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2022.09.07

デジタル政策フォーラム 「インターネットを巡る”国家主権”と”サイバー主権”」 by 谷脇さん

 こんにちは、丸山満彦です。

デジタル政策フォーラムの顧問でもある谷脇さんのコラム「インターネットを巡る”国家主権”と”サイバー主権”」が興味深いですね。。。

デジタル政策フォーラム

・2022.09.02 #19 インターネットを巡る”国家主権”と”サイバー主権” - 谷脇康彦(デジタル政策フォーラム顧問)

 


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欧米各国や日本といった旧西側諸国からみれば、リアル空間はサイバー空間に投影されるものであって両空間を区別する特段の理由はなく、既存の国際法はサイバー空間にも当然に適用される。したがって、サイバー空間においても現行の「国家主権」の考え方が適用されると解される[2]。これに対し、中国は「国家主権」を「サイバー主権(cyber sovereignty)」と位置付け、国(のみ)が自国内でサイバー空間を積極的に制御することを認められるという立場をとってきた。

...インターネットとはあくまでマルチステークホルダ主義を前提としてこれまで民主的プロセスの中で発展を遂げてきたものであり、政府が当事者の一人に過ぎないということ、すなわち国家主権に制約があるということには合理性がある。その背景には、国家主権を100%認めることは表現の自由や報道の自由に公的権力が介入する根拠を与えるおそれがあることや、インターネット関連技術は政府の規制の外にあったからこそ社会基盤になるまでの発展を遂げてきたということが挙げられる。

これに対し、中国やロシアは「サイバー主権」に基づき国がインターネットをきちんと管理すること(管理という言葉は、ネットを流通するコンテンツに対する直接規制も含まれる意味で使われることが多い)が国の権益として国際的に認められるべきであると主張する。...すなわち中国のサイバー主権はマルチステークホルダ主義ではなく、マルチラテラル主義(multilateralism)を基本とするという考え方に立っている。

そしてその考え方に立脚すればIETFやICANNのガバナンスがマルチステークホルダ主義に依拠することは、「サイバー主権」の原則に反するということになる。Sherman[3]が指摘するように、中国はこうした事態を是正するために国連機関であるITU(国際電気通信連合)をインターネット管理組織として位置付けることを提案している。...

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谷脇さんが引用している報告書等

[1] UN General Assembly, Group of Governmental Experts on Development in the Field of Information and Telecommunications in the Context of International Security (June 2015)

・2015.07.22 [PDF] Group of Governmental Experts on Developments in the Field of Information and Telecommunications in the Context of International Security

20220907-01440

 

[2] タリンマニュアル

Tallinn Manual 2.0 on the International Law Applicable to Cyber Operations (English Edition) 2nd 版, Kindle版

20

Tallinn Manual on the International Law Applicable to Cyber Warfare (English Edition) 1st 版, Kindle版

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タリンマニュアル3.0についての情報

● CCDCOE - The Tallinn Manual

 

[3] Justin Sherman “China’s War for Control of Global Internet Governance” July 2022, SSRN 

・2022.07.27 [PDF] China’s War for Control of Global Internet Governance


20220907-11607

 

[4] Jacob Hafey and Dana Poponete, “How the War in Ukraine Will Shape the Future of the Internet,” March 2022, Access Partnership

・2022.03.24 How the War in Ukraine Will Shape the Future of the Internet

 

[5] “Joint Statement of the Russian Federation and the People’s Republic of China on the International Relations Entering a New Era and the Global Sustainable Development”

ロシア政府

● Puresident of Russia

・2022.02.04 Joint Statement of the Russian Federation and the People’s Republic of China on the International Relations Entering a New Era and the Global Sustainable Development

 

● 中国人民政府

・2022.02.04 中华人民共和国和俄罗斯联邦关于新时代国际关系和全球可持续发展的联合声明(全文)

 

北大法律英文网

・2022.02.04 英中

 

[6] US Department of State “Declaration for the Future of the Internet,”

● U.S. Department of State

・2022.04.28 Declaration for the Future of the Internet

・[PDF] A Declaration for the Future of the Internet

20220907-13649

 

 


 

まるちゃんの情報セキュリティ気まぐれ日記

・2022.07.30 インターネットガバナンスに関する論文と中国の世界インターネット会議

・2022.05.24 バイデン大統領の訪日に伴う一連のホワイトハウスの発表

・2021.12.07 2021.12.09,10開催予定 Summit for Democracy 民主主義サミット + 中国的民主主義 + ロシアの批判 + EUの参加報告書+米国政府まとめ

・2020.08.20 ロシアからインターネットを見たら、インターネットの国際的な枠組みを作りたくなりますよね。。。

 

ぐっと遡って...

・2005.09.29 経団連 インターネットガバナンスのあり方について

・2005.03.19 インターネットの管理体制、災害対策などめぐり議論 GIIC年次総会

・2004.12.01 インターネットガバナンスって何だ

 

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