経済産業研究所 人工知能への信頼-リハビリテーション・ロボットを例に
こんにちは、丸山満彦です。
独立行政法人経済産業研究所が、「人工知能への信頼-リハビリテーション・ロボットを例に」という報告書を公表していますね。。。
その要旨から。。。
要旨
...本稿では、利用に際して複数の当事者がかかわる医療機器であるリハビリテーション・ロボットを取り上げ、その信頼について論じる。医師、療法士、ロボット開発者、患者の四者関係を踏まえ、それぞれの立場からみた信頼できる AI の要素をアンケート調査から分析した結果を報告する。結論として、患者・医師・療法士が求める「低費用」を技術者は求めていないなど、「信頼できるロボット」の要素には四者間で相違があり、また、新型コロナウイルスなどの疫病が流行している時点とそうでない平常時において、それぞれが求める要素にも違いが出ることが示された。少子高齢化に歯止めがかからず、医療分野の人手不足を補うために必要不可欠となるリハビリテーション・ロボットの今後の技術開発に際して、日本ではこのような齟齬を政策的に埋めていく必要があろう。
患者、医師、療法士、技術者に対するサンプル調査をしていてなかなか面白い研究だと思いました。
Trustという言葉について、Relianceと比較した説明があります。。。
倫理学においては、 Trust は、日本語で信頼と訳されることがある Relianceとは異なるとされる(Baier, 1986)。人は、Trust が失われたときには「裏切られた」と感じるが、Reliance が失われたときには「失望した」だけで済む、という差異があるという。Reliance より Trust のほうがより強い期待を伴う信頼であると考えられる。
財務諸表監査においては、「内部統制に依拠する」という言葉を使うことがあるが、その場合の依拠は、"rely on"と言います。Relianceの動詞ですね。。。確かに、内部統制に依拠しようとして、実は依拠できないと分かった時、監査人は「失望」はしますが、「裏切られた」とまでは思わないですね。。。なるほどです。。。
・2022.09.21 人工知能への信頼-リハビリテーション・ロボットを例に
・[PDF] 人工知能への信頼-リハビリテーション・ロボットを例に
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