防衛省防衛研究所 パブリックアトリビューションの「拡散」と「多様化」――政策当局間の「多様化」の国際比較研究――
こんにちは、丸山満彦です。
防衛省防衛研究所の刊行物である「安全保障戦略研究」の「」第3巻第2号に「パブリックアトリビューションの「拡散」と「多様化」――政策当局間の「多様化」の国際比較研究――」という論文が掲載されています。
アトリビューションに対する考え方、手続き等についての欧米の違いについてのものです。興味深いです。
<要旨>
本稿では、2010 年代後半のサイバー攻撃のアトリビューションに関する学術研究の新たな発展を検討し、その研究関心であるパブリックアトリビューションの「拡散」と「多様化」という現象のうち、政策当局間での「多様化」の要因とモデルの把握を試みた。本稿が比較対象とした米国司法省の刑事手続と欧州連合の制裁手続に付随したパブリックアトリビューションは、いずれも本来的には国家ではなく自然人・法人を対象とし、対象の権利保護のために制度が要求する手続的な制約も類似する。しかし、両者は「司法手続の政策化」と「政治対立の司法化」と表現しうる異なる要請に導かれ、近年の運用の様式や実績を異にしてきた。この結果は、政策当局間でのパブリックアトリビューションの「多様化」が、その(ⅰ)目的とオーディエンスの変化と、分析に要する機微な情報の収集・共有・公表の制約などの(ⅱ)施策の自由度を縛る政策過程の構造の双方の要因によって規定されうることを示した。
この論文をかかれている瀬戸崇志さんは、アトリビューションに関するいくつかの論考等をかかれていますね。。。
⚫︎ 防衛省 - 防衛研究所
・2023.03.24 安全保障戦略研究 第3巻 第2号
・[PDF] パブリックアトリビューションの「拡散」と「多様化」――政策当局間の「多様化」の国際比較研究――
参考...
⚫︎ NIDSコメンタリー
・「ロシアのウクライナ侵攻と米英両国のインテリジェンス公表政策―情報機関の'ジレンマ'と2014年以降の安全保障協力の'系譜'」 第224号 (2022年5月)
・「国家のサイバー攻撃とパブリック・アトリビューション―ファイブ・諸国のアトリビューション連合 第179号 (2021年7月)
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