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2021.02.17

クラウドは竹 クラウド集中リスク

こんにちは、丸山満彦です。

いきなり竹です(^^)

竹はイネ科の植物で、日本には150種とも600種とも言われる竹が自生しています[wikipedia]。竹は日本では様々なところで竹細工として使われていますね。また、京都の嵯峨野の竹林は観光でも有名です。旬の朝掘りのタケノコはとても美味しいですね。。。

これほど身近な竹ですが、実は生態はよくわかっていません。例えば、開花。イネは毎年秋に開花しますが、竹は60年から120年に一度花をつけるようだ、というレベルでしかわかっていません。そして、一斉開花すると竹は枯れてしまいます。最近では部分開花をすることもあることが観察されています。

さて、そんな竹の性質と最近流行りのクラウドサービスの共通性を早期に見越して「クラウドは竹」ということを今から10年以上前にいったのが、明治大学の夏井先生です。まさにその通りだと私も思っています。

杉林はそれぞれが独立した木です。一本の木が枯れても他の木が枯れるとは限りません(もちろん、病気により一斉に杉林が枯れることはあります)。一方、竹は地面からニョキニョキ生えてきていますが、竹林と思っていも地下茎で繋がった一つの生命体という場合があります。なので、竹が枯れると、竹林全体が枯れるということになります。

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AWSの上で色々なサービスが立ち上がっているという状況は、AWSという地下茎で繋がった竹林から色々なサービスが個々の竹のようにニョキニョキ伸びているのと同じですよね。AWSが倒れるとその上に立っているサービスは倒れてしまいます。

最近私が気にしているのがこのポイントです。社会全体から見ると「クラウド集中リスク」とでも呼べば良いのでしょうかね。。。

個々の企業や政府機関が効率を目指すとクラウドサービスの利用が進むことになる。さらにクラウドサービス同士もより効率の高いサービスに収斂していくようになり、最終的には片手くらいのクラウドサービス事業者の上で社会の多くのサービスが動いている状況になるのではないかと思います。

金融機関のリスク管理、例えば信用リスクの管理では特定の企業に偏った貸付をしていると、その企業がこけた時の影響が大きくなるので、それを管理することが求められます。信用集中リスクの管理、つまり、集中と分散を適度に保つということが求められます。

いつかどこかで、「クラウド集中リスク」を社会全体のリスクとして議論をしていく必要があるのかもしれませんね。。。

「クラウドは竹」

これは意識しておいた方が良いかもですね。。。

 

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京都 地蔵院のFacebook 2019.12.04から


農林水産省 - Aff

・2013.01号 特集1  竹のおはなし

 

私の高校、大学の同級生の藤井康代教授(京都先端大学)が学生時代、竹の研究をしていましたね。。。

■ 京都先端大学 - 藤井康代教授

・1991.12.20 [PDF] Distribution of Esterified Phenolic Acids in Cell Walls of Immature Bamboo(幼竹細抱盤におけるフェノール酸エステルの分布)



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