米国 国土安全保障省検査局 米国税関・国境警備局は空港での国際線旅行者の識別のために顔認識のポリシーを遵守している (2022.07.07)
こんにちは、丸山満彦です。
2日前に、米国のGAOによる政府機関の顔認識技術の利用についての報告書を紹介しましたが、その際に名前が上がっていた国土安全保障省 (DHS) の米国税関・国境警備局 (CBP) ですが、国土安全保障省の内部監査チームである検査局 (OIG) が米国税関・国境警備局は空港での国際線旅行者の識別のために顔認証のポリシーを遵守しているという内部監査の結果を公開していますね。。。
こちらの報告書は、顔認識技術の利用により不一致が出た場合の対応についての方針と手順の遵守状況の確認ですね。。。
・2022.07.07 CBP Complied with Facial Recognition Policies to Identify International Travelers at Airports
CBP Complied with Facial Recognition Policies to Identify International Travelers at Airports | 米国税関・国境警備局は空港での国際線旅行者の身元確認のために顔認識のポリシーを遵守している |
Our objective was to determine to what extent CBP adheres to its policies and procedures for resolving facial biometric discrepancies when confirming travelers’ identities at airports. | 我々の目的は、米国税関・国境警備局が空港で旅行者の身元を確認する際に、顔面バイオメトリックの不一致を解決するための方針と手順をどの程度遵守しているかを確認することである。 |
・[PDF] OIG-22-48-July22
内部監査の結果、適切なポリシーを導入し、適切に運用されていたとして、違反はなかったという監査意見となっていますね。。。
顔認識技術が有効に使われている例として、弟の有効な米国パスポートを利用して入国しようとした対象者を特定したケースが挙げられていますね。。。
報告書では、顔の不一致が出た場合のフローも記載されていて興味深いです。
米国税関・国境警備局の生体認証に関するウェブページも興味深いです。過去の実証実験の話とか、顔認識技術が選ばれた理由とか、、、あと、NECの顔認識技術が使われていることがわかります(^^)
是非...
● U.S. Customs and Border Protection
出典:https://www.cbp.gov/frontline/cbp-biometric-testing
顔認識関連
米国GAO関係
・2022.07.10 米国 GAO 顔認識技術:連邦政府機関の利用と関連するプライバシー保護 (2022.06.29)
・2022.04.30 米国 GAO ブログ 人工知能は国家安全保障をどう変えるか (2022.04.19)
・2021.08.27 米国 GAO 顔認識技術:連邦政府機関による現在および計画中の使用方法
・2021.07.15 米国GAO 顔認識技術について連邦法執行機関はプライバシーやその他のリスクをより適切に評価する必要がある at 2021.06.03
日本での犯罪予防や安全確保のためのカメラ画像利用に関する有識者検討会
・2022.06.24 個人情報保護委員会 第5回犯罪予防や安全確保のためのカメラ画像利用に関する有識者検討会
・2022.05.25 個人情報保護委員会 第4回犯罪予防や安全確保のためのカメラ画像利用に関する有識者検討会
・2022.04.17 個人情報保護委員会 第3回犯罪予防や安全確保のためのカメラ画像利用に関する有識者検討会
・2022.03.16 個人情報保護委員会 第2回犯罪予防や安全確保のためのカメラ画像利用に関する有識者検討会
・2022.02.01 個人情報保護委員会 第1回犯罪予防や安全確保のためのカメラ画像利用に関する有識者検討会
・2021.12.25 個人情報保護委員会 犯罪予防や安全確保のためのカメラ画像利用に関する有識者検討会の設置
欧州AI規制法案
・2021.12.05 欧州理事会 AI法改正案を欧州議会に提出
・2021.08.08 EU議会 BRIEFING 人工知能法 at 2021.07.26
・2021.04.24 欧州委員会がAIへの規制を提案 → 欧州データ保護官は歓迎するけど、公共空間での遠隔生体認証についての規制も入れてね
英情報コミッショナー意見書「公共の場所でのライブ顔認証技術の使用」
・2021.06.20 英国 情報コミッショナー 公共の場でのライブ顔認識技術の使用に関するプライバシーの懸念
欧州評議会 顔認証に関するガイドライン (Guidelines on Facial Recognition)
・2021.01.30 欧州評議会 108号条約委員会が「顔認識に関するガイドライン」を採択しましたね。。。
Faicial Recognition
・2022.05.30 英国 情報コミッショナー 顔認識データベース会社Clearview AI Incに750万ポンド以上の罰金を科し、英国人のデータの削除を命じた
・2022.05.20 欧州データ保護委員会 (EDPB) 意見募集「法執行分野における顔認識技術の使用に関するガイドライン」
・2022.05.15 カナダ プライバシーコミッショナー室 プライバシーに関する戦略的優先事項とそこから生まれたテーマと見解
・2022.04.30 米国 GAO ブログ 人工知能は国家安全保障をどう変えるか (2022.04.19)
・2022.01.21 ENISA デジタル・アイデンティティ攻撃に注意:あなたの顔が偽装される可能性があります
・2021.12.25 個人情報保護委員会 犯罪予防や安全確保のためのカメラ画像利用に関する有識者検討会の設置
・2021.10.17 インターポール、国連地域間犯罪司法研究所、オランダ警察、世界経済会議が「顔認証を責任もって制限するためのポリシーフレームワーク ユースケース:法執行機関の捜査」 at 2021.10.05
・2021.09.29 世界経済フォーラム (WEF) 技術の責任ある利用:IBMをケースにした研究
・2021.09.27 欧州委員会 職場での電子モニタリングと監視 (Electronic Monitoring and Surveillance in the Workplace)
・2021.09.10 EU議会 提言 バイオメトリクス認識と行動検知
・2021.08.28 中国 意見募集 国家サイバースペース管理局 「インターネット情報サービスのアルゴリズムによる推奨に関する管理規定」
・2021.08.27 米国 GAO 顔認識技術:連邦政府機関による現在および計画中の使用方法
・2021.08.20 英国 意見募集 監視カメラ実施規範改訂案 by 監視カメラコミッショナー at 2021.08.13
・2021.08.11 EU議会 STUDY バイオメトリクス認識と行動検知
・2021.08.10 EU議会 STUDY ヨーロッパの政策におけるディープフェイクへの取り組み at 2021.07.30
・2021.08.08 EU議会 BRIEFING スマートシティとアーバンモビリティにおける人工知能 at 2021.07.23
・2021.08.07 総務省 AIネットワーク社会推進会議 「報告書2021」の公表
・2021.08.07 Atlantic Council AIとデータ倫理におけるコミットメントからコンテンツへの移行:正義と説明可能性
・2021.08.04 中国 通信院 信頼できる人工知能についての白書 at 2021.07.09
・2021.08.03 中国 最高人民法院 「民事案件における顔識別技術の使用に関する司法解釈」
・2021.07.15 米国GAO 顔認識技術について連邦法執行機関はプライバシーやその他のリスクをより適切に評価する必要がある at 2021.06.03
・2021.07.12 ニューヨーク市 生体情報プライバシー条例が2021.07.09から施行されましたね。。。
・2021.06.30 WHO 保健のための人工知能の倫理とガバナンス
・2021.06.28 EU 外交政策ツールとしての人工知能ガバナンス
・2021.06.23 欧州 EDPBとEDPS 公共の場における人の特徴を自動認識するためのAIの使用、および不当な差別につながる可能性のあるその他のAIの使用の一部を禁止するよう要請
・2021.06.22 欧州保険職業年金局 (EIOPA) 欧州保険セクターにおける倫理的で信頼できるAIガバナンス原則に関するレポートを公表
・2021.06.20 英国 情報コミッショナー 公共の場でのライブ顔認識技術の使用に関するプライバシーの懸念
・2021.06.17 米国上院・下院 顔認識ツールを含む生体情報監視を政府が使用することを禁止する「顔認識および生体認識技術モラトリアム法案」
・2021.06.17 英国政府:データ倫理とイノベーションセンター プライバシーに関するユーザの積極的選択中間報告(スマートフォン)
・2021.06.08 U.S. の公益団体であるEPICが顔認識技術および遠隔生体認識技術の使用禁止を世界的に呼びかけていますね。。。
・2021.05.12 カナダのプライバシーコミッショナーが顔認識技術について議会で見解を述べたようですね。。。
・2021.05.07 ドイツ連邦情報セキュリティ局 (BSI) が「監査可能なAIシステムを目指して - 現状と今後の展望」を公表しています
・2021.05.03 中国 意見募集 顔認識に続けて、歩行認識、音声認識のデータセキュリティ要件の国家標準案を発表し、意見募集していますね。。。
・2021.04.24 欧州委員会がAIへの規制を提案 → 欧州データ保護官は歓迎するけど、公共空間での遠隔生体認証についての規制も入れてね
・2021.04.22 ドイツ連邦情報セキュリティ局 (BSI) が安全なAI導入のための対策をまとめていますね。。。
・2021.04.21 U.S. FTC(連邦取引委員会) のブログ 会社でAIを活用する場合は真実、公正、公平を目指そう、という記事がありますね。。。
・2021.03.14 CNIL 乗客のマスク着用率を測定するためのインテリジェントビデオの使用に関する法令についての意見を公表
・2021.02.05 カナダのプライバシーコミッショナーが顔認識ソフトウェアを提供するClearview AIについての声明を出していますね。。。
・2021.01.30 欧州評議会 108号条約委員会が「顔認証に関するガイドライン」を採択しましたね。。。
・2021.01.12 欧州委員会 市民イニシアティブとして「生体認証による大量監視慣行の禁止」を登録
・2021.01.04 ニューヨーク州 知事が学校での顔認識技術の使用を一時停止し、研究を指示する法律に署名 at 2020.12.22
・2020.11.04 カナダプライバシー委員会 Cadillac Fairview社が500万人の顔データを取得していたことに関する報告書(2020.10.28)
・2020.06.26 人間が間違うなら、人間を模倣したAIも間違うんでしょうね。。。
・2020.06.14 IBM, Amazon, Microsoftは顔認証システムを米国の警察には販売しない
・2020.05.01 (人工知能 AI)ブラックボックスの検証:アルゴリズムシステムを評価するためのツール - アルゴリズムの監査・影響評価のための共通言語の特定
・2020.03.26 JVNVU#99619336 勾配降下法を使用する機械学習モデルに、誤った識別をさせるような入力を作成することが可能な問題
・2020.03.04 FIRST EVER DECISION OF A FRENCH COURT APPLYING GDPR TO FACIAL RECOGNITION
・2020.02.17 遠くからでもわかる顔認識システム!
ぐっと遡って、2000年代
・2009.11.07 世界プライバシー宣言(Global Privacy Standards for a Global World)
・2005.08.11 外務省 IC旅券調査研究報告書
・2005.02.04 監視社会と信頼関係
Comments