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2021.03.01

内閣府の Society 5.0 のWebページを読んでいてふと感じた嘘...

こんにちは、丸山満彦です。

諸般の事情で改めて内閣府のSociety 5.0のWebページを読んでいたのですが、最初に読んだ時に感じた違和感を今回も感じたので、自分なりに整理しておこうと思いました。。

まずは、該当ページを。。。

内閣府 - 内閣府の政策 - 科学技術政策 

Society 5.0

です。

で、該当箇所ですが、


Society 5.0で実現する社会

これまでの情報社会(Society 4.0)では知識や情報が共有されず、分野横断的な連携が不十分であるという問題がありました。人が行う能力に限界があるため、あふれる情報から必要な情報を見つけて分析する作業が負担であったり、年齢や障害などによる労働や行動範囲に制約がありました。また、少子高齢化や地方の過疎化などの課題に対して様々な制約があり、十分に対応することが困難でした。

Society 5.0で実現する社会は、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服します。また、人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されます。社会の変革(イノベーション)を通じて、これまでの閉塞感を打破し、希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合あえる社会、一人一人が快適で活躍できる社会となります。


の「ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されます 」の部分、特に「貧富の格差」はさらに広がることはあっても、克服はされないと思うんですが、これを書いた人は本気で、Society 5.0が実現すると貧富の格差が克服されると思っていたのでしょうか???

そんなことはないと思いますよね。。。わかってますよね。。。

狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)になるにしたがって、貧富の格差は指数関数的に拡大してきましたよね。。。5.0になるとさらに広がりますよね。。。

ロボットを大量に所有できる人とロボットの苦手な作業をこなす人、AIを使う人とAIに使われる人と。。。同じ所得になるように感じませんよね。。。

これはあかんですよね、、、貧富の差が開く可能性が高いので、どのような対応をしなければならないのか、、、という議論にならないと、、、

技術が高度になるのと自動的に人々が幸せになるのではないですよね。。。その技術を社会でどのように使うかですよね。。。核エネルギーを使えるようになりました(技術が高度になった)が、それで本当に幸せになったと言い切れますでしょうかね。。。原爆で何十万人もの人が死にましたよね。。。使い方次第なんだろうと思います。そこの議論をちゃんとしないとですよね。。。

まぁ、現在既得権を持っている人々にとっては知られたくない真実なのかもしれないのでしょうが・・・

 

■ 参考

● まるちゃんの情報セキュリティ気まぐれ日記

・2021.02.02 改めて小林弁護士の「人工知能が奪う職業と「洗練された奴隷制」」を読んでみた。。。

 

Hierarchy

 

AIに使われる側も上手く使われることによって不満を持たずに搾取され続ける状態になるということが問題となります。さらに問題が深くなっていく感じですよね。。。

 

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