英国 情報コミッショナー 公共の場でのライブ顔認識技術の使用に関するプライバシーの懸念
こんにちは、丸山満彦です。
英国の情報コミッショナーが公共の場でのライブ顔認識技術の使用に関するプライバシーの懸念についての報告書についてブログで公表されたことを書いていますね。。。
公益(例えば、社会の安全)と個人の権利(例えば、プライバシー)のせめぎ合いはプライバシーに関わらず、色々な場面でありますね。どちらを原則とするかで、社会主義的な思考か民主主義的な思考かということなんでしょうかね。。。それぞれの国や民族等で色々な歴史を経て今にあるので、考え方は一つにまとめるのは難しいかもですね。私は、現在の憲法のもとで育っていますからね。。。民主主義的ですかね。。。
公共の場でカメラで人の顔をスキャンすることは、犯罪者を見つけると言ったような公益に役立つ面もある反面、政府に都合の悪い意見を言った人のアラを探すために使われたり、ストーカーに利用されたり、色々なマイナス面もあります。プライバシーの保護を原則としながら、どういう条件であれば公益目的に利用しても良いのか、そこがポイントなのかもしれませんね。。。
● U.K. Information Commissioner's Office; ICO - blog
・2021.06.18 [PDF] Information Commissioner’s Opinion: The use of live facial recognition technology in public places
1. Executive Summary | 1.エグゼクティブサマリー |
1.1 What is facial recognition technology? | 1.1 顔認識技術とは? |
1.2 What is live facial recognition? | 1.2 ライブ顔認識とは? |
1.3 Why is biometric data particularly sensitive? | 1.3 なぜ生体データは特にセンシティブなのか? |
1.4 How is LFR used? | 1.4 LFRはどのように使われるのか? |
1.5 What are the key data protection issues involved in LFR? | 1.5 LFRに関わるデータ保護の主な課題は何ですか? |
1.6 What are the requirements of the law? | 1.6 法律上の要求事項とは? |
1.7 Next steps | 1.7 次のステップ |
2. Introduction | 2.はじめに |
2.1 Live facial recognition in public places | 2.1 公共の場でのライブ顔認証 |
2.2 The importance of biometric data | 2.2 生体データの重要性 |
2.3 The Commissioner’s work on LFR | 2.3 LFRに関するコミッショナーの取り組み |
2.4 Scope of this Opinion | 2.4 本意見書の範囲 |
3. How LFR is used today | 3.現在のLFRの使われ方 |
3.1 ICO analysis and key issues | 3.1 ICOの分析と重要課題 |
3.1.1 Surveillance uses | 3.1.1 監視用途 |
3.1.2 Marketing and advertising uses | 3.1.2 マーケティングと広告の用途 |
3.1.3 Other uses of LFR | 3.1.3 LFRのその他の用途 |
3.1.4 Key data protection issues | 3.1.4 データ保護に関する主な問題 |
3.2 International examples | 3.2 国際的な事例 |
3.3 Public perceptions of LFR | 3.3 LFRに対する一般の人々の認識 |
4. The requirements of data protection law | 4.データ保護法の要件 |
4.1 Why data protection law applies | 4.1 データ保護法が適用される理由 |
4.2 Legal requirements in brief | 4.2 法的要求事項の概要 |
4.3 Purposes for LFR | 4.3 LFRの目的 |
4.4 Lawful basis and special category data | 4.4 合法的根拠および特別なカテゴリーのデータ |
4.5 Necessity and proportionality | 4.5 必要性と妥当性 |
4.6 Fairness and transparency | 4.6 公平性と透明性 |
4.7 Assessing risks and impacts | 4.7 リスクとインパクトの評価 |
4.8 Other compliance issues | 4.8 その他のコンプライアンス問題 |
4.9 Surveillance and direct marketing considerations | 4.9 監視およびダイレクトマーケティングに関する考察 |
4.9.1 Watchlists | 4.9.1 ウォッチリスト |
4.9.2 Collaboration with law enforcement | 4.9.2 法執行機関との連携 |
4.9.3 Compliance issues with direct marketing | 4.9.3 ダイレクトマーケティングにおけるコンプライアンスの問題 |
5. Conclusions and next steps | 5.結論と次のステップ |
5.1 Key requirements for controllers | 5.1 コントローラの主な要件 |
5.2 Recommendations to industry | 5.2 産業界への提言 |
5.3 The Commissioner’s next steps | 5.3 コミッショナーの次のステップ |
Annex: Expectations on data protection impact assessments for live facial recognition in public places | 附属書:公共の場でのライブ顔認識に関するデータ保護影響評価への期待 |
1. Introduction | 1.はじめに |
2. The importance of robust evaluation | 2.ロバストな評価の重要性 |
3. Data protection impact assessments for LFR | 3.LFRのデータ保護影響評価 |
・[DOCX] 仮訳
過去に法執行機関に関して公表されたもの
・2019.10.31 [PDF] Information Commissioner’s Opinion: The use of live facial recognition technology by law enforcement in public places
・[DOCX] 仮訳
■ 参考
● まるちゃんの情報セキュリティ気まぐれ日記
・2021.06.17 米国上院・下院 顔認識ツールを含む生体情報監視を政府が使用することを禁止する「顔認識および生体認識技術モラトリアム法案」
・2021.06.08 U.S. の公益団体であるEPICが顔認識技術および遠隔生体認識技術の使用禁止を世界的に呼びかけていますね。。。
・2021.05.12 カナダのプライバシーコミッショナーが顔認識技術について議会で見解を述べたようですね。。。
・2021.05.03 中国 意見募集 顔認識に続けて、歩行認識、音声認識のデータセキュリティ要件の国家標準案を発表し、意見募集していますね。。。
・2021.04.24 欧州委員会がAIへの規制を提案 → 欧州データ保護官は歓迎するけど、公共空間での遠隔生体認証についての規制も入れてね
・2021.04.22 ドイツ連邦情報セキュリティ局 (BSI) が安全なAI導入のための対策をまとめていますね。。。
・2021.04.21 U.S. FTC(連邦取引委員会) のブログ 会社でAIを活用する場合は真実、公正、公平を目指そう、という記事がありますね。。。
・2021.03.14 CNIL 乗客のマスク着用率を測定するためのインテリジェントビデオの使用に関する法令についての意見を公表
・2021.02.05 カナダのプライバシーコミッショナーが顔認識ソフトウェアを提供するClearview AIについての声明を出していますね。。。
・2021.01.30 欧州評議会 108号条約委員会が「顔認証に関するガイドライン」を採択しましたね。。。
・2021.01.12 欧州委員会 市民イニシアティブとして「生体認証による大量監視慣行の禁止」を登録
・2021.01.04 ニューヨーク州 知事が学校での顔認識技術の使用を一時停止し、研究を指示する法律に署名 at 2020.12.22
・2020.11.04 カナダプライバシー委員会 Cadillac Fairview社が500万人の顔データを取得していたことに関する報告書(2020.10.28)
・2020.06.26 人間が間違うなら、人間を模倣したAIも間違うんでしょうね。。。
・2020.06.14 IBM, Amazon, Microsoftは顔認証システムを米国の警察には販売しない
・2020.05.01 (人工知能 AI)ブラックボックスの検証:アルゴリズムシステムを評価するためのツール - アルゴリズムの監査・影響評価のための共通言語の特定
・2020.03.26 JVNVU#99619336 勾配降下法を使用する機械学習モデルに、誤った識別をさせるような入力を作成することが可能な問題
・2020.03.04 FIRST EVER DECISION OF A FRENCH COURT APPLYING GDPR TO FACIAL RECOGNITION
・2020.02.17 遠くからでもわかる顔認識システム!
ぐっと遡って、2005年
・2005.08.11 外務省 IC旅券調査研究報告書
・2005.02.04 監視社会と信頼関係
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