欧州委員会 デジタルプラットフォーマを規制するためのデジタルサービス法とデジタル市場法の最終提案を公表
こんにちは、丸山満彦です。
欧州委員会が、デジタルプラットフォーマを規制するためのデジタルサービス法 (Digital Services Act (DSA)) とデジタル市場法 (Digital Market Act (DSA)の最終提案を公表していますね。
2020.12.03に発表された、European Democracy Action Plan(欧州民主主義行動計画)を補完するものという位置付けのようですから、民主主義を守るという大義のもとでの一連の動きですね。。。
基本的な考え方として、一部の非常に大規模なプレーヤーが、情報共有とオンライン取引のための準公共スペースとなっていて、利用者の権利、情報の流れ等に特定のリスクをもたらすことになっているということで規制が必要という感じです。
● European Commission
・2020.12.15 Europe fit for the Digital Age: Commission proposes new rules for digital platforms
デジタルサービス法は、消費者を商品、サービス、コンテンツに接続するすべてのデジタルサービスに、違法コンテンツの迅速な除去やオンライン上での利用者の基本的権利の包括的な保護のための新たな手続きを含む、EU全体の拘束力のある義務が適用されることになるとなっていますね。
具体的には、
- オンラインでの違法な商品、サービス、コンテンツの削除に関する規則
- プラットフォームによって誤ってコンテンツが削除された利用者に対するセーフガード
- 非常に大規模なプラットフォームに対する、システムの悪用を防ぐためにリスクに応じた行動をとるという義務
- オンライン広告や、利用者にコンテンツを推奨するために使用されるアルゴリズムを含む、広範囲の透明性対策
- 研究者によるプラットフォームの主要データへのアクセスを容易にするなど、プラットフォームの仕組みを精査するための新たな権限
- 違法な商品やサービスの販売者を追跡するのに役立つ、オンラインマーケットプレイスにおけるビジネス利用者のトレーサビリティに関する規則
- 単一市場全体で効果的な執行を確保するための公的機関間の協力プロセス
デジタル市場法は、ゲートキーパーによる不公正な行為を定義し、禁止する調和のとれた規則を定め、市場調査に基づく執行メカニズムを提供している。
具体的には、
- 検索エンジン、ソーシャルネットワーク、オンライン仲介サービス等、不公正な行為を起こしやすいコアプラットフォームサービスの主要プロバイダーにのみ適用され、ゲートキーパーとして指定される客観的な立法基準を満たす。
- ゲートキーパーを特定するための基準として、定量的なしきい値を定義し、欧州委員会が市場調査後にゲートキーパーを指定する権限を持つ。
- 利用者によるプレインストールされたソフトウェアやアプリの削除をブロックする等の明らかに不公正な行為を禁止する
- ゲートキーパーに対し、サードパーティのソフトウェアが適切に機能し、自社サービスと相互運用できるようにするための措置等を積極的に講じることを要求する。
- 新規則の有効性を確保するために、ゲートキーパーの全世界の売上高の10%までの罰金を含む、遵守違反に対する制裁措置を課す。また、繰り返す違反者に対しては、これらの制裁措置は、構造的な措置をとる義務を伴う可能性があり、コンプライアンスを確保するための同等の効果的な代替措置が他にない場合には、特定の事業の売却を要求する可能性もある。
- 新しいゲートキーパー規則がデジタル市場の速いペースに追いつけるようにするために、新しいゲートキーパーの慣行やサービスがこれらの規則に追加される必要があるかどうかを評価するために、欧州委員会が対象を絞った市場調査を実施することを認める。
・2020.12.15 Digital Services Act – Questions and Answers
- General information on the Digital Services Act
- Impact of the Digital Services Act on users
- Impact of the Digital Services Act on businesses
- Impact of the Digital Services Act on Member States
・・法案 [PDF]
・2020.12.15 Digital Markets Act: Ensuring fair and open digital markets
・・法案 [PDF]
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