日本銀行金融研究所 量子コンピュータが暗号に及ぼす影響にどう対処するか:海外における取組み
こんにちは、丸山満彦です。
先日、Entrsut Japanで講演をさせていただいたのですが、Entrustの技術責任者の方と時間があり、耐量子暗号への移行についての話をしました。やることは、明確なのだけれども、その準備と実施が大変だという話をしていました。なので、時間をとって準備をきっちりしないとね。。。という結論でしたね。。。
2025年の米国連邦政府のセキュリティ予算の優先4の項目としてあがっていますよね。。。耐量子暗号への移行の話。。。
さて、日本銀行金融研究所が、ディスカッションペーパーとセミナー資料を公表していますね。。。
安定の宇根さんのペーパーはもちろん重要ですが、菅野さんのハイブリッドモードの話がわかりやすくて参考になりました!
ディスカッションペーパー
・2023.09.27 量子コンピュータが暗号に及ぼす影響にどう対処するか:海外における取組み (宇根正志)
・[PDF]
セミナー...
・2023.09.21 情報セキュリティ・セミナー「量子コンピュータが暗号を解読する日はくるのか?~耐量子計算機暗号(PQC)への移行に向けた取組み~」
講演1:宇根 正志 (日本銀行 金融研究所 参事役)
概要:海外では、PQCへの移行に向けた検討が活発化しています。米国ではPQCの標準化が進められているほか、欧州の主要国等でも暗号移行などの検討の実施が推奨されています。また、金融業界においても、FS-ISAC*が、PQCへの移行に関する検討を進めています。本講演では、量子コンピュータによる暗号解読のリスクや対応に関するスタンス、PQCへの移行を検討する際の推奨事項に関して、海外の動向を紹介するともに、金融分野において対応を検討する際の留意事項や課題を考察しました。
・[PDF] 海外における耐量子計算機暗号(PQC)への移行を見据えた取組み
講演2:菅野 哲 氏(GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社 取締役CTO of Development)
概要:量子コンピュータによる暗号の危殆化を見据えてPQCへ暗号移行する際の対応策の1つとして「ハイブリッドモード」が提案されています。これは、現行暗号とPQCを併用することで、いずれかの暗号方式が安全でなくなった場合やPQCに完全移行していない状況であっても安全性を維持する方法です。本講演では、ハイブリッドモードの標準化に向けた動向や、オープンソースソフトウェア(OSS)など技術面の実装状況について紹介しました。
・[PDF] 耐量子計算機暗号(PQC)への暗号移行に向けた技術動向
・2023.08.22 米国 CISA NSA NIST 量子対応:耐量子暗号への移行
・2023.07.09 米国 OMB 2025 年度予算における政権のサイバーセキュリティ優先事項 (2023.06.27)
・2023.06.09 NIST SP 800-225 2022年度サイバーセキュリティ・プライバシー年次報告書 (2023.05.30)
・2023.05.27 英国 Oxford AcademicのJournal of Cybersecurity, Volume 9, Issue 1の記事はどれも興味深い...
・2023.04.26 米国 NIST SP 1800-38A「耐量子暗号への移行」の初期ドラフト
・2023.04.14 オランダ 耐量子暗号への移行等に関するハンドブック
・2023.03.04 米国 国家サイバーセキュリティ戦略を発表
・2023.02.08 中国 データセキュリティ産業の発展促進に関する16部署の指導意見 (2023.01.14)
・2022.10.21 ENISA ポスト量子暗号 - 統合研究
・2022.10.02 NIST SP 800-220 2021年度サイバーセキュリティ・プライバシー年次報告書 (2022.09.26)
・2022.10.02 NISTIR 8413 NIST耐量子暗号標準化プロセス第3ラウンドの現状報告(参考文献の追加)
・2022.09.09 米国 NSA 国家安全保障システムのための将来の耐量子(QR)アルゴリズム要件を発表
・2022.07.07 NISTIR 8413 NIST耐量子暗号標準化プロセス第3ラウンドの現状報告
・2022.05.05 米国 国家量子推進諮問委員会の強化に関する大統領令
・2022.03.05 NATO サイバーセキュリティセンター 量子コンピュータの攻撃に耐えられるセキュアネットワークの実験に成功
・2021.12.20 ドイツ BSI 量子セキュア暗号の現状に関するガイドライン
・2021.10.26 Cloud Security Alliance 量子後の世界への実践的な備え at 2021.10.19
・2021.10.06 米国 DHS CISA 量子コンピューティングの進展に伴うセキュリティリスクを軽減するためのガイダンス
・2021.04.29 NIST White Paper ポスト量子暗号への備え:ポスト量子暗号アルゴリズムの採用と使用に関連する課題の調査
・2021.02.10 ENISA 暗号に関する2つの報告書 「ポスト量子暗号:現状と量子緩和」と「暗号資産:デジタル通貨と分散型台帳技術の概要」
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