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2023.11.21

EDPS 説明可能な人工知能

こんにちは、丸山満彦です。

欧州データ保護監督官 (EUROPEAN DATA PROTECTION SUPERVISOR: EDPS) が説明可能な人工知能 (Explainable Artificial Intelligence) を公表していました。。。

大規模言語モデルなど、データとその解析をするためのパラメータが多く、入力に対してどのような出力をだすのか、わからない、いわゆる関数のブラックボックス化がAIの問題として捉えられることが多いように思います。

関数がブラックボックスになので、バイアス、不正確さ、幻覚などが生じても、生じているかどうかを判定できない場合もあるだろう。。。

ブラックボックスなので、その結果を利用することにより、社会や個人にとって有害な状況が生じるかもしれない。

その結果に対して責任は誰がとるべきなのか?開発者?利用者?その両方?状況次第?

でも考えてみたら当たり前の話ですよね。。。人間を模倣して作ったのだから当然に関数はブラックボックスになる。だって、人間の思考関数はブラックボックスだから。。。

むしろ、人間の思考より再現性が高いくらいだと思います。

私はAIをむしろ人間と同じように捉えて、ブラックボックス、つまり入力値から出力値を正確に予測できないことを前提にいろいろと考えたほうが良いのだろうと思います。

なので、AIが出した結果については、AIの開発者と利用者双方で責任をどのように負うのかということを考えるようにすべきなのではないかと思います。

おそらく次のような考え方がよいのではないかと思っています。

1. 政府等が出荷されるAIについての認定基準をつくり、検査した結果、合格したものだけが社会に提供される制度をつくる

2. AI開発者は認定AIのみを社会に提供する。この認定基準に違反した製品を社会に提供した場合に開発者に責任が問われる。

3. 利用者は認定したAIを調整して利用することができるが、その調整した後、生じた結果については利用者が責任を負うことになる。場合によってはけんさを受けてそれを認定AIとすることもできる。

4. 認定AIの生じた結果による損害は、政府または基金から補償することにする。

細かいことは検討できていないのですが、ざっとそんな感じが社会的にも受け入れやすいのではないかと思いますが、どうでしょうか???

 

ただ、だからといって、透明性、解釈可能性、説明可能性をおろそかにするということではないとは思います。これらを出来うる限り追求するのだけれども、必ずしも完全にはそうできないから、そのできない部分をどうするのか、、、ということだと思います。。。

 

さて、本題...

EUROPEAN DATA PROTECTION SUPERVISOR: EDPS

・2023.11.16 Explainable Artificial Intelligence

・[PDF]

20231121-10010

 

 

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