引き続き個別の懸案に係る日本の立場をしっかりと主張すると同時に、一つ一つ対話を積み重ね、意思疎通を強化していく。

〈大和堆やまとたい〉

日本海の大和堆周辺水域においては、2023年も中国漁船による違法操業が依然として確認されており、中国側に対し、日中高級事務レベル海洋協議などの機会も利用しつつ様々なレベルで日本側の懸念を繰り返し伝達し、漁業者への指導などの対策強化を含む実効的措置をとるよう強く申入れを行った。

〈日本産食品輸入規制問題〉

中国による日本産食品に対する輸入規制については、11月の日中首脳会談を始め、首脳・外相レベルを含む様々なレベルで規制の早期撤廃を繰り返し強く求めている。

824日、ALPS処理水の海洋放出を受けて、中国政府は日本産水産物の全面的な一時輸入停止を発表した。中国がこれまでの輸入規制に加えて、新たな措置を導入したことは何ら科学的根拠のない対応であり、首脳・外相を含むあらゆるレベルで様々な機会を捉え、措置の即時撤廃を求める申し入れを行っている。また、世界貿易機関(WTO)においては、中国が「衛生植物検疫の適用に関する協定(SPS協定)」に基づく通報を行ったことを受け、日本政府は、WTOに対して、中国の主張に反論する書面を提出したほか、SPS委員会など関連する委員会において日本の立場を説明してきている。さらに、中国政府に対して、SPS協定及び地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の規定に基づく討議の要請を行い、中国が協定の義務に従って討議に応じるよう求めている。

中国に対しては、科学的な根拠に基づいた議論を行うよう強く求め、引き続きあらゆる機会を捉え、日本産食品の輸入規制の即時撤廃に向けて働きかけを行っていく。

〈邦人拘束事案〉

一連の邦人拘束事案については、日本政府として、これまで首脳・外相会談など、日中間の様々な機会に早期解放に向けた働きかけを行ってきており、これまで5人が逮捕前に解放され、6人が刑期を満了し帰国した。3月、北京市において新たに1人の邦人が拘束された。政府としては、11月の日中首脳会談及び日中外相会談を始め、首脳・外相レベルを含むあらゆるレベル・機会を通じて、早期解放、改訂反スパイ法に関するものを含めた法執行及び司法プロセスにおける透明性、邦人の権利の適切な保護、公正公平の確保並びに人道的な取り扱いを中国政府に対して強く求めてきており、引き続きそのような働きかけを粘り強く継続していく。また、邦人保護の観点から、領事面会や御家族との連絡など、できる限りの支援を行っている。一連の邦人拘束事案発生を受け、在留邦人などに対しては、外務省や在中国日本国大使館のホームページなどにおいて、「国家安全に危害を与える」とされる行為は、取り調べの対象となり、長期間の拘束を余儀なくされるのみならず、有罪となれば懲役などの刑罰を科されるおそれがあるので注意するよう呼びかけている。また、7月の改訂反スパイ法の施行を受け、外務省海外安全ホームページにおける注意喚起の内容を更新し、より詳細かつ具体的な形で注意喚起を行っている。9

〈遺棄化学兵器問題〉

日本政府は、化学兵器禁止条約に基づき、中国における旧日本軍の遺棄化学兵器の廃棄処理事業に着実に取り組んできている。2023年は、吉きつ林りん省敦とん化か市ハルバ嶺れい地区で発掘・回収及び廃棄処理を実施し、また、黒こくりゅう竜江こう省ハルビン市での廃棄処理を実施した。加えて、その他中国各地における遺棄化学兵器の現地調査及び発掘・回収事業を実施した(202312月時点の遺棄化学兵器廃棄数は累計約8.8万発)。

 

6 ALPS処理水とは、ALPS(多核種除去設備(Advanced Liquid Processing System))などにより、トリチウム以外の放射性物質について安全に 関する規制基準値を確実に下回るまで浄化した水。ALPS処理水は、その後十分に希釈され、トリチウムを含む放射性物質の濃度について安全に関 する規制基準値を大幅に下回るレベルにした上で、海洋放出されている。

7 尖閣諸島に関する日本政府の立場については外務省ホームページ参照: https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senkaku/index.html

8 2008年合意」については外務省ホームページ参照: https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/higashi_shina/press.html

9 外務省海外安全ホームページにおける注意喚起の掲載箇所はこちら: https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2023T054.html#ad-image-0


 

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