経団連 提言「全員参加によるサイバーセキュリティの実現に向けて」
こんにちは、丸山満彦です。
政府が次期サイバーセキュリティ戦略の検討を進めていることを踏まえ、経団連が、提言「全員参加によるサイバーセキュリティの実現に向けて」を公表しましたね。。。
経団連といえば、
日本の代表的な企業1,461社、製造業やサービス業等の主要な業種別全国団体109団体、地方別経済団体47団体などから構成されています(2021年4月1日現在)。
その使命は、総合経済団体として、企業と企業を支える個人や地域の活力を引き出し、日本経済の自律的な発展と国民生活の向上に寄与することにあります。
このために、経済界が直面する内外の広範な重要課題について、経済界の意見を取りまとめ、着実かつ迅速な実現を働きかけています。
ということで、サイバーセキュリティに関しても経済界の意見をとりまとめて公表をしているということですね。。。
ちなみに、現会長の所属会社である、住友化学さんの第140期 (2020.04.01-2021.03.31)有価証券報告書の「事業等のリスク」では、
2.事業継続の基盤に関わるリスク
③ 情報セキュリティ
ITを活用することで業務の生産性向上、事業の競争力確保、新たなビジネスモデル創出を追求するデジタル革新が加速している一方、情報システムに関するさまざまな影響を及ぼすサイバー攻撃の脅威が高まっており、 事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、情報を正しく管理し、漏洩や紛失を未然防止する対策、およびセキュリティインシデント発生時に影響を最小限に抑える対策を講じておりますが、情報セキュリティを経営問題と捉え、ますます高まる情報セキュリティの脅威に対応してまいります。
④ DXによる事業環境の急変
当社グループでは、プラント、研究開発、オフィス、サプライチェーンマネジメントのそれぞれの領域において、IoT、AI、MIやRPAなどのデジタル技術を積極的に活用し、業務プロセスの飛躍的な生産性向上、 既存事業の競争力確保、新たなビジネスモデルの実現に取り組んでおります。しかしながら、デジタル技術の適用が著しく遅延した場合や、他社がデジタル技術を活用して生産性や競争力を向上させる、あるいは新たなビジ ネスモデルを創造するなど事業環境の急変により、当社グループの競争力が相対的に低下することで経営成績な らびに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
という感じで、セキュリティやテクノロジーに関するリスクが記載されていますね(PDFがコピー禁止になっていますので、コピーをする場合はGoogle Document等で読み込んでからという一手間がかかる...)。
通りいっぺんな感じはしますが、事業継続の基盤に関わるリスクとしては、① 事故・災害、② 製品の品質の次の3つ目ということで比較的重要に感じているのかもしれません。。。
昔から、各社の有価証券報告書に記載されている、事業等のリスクにおいて、情報セキュリティ、サイバーセキュリティ、プライバシーがどのように記載されているか、各社の一覧が欲しいなと思っているんですよね。。。
さて、本題に戻って、
● 日本経済団体連合会
・2021.07.15 経団連タイムス - 提言「全員参加によるサイバーセキュリティの実現に向けて」公表
・2021.07.13 全員参加によるサイバーセキュリティの実現に向けて
・[PDF] 概要
・[PDF] 本文
目次
1.はじめに
2.全員参加によるサイバーセキュリティの実現に向けた3つの視点
(1)各主体の果たすべき役割
① 国による率先垂範
② サイバーセキュリティ経営のさらなる推進
③ サプライチェーン全体での取組み強化
④ 官民一体での社会風土醸成
(2)人材育成・研究開発力強化
① 全員参加の人材教育
② 産業・国際競争力の強化
③ サイバー空間の信頼性確保への貢献
(3)社会の変化に対応した取組みの推進
① 連携の強化
② 重要インフラ分野の相互依存関係の分析および新規分野の追加
③ 既存制度の検証
3.おわりに
「全員参加」ということについて、いいたいことは、「サイバーセキュリティに関して、みなさん意識高めて、それぞれの持ち場で自分の業務をする際にもサイバー関連リスクを想像し、必要ならば専門家等に相談し、適切な対策が実施されるようにしましょうね。。。」ということで、「ひとりひとり竹槍でも、鍋の蓋でももって戦いましょうね」ではないと思いますが、そう思われないような表現等の工夫があってもよいかもですね。。。
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