個人情報保護委員会 個人情報保護法の3年ごとの見直しに関する意見をヒアリング、検討中...
こんにちは、丸山満彦です。
(一社) 日本経済団体連合会、日本商工会議所、(公社) 経済同友会、(一社) 新経済連盟、(一社) 日本IT団体連盟、(一社) Fintech協会、(一社) シェアリングエコノミー協会、プライバシーテック協会が、共同で「個人情報保護法の3年ごとの見直しに関する意見」を個人情報保護委員会で説明し、資料を公開していますね...
これは、2024年4月4日に「自由民主党政務調査会デジタル社会推進本部」に提出したものと同じもののようです...
・2024.04.24 [PDF] 個人情報保護法の3年ごとの見直しに関する意見
・2024.04.24 プライバシーテック協会は、経団連、新経連など8団体連名で、自由民主党政務調査会デジタル社会推進本部及び個人情報保護委員会に対し意見を提出しました
要望事項は5つです...
- 要望①: 個人データ等の定義の明確化
- 要望②: 「3年ごとの見直し」について
- 要望③: 漏えい等報告等の負担軽減
- 要望④: 本人同意を要しない第三者提供・利活用
- 要望⑤: 課徴金および団体訴訟制度の導入反対
個人情報保護委員会では、個人情報保護法の3年ごと見直しに関する意見を各種団体等からヒアリングをうけつつ、具体的な改正の検討にはいっている感じですね。。。
バイデン政権は児童の保護を重視し、世界的にも児童の個人情報保護については、幅広く議論されていますが、日本の個人情報保護法の改正ではあまり、議論が活発ではないような気もしますが、気のせい?
このブログでも2024.01.06に途中経過を取り上げたのですが、その時の私の考えを再掲...
個人情報保護法の最初の経産省ガイドを作っていた時から比べると、個人情報保護法の運用もこなれてきた反面、
- ビッグデータ化による、取り扱う組織の規模と社会的な影響の比率が拡大していく問題
- AIの利活用による利用目的(第三者提供を含む)の不明瞭さが拡大していく問題
- スマートフォン等に利用の拡大に伴う子どものデータが収集されていく問題
- 安全保障を含む社会的課題の解決と個人の権利利益の一つであるプライバシーの調整の問題
というのが諸外国も含めて生じていて、
組織の活動がグローバル化が進む中で、社会変化に伴う各国制度の改訂においても、各国との調整が必要になってきている状況だろうと思います。
個人的には、法令の見直しという点では、
- 悪徳事業者への罰金等の増額
- 拡大した個人情報の定義についてのGDPR等との整合性の確保のための整理
- 子供の個人情報保護のための規定の追加
- 各個別分野(医療、金融、通信、その他重要インフラ分野)等における課題の調整
というのが必要かと思っていて、
さらにガイドライン及びFAQにおいて
- 改訂部分の説明と事例の提示
- AIの利活用における考え方の整理と具体例の提示
- 公益性とプライバシー保護のグラデーションの整理と事例の提示
- 漏えい等の報告におけるルールのさらなる明確化と事例の追加(例えば、報告が不要な軽微な例)
そして、政策的には
- G7、G20各国等の主要国とのプライバシー保護に関する規制の調整に関するリーダーシップをとるための体制の整備
- 国内省庁との連携体制の強化(例:子ども家庭庁、国家安全保障委員会)のための体制の強化
- 国民への周知等(例:より幅広い層へのアクセス手段の拡大、教育現場への教育ツールの提供)の強化
というのが必要なのではないかと思っています。。。(みなさんの考えていることとそんなにずれていないと思いますが...)
● まるちゃんの情報セキュリティ気まぐれ日記
・2024.01.06 個人情報保護委員会 個人情報保護法の3年ごとの見直しに関する意見をヒアリング中...
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