経団連 提案された欧州人工知能法に関する意見
こんにちは、丸山満彦です。
欧州委員会が2021.04.21にいわゆる人工知能法案を公表し、意見募集を行っていますが、経団連が意見を出したようですね。。。
● 日本経済団体連合
・2021.08.06 欧州AI規制法案に対する意見
1.総論
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このたび、欧州委員会が公表したAI規制法案#1は、信頼あるAIの開発・利活用促進による環境・社会課題の解決を目的としており、経団連が目指す「信頼できる高品質AI(Trusted Quality AI)エコシステム」の構築と方向性を同じくする。
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しかし、現段階では、禁止・ハイリスクAIの定義等に曖昧さや解釈の余地が残されており、欧州への投資意欲や新興AI企業などの育成・強化を妨げ、イノベーションや国家安全保障に影響を及ぼす恐れがある。施行前に、定義の明確化や説明の追加、ガイドライン等の提供を行うべき。
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また、AIの技術革新・社会実装が加速している状況を踏まえると、最新の状況を逐一考慮せずに議論を進めることは、混乱を生みかねない。規制の対象・内容の具体化にあたっては、規制対象となっているEU域外の産業界も含めたEAIB(欧州AI委員会)や、国際標準化団体(ISO/IEC JTC1 SC42)等において、十分な対話を行うプロセスを設けるべき。
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同時に、規制導入後も緊密な対話を継続することより、規則の内容を継続的かつ柔軟に透明性を持った仕組みで見直していく仕組みを構築する必要がある。新たに法規制を課す場合にも、革新的技術の利活用による社会的便益を最大化できるよう、必要最小限にして抑制的であるべき。
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AIプロバイダーのみを厳しく規制することは、信頼性あるAIエコシステムの形成をかえって阻害する要因になりうる。AIの適正な利用を担保するためには、プロバイダーだけに努力を課すのではなく、AIエコシステム全体での取組みが必要であることを明示し、ユーザーにおける取組みも促すことを期待する。
日本も考えないといけないんでしょうね。。。
人工知能法案
AIについての欧州アプローチに関する規則の提案
・2021.04.21 Proposal for a Regulation on a European approach for Artificial Intelligence
1. [PDF] Proposal for a Regulation on a European approach for Artificial Intelligence
参考
● まるちゃんの情報セキュリティ気まぐれ日記
・2021.08.08 EU議会 BRIEFING 人工知能法 at 2021.07.26
・2021.06.23 欧州 EDPBとEDPS 公共の場における人の特徴を自動認識するためのAIの使用、および不当な差別につながる可能性のあるその他のAIの使用の一部を禁止するよう要請
・2021.04.24 欧州委員会がAIへの規制を提案 → 欧州データ保護官は歓迎するけど、公共空間での遠隔生体認証についての規制も入れてね
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