U.S. GAO 5Gネットワークの機能と課題 @2020.11.19
こんにちは、丸山満彦です。
米国のGAOが5Gネットワークの機能と課題についての報告書を公表していますね。
報告書では、
- 米国の5G無線ネットワークの性能目標と期待される用途をどのように実現するか、
- 米国の5G無線ネットワークの性能や利用に影響を与える可能性のある課題、
- これらの課題に対処するための政策オプション
について論じていますね。
GAOの調査によると、現在は(1)速度の向上と(2)より多くのデバイスを接続することに重点を置いた取り組みが行われている状態で、まだ初期段階にあるという判断のようです。5Gの可能性を完全に引き出す技術は、今後10年以内に期待されています。
今後の課題と課題への政策オプションの提示もしていますね。。。
● U.S. GAO
・2020.11.19 5G WIRELESS: Capabilities and Challenges for an Evolving Network
・・[PDF] Full Report
・・[Youtube]
政策オプション | 機会 | 考慮事項 |
スペクトラム共有技術 政策立案者は、スペクトル共有技術の研究開発を支援することができる。 |
5G および将来の世代の無線ネットワークで利用可能な限られたスペクトルをより効率的に利用できるようになる可能性がある。 既存の5Gテストベッドを活用して、応用研究で開発されたスペクトラム共有技術をテストすることができるようになる可能性がある。 |
研究開発にはコストがかかり、調整と管理が必要であり、その潜在的な利益は不確実である。資金源の特定、資金調達メカニズムの設定、または既存の資金源を再配分するかどうかの決定には、詳細な分析が必要である。 |
連携したサイバーセキュリティの監視 政策立案者は、5Gネットワークのサイバーセキュリティを全国的に協調的に監視することを支援することができる。 |
調整されたモニタリング・プログラムは、ワイヤレス・エコシステム全体が進化する脅威についての知識をリアルタイムで維持し、サイバーセキュリティ・リスクを特定し、関係者が新たな脅威や実際のネットワーク攻撃に迅速に対応できるようにすることを可能にする。 | 通信事業者は、インシデントや脆弱性を報告することに抵抗がある可能性があり、どのような情報が開示され、どのように情報が使用され、報告されるかについて決定を下す必要がある。 |
サイバースセキュリティ要件 政策立案者は、5Gネットワークのサイバーセキュリティ要件を採用する可能性がある。 |
これらの手順を踏むことで、より安全なネットワークを実現できる可能性がある。セキュリティ要件のベースラインセットがないと、ネットワークセキュリティプラクティスの実装が断片的で一貫性のないものになる可能性がある。 既存のプロトコルやベストプラクティスを使用することで、要件の開発と実装にかかる時間とコストを削減できる可能性がある。 |
ネットワーク・セキュリティ要件を採用することは困難である。これは、要件の定義と実装は、万能型のアプロー チではなく、アプリケーションごとに行わなければならないこともある。 ネットワークコンポーネントを認証するためのシステムを設計するにはコストがかかり、業界主導であれ政府主導であれ、 中央集権的な組織が必要になるだろう。 |
個人情報の取り扱いについて 政策立案者は5Gユーザーデータの統一的な慣行を採用する可能性がある。 |
統一されたプライバシー慣行の開発と採用は、州や他国で実施されている既存のプライバシー慣行や、連邦政府機関や他の組織が開発したプライバシー慣行から恩恵を受けることになる。 | 個人情報の取り扱いにはコストがかかるため、政策立案者は、個人情報保護の必要性と、個人情報保護に関する要求事項を実施するための直接的・間接的なコストのバランスをとる必要がある。要求事項を課すことは、特に小規模な事業体にとっては負担になる可能性がある。 |
ハイバンド研究 政策立案者は、ハイバンド技術の研究開発を促進することができる。 |
アンテナ特性の統計的モデリングが改善され、伝搬特性がより正確に表現されるようになる可能性がある。 ハイバンド放射への長期的な無線周波数曝露による健康への影響についての理解が向上する可能性がある。 |
研究開発にはコストがかかり、調整・管理しなければならず、その潜在的な利益は不確実である。政策立案者は、資金源を特定するか、既存の資金源を再配分するかを決定する必要がある。 |
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