内閣府 AI戦略2022 (2022.04.22)
こんにちは、丸山満彦です。
内閣府の「イノベーション政策強化推進のための有識者会議「AI戦略」(AI戦略実行会議)」で議論されていたAI戦略2022が確定していました。。。
戦略目標は5つありますね。。。
差し迫った危機への対処能力を準備するもの
戦略目標0
我が国が、パンデミックや大規模災害などの差し迫った危機に対して、そこに住む人々の生命と財産を 大限に守ることができる体制と技術基盤を構築し、それを適正かつ持続的に運用するための仕組みが構築されること。
我が国の持続可能な産業・社会の基盤づくりとなるもの
戦略目標1
我が国が、世界で もAI時代に対応した人材の育成を行い、世界から人材を呼び込む国となること。さらに、それを持続的に実現するための仕組みが構築されること。
戦略目標2
我が国が、実世界産業におけるAIの応用でトップ・ランナーとなり、産業競争力の強化が実現されること。 サイバースペース内で完結することがなく、人、自然、ハードウェアなどとの相互作用を通じて初めて価値が生み出される、「実世界産業 」 領域には、未だに系統的に取得されていない膨大な情報が含まれている。
戦略目標3
我が国で、「多様性を内包した持続可能な社会」を実現するための一連の技術体系が確立され、それらを運用するための仕組みが実現されること。 女性、外国人、高齢者など、多様な背景を有する多様な人々が、多様なライフスタイルを実現しつつ、社会に十分に参加できるようになることが極めて重要である。AI関連の多様な技術体系の確立とそれを活用するための社会の制度・仕組み作りを進め、国民一人一人が、具体的にAIの便益を受けることができることを目指す。
戦略目標4
我が国がリーダーシップを取って、AI分野の国際的な研究・教育・社会基盤ネットワークを構築し、AIの研究開発、人材育成、SDGsの達成などを加速すること。
良いことが書いていると思うのですが、問題は実行力ですよね。。。声が大きいマイノリティー(少数ではあるが強い意見を持っている人たち)の声に流されたりしないように注意しないといけないかもですね。。。例えば「多様性を内包した」とありますが、社会における役割を性別で考えたり、日本人最高(外国人いまいち)、定年後の高齢者の時間はタダみたいな考え方などを実行しているケースはないのか?みたいなことも含めて社会実装しないといけないように感じています。最も大きなものは、既存利権の保護によりすぎないようにすることなのでしょうが、、、
2000年頃に言われていた電子政府みたいなことをいまだに言わなければならない現状を見ていると、既存概念、既存利権を乗り越えて新しい社会にどのように変えていくのかということが、本当は重要なのかもしれませんね。。。
● 内閣府 - 内閣府の政策 - 科学技術・イノベーション - AI戦略
・AI戦略2022:
・[PDF] 本文
・[PDF] 別紙
・[PDF] 概要
過去分...
・AI戦略2021:
・[PDF] 本文
・[PDF] 別紙
・[PDF] 概要
・AI 戦略 2019フォローアップ:
・[PDF] 本文
・[PDF] 別紙
・[PDF] 概要
・[PDF] 参考資料:AI 戦略 2019(2020.06 フォローアップ版)
・AI 戦略 2019:
・[PDF] 本文
● 内閣府 - 内閣府の政策 - 科学技術・イノベーション - 統合イノベーション戦略 - 統合イノベーション戦略推進会議
5.戦略の推進にあたっての基本的考え方
踏まえるべき観念
・多様性を内包した持続可能な社会」に向けて、AIを含めた新たな技術の導入と、その導入と並行した社会システムの変革が重要である。
・AIの導入によって、国民一人一人が具体的な便益を実感でき、新たな技術や社会システムが広く受け入れられていくことが不可欠である。
・Society 5.0の実現を進める中で、我が国の国際的プレゼンスの向上と、産業競争力の抜本的強化を図っていかなければならない。
その際、
・「人間中心のAI社会原則」を踏まえ、
・性別、年齢、政治的信条、宗教等の多様なバックグラウンドにかかわらず多様な人材が、
・幅広い知識、視点、発想等に基づき、貢献できるようにする
ことが重要である。
上記を踏まえ留意すべき点
- 国家の大の使命は、そこに暮らす人々の生命と財産を守ることであり、パンデミックや大規模災害なども含めた非常事態に迅速に対応できる体制とシステムの構築が必須。これらのニーズへの対応の立ち遅れを早急に是正し、十分な基盤と運営体制を構築することが必要。
- 産業の担い手は民間企業であり、民間企業がその力を発揮するために、基盤の整備(人材の育成と呼び込み、研究開発の促進、産業基盤の整備・事業化支援)、新たな技術の導入を加速する制度の構築と阻害要因の除去、多国間の枠組みの構築などが不可欠。
- AIシステムの実装には、大規模データを収集・蓄積し、そこへのアクセスを提供する基盤、超高速通信網、センサー群、ロボット等が必要。
- AIの社会受容には、サイバーセキュリティやAI倫理を含む、システムの安全性や健全性を担保する技術の開発や実装、AIに関わるリテラシーの向上及び開発者・運用者とユーザの間での適切なコミュニケーション、さらにはAIの具体的な便益が感じられることなどが重要。
- その他、国際情勢の複雑化、社会経済構造の変化等に鑑み、AIを含む重要技術については経済安全保障の観点から各種の取組が検討されていることから、政府全体として効果的な重点化が図られるよう、関係施策の調整を行うことが必要。
- また、AIは、その応用範囲が広範であり、かつ、技術的にも多くの研究分野と密接な関係を有することから、量子、バイオ、材料科学などに代表される政府の戦略的な取組とのシナジーを追求すべきことが重要。
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