新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 経済財政運営と改革の基本方針2022
こんにちは、丸山満彦です。
政府の新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画、経済財政運営と改革の基本方針2022が閣議決定 (2022.06.07) しましたね。。。
理系で会計士なので、経済、法律、会計、ファイナンス、管理、科学分野について浅く学んできたので、こういうものを読むときは助かります。。。が、やはり知識が浅いということはわかるので、、、全体の深い理解は難しいですね。。。
● 内閣府 -内閣府の政策 - 経済財政政策 - 経済財政諮問会議 - 令和4年 会議情報一覧
・2022.06.07 第8回会議資料
- [PDF] 資料1 新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画
- [PDF] 資料2 渋澤委員提出資料
- [PDF] 資料3 内閣総理大臣からの諮問第47号について
- [PDF] 資料4-1 経済財政運営と改革の基本方針2022
- [PDF] 資料4-2 経済財政運営と改革の基本方針2022概要
本質ではないですが、この色使いのセンス(バリアフリーと美しさ両面で)...
・[PDF] 新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画
で気になった部分
議論に出発点が、
P1「新自由主義」と呼ばれる考え方が台頭し、グローバル化が進展することで経済は活力を取り戻し、世界経済が大きく成長した。
なんですが、日本って、これに乗り遅れた国じゃないですか、、、
でも、
P1 経済的格差の拡大、気候変動問題の深刻化、過度な海外依存による経済安全保障リスクの増大、人口集中による都市問題の顕在化、市場の失敗等による多くの弊害も生んだ。
というのはある程度、そうかなと思います。(「気候変動問題」は、どのくらい科学的に確かめられているのかちょっと分からない面がありますし、「過度な海外依存」という場合、普遍的に適正な海外依存というのはあり得るのかというところも分かりません)
P1 実際、権威主義的国家資本主義とも呼べる体制を採用する国は、自由経済のルールを無視した、不公正な経済活動等を進めることで、急速な経済成長をなしとげ、国際政治における影響力を拡大してきた。自由と民主主義は、権威主義的国家資本主義からの挑戦にさらされている。
という現状を説明しているわけですが、経済成長に成功した「権威主義的国家資本主義」対ちょっと最近停滞気味?の「自由、民主主義の資本主義」という構造なんですかね。。。
民主主義の国は、独裁?主義の国に経済競争で勝っていかないといけないということなのでしょうかね。。。
で、論理上の本質的な話は、
P1 、新しい資本主義においては、市場だけでは解決できない、いわゆる外部性の大きい社会的課題について、「市場も国家も」、すなわち新たな官民連携によって、その解決を目指していく。
ということで、「外部性の大きい社会的課題」を「官民連携」して解決していくというが目的ということなのでしょうね。。。その先の世界は
P2 一人ひとりの国民の持続的な幸福を実現
ということなのでしょうね。。。
サイバーセキュリティも外部性の大きな社会的課題の一つと思いますので、サイバーセキュリティも新たな官民連携で解決ですかね。。。
目次...
はじめに
Ⅰ.資本主義のバージョンアップに向けて
1.市場の失敗の是正と普遍的価値の擁護
2.「市場も国家も」による課題解決と新たな市場・成長、国民の持続的な幸福実現
3.経済安全保障の徹底
Ⅱ.新しい資本主義を実現する上での考え方
1.分配の目詰まりを解消し、更なる成長を実現
2.技術革新に併せた官民連携で成長力を確保
3.民間も公的役割を担う社会を実現
Ⅲ.新しい資本主義に向けた計画的な重点投資
1.人への投資と分配
(1)賃金引上げの推進
(2)スキルアップを通じた労働移動の円滑化
(3)貯蓄から投資のための「資産所得倍増プラン」の策定
(4)子供・現役世代・高齢者まで幅広い世代の活躍を応援
(5)多様性の尊重と選択の柔軟性
(6)人的資本等の非財務情報の株式市場への開示強化と指針整備
2.科学技術・イノベーションへの重点的投資
(1)量子技術
(2)AI実装
(3)バイオものづくり
(4)再生・細胞医療・遺伝子治療等
(5)大学教育改革
(6)2025年大阪・関西万博
3.スタートアップの起業加速及びオープンイノベーションの推進
(1)スタートアップ育成5か年計画の策定
(2)付加価値創造とオープンイノベーション
4.GX(グリーン・トランスフォーメーション)及びDX(デジタル・トランスフォーメーション)への投資
(1)GXへの投資
(2)DXへの投資
Ⅳ.社会的課題を解決する経済社会システムの構築
1.民間で公的役割を担う新たな法人形態・既存の法人形態の改革の検討
2.競争当局のアドボカシー(唱導)機能の強化
3.寄付文化やベンチャー・フィランソロフィーの促進など社会的起業家への支援強化
4.インパクト投資の推進
5.孤独・孤立など社会的課題を解決するNPO等への支援
6.コンセッション(PPP/PFIを含む)の強化
Ⅴ.経済社会の多極集中化
1.デジタル田園都市国家構想の推進
(1)デジタル田園都市国家の実現に向けた基盤整備
(2)デジタル田園都市国家を支える農林水産業、観光産業、教育の推進
(3)デジタル田園都市国家構想の前提となる安心の確保
2.一極集中管理の仮想空間から多極化された仮想空間へ
(1)インターネットにおける新たな信頼の枠組みの構築
(2)ブロックチェーン技術を基盤とするNFT(非代替性トークン)の利用等のWeb3.0の推進に向けた環境整備
(3)メタバースも含めたコンテンツの利用拡大
(4)Fintechの推進
3.企業の海外ビジネス投資の促進
Ⅵ.個別分野の取組
1.国際環境の変化への対応
(1)経済安全保障の強化
(2)対外経済連携の促進
2.宇宙
3.海洋
4.金融市場の整備
(1)四半期決算短信
(2)国際金融センターの実現とアセットマネージャーの育成
(3)銀行の業務範囲及び銀証ファイアウォール規制の見直し
(4)金融機関の取組を通じた貯蓄から投資の促進
(5)事業性融資への本格的かつ大胆な転換
5.グローバルヘルス(国際保健)
6.文化芸術・スポーツの振興
7.福島をはじめ東北における新たな産業の創出
Ⅶ.新しい資本主義実現に向けた枠組み
1.工程表の策定とフォローアップ
2.官と民の連携
3.経済財政運営の枠組み
テクノロジー関連の言葉が並んでいますが、進めてから見直しもあり得るという感じが良いでしょうね。。。状況は変わるでしょうし。。。
デジタル人材も育成する話がありますが、毎度毎度ですね。。。
最後に工程表の話もあり、PDCAで見直すと書いていますので、適正な運用が行われることが期待されますね。。。(できれば、会計検査院もきっちりと監査をし、できたことにした、とかうやむやにしたとかにならないようにしてほしいですね。。。内容を時代に合わせて若干変えるのはアリでしょうし。。。)
ぼちぼち、読んでおきます。。。
・[PDF] 経済財政運営と改革の基本方針2022
第1章 我が国を取り巻く環境変化と日本経済
1. 国際情勢の変化と社会課題の解決に向けて
2. 短期と中長期の経済財政運営
(1)コロナ禍からの回復とウクライナ情勢の下でのマクロ経済運営
(2)中長期の経済財政運営
第2章 新しい資本主義に向けた改革
1.新しい資本主義に向けた重点投資分野
(1)人への投資と分配
(2)科学技術・イノベーションへの投資
(3)スタートアップ(新規創業)への投資
(4)グリーントランスフォーメーション(GX)への投資
(5)デジタルトランスフォーメーション(DX)への投資
2.社会課題の解決に向けた取組
(1)民間による社会的価値の創造
(2)包摂社会の実現
(3)多極化・地域活性化の推進
(4)経済安全保障の徹底
第3章 内外の環境変化への対応
1. 国際環境の変化への対応
(1)外交・安全保障の強化
(2)経済安全保障の強化
(3)エネルギー安全保障の強化
(4)食料安全保障の強化と農林水産業の持続可能な成長の推進
(5)対外経済連携の促進
2. 防災・減災、国土強靱化の推進、東日本大震災等からの復興
3. 国民生活の安全・安心
第4章 中長期の経済財政運営
1. 中長期の視点に立った持続可能な経済財政運営
2. 持続可能な社会保障制度の構築
3. 生産性を高め経済社会を支える社会資本整備
4. 国と地方の新たな役割分担
5. 経済社会の活力を支える教育・研究活動の推進
第5章 当面の経済財政運営と令和5年度予算編成に向けた考え方
1. 当面の経済財政運営について
2. 令和5年度予算編成に向けた考え方
● 経団連
・2022.06.07 会長コメント/スピーチ 会長コメント「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」・「骨太方針2022」に関する十倉会長コメント
同日のコメントなので、事前に原稿は作っていたのでしょうね。。。まぁ、当然でしょうが。。。(という意味では官民連携ですかね。。。)
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