インド太平洋地域における米中競争 by RAND研究所 2020.11.12
こんにちは、丸山満彦です。
米国大統領選挙も結果が見え、政権移行という状況ですね。。。
さて、RAND研究所からインド太平洋地域における米中競争についての報告書が出ておりました。(2020.11.12)
なかなか興味深い内容となっています。
インド太平洋地域における米国と中国の影響力を把握し、継続的に米国が優位に立つためにどうすべきかということを検討してみたという感じです。
今のところ、この地域においても軍事力的には米国の優位ではあるが、東南アジア諸国はやはり中国市場の大きさに代表されるように経済的には中国の影響というものを強く意識している。このため、中国からの恩恵が大きいと考えると、米国からより中国へ接近した対応が行われる可能性が強くなる。特に、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムといった地域ではその可能性が高いという感じですね。米国に対して面従腹背という状況になる可能性がどんどん高まってきている(すでにそうかもしれない)ということですね。。。
どの国も米国と中国のどちらかを選べという選択を突きつけられるのを避けたいわけで、是々非々で個々の対応を続けたいわけですが、そういう状況が許されなくなるようなタイミングも近く来るのかもしれません。。。
● RAND
・2020.11.12 (Research Briefs) U.S.-China Competition in the Indo-Pacific
・2020.11.12 (Research Reports) Regional Responses to U.S.-China Competition in the Indo-Pacific - Study Overview and Conclusions
・・[PDF] (156 pages)
・・Key Findings
- The United States and China have different strengths and approaches to competition
- The United States could work more effectively with allies and partners
・・Recomendations
・・[PDF]
中国の影響力は経済的であり、米国の影響力は外交と防衛となりますね。。。
・2020.11.12 Regional Responses to U.S.-China Competition in the Indo-Pacific - Japan
・・[PDF]
「東南アジアにおける日本との防衛および安全保障協力の強化を検討すべきである」「東南アジアの危機への対応に焦点を当てた人道支援と災害救援活動の計画と実行に日本と協力する」ということを米国政府に推奨していますね。。。
・2020.11.12 Regional Responses to U.S.-China Competition in the Indo-Pacific - Singapore
・・[PDF]
シンガポールをハブとして、豪州、インド、東南アジア諸国との協力関係を強化し、中国の政治的介入や影響力行使に対抗し、シンガポール政府と協力して中国の問題ある行動に抗議していくことが重要。
・2020.11.12 Regional Responses to U.S.-China Competition in the Indo-Pacific - Vietnam
・・[PDF]
米国政府は、量よりも質を重視したコミュニケーションをはかり、一帯一路に対抗するイニシアティブを立ち上げるべきだ、、、ということなのでしょうかね。
時間があれば引用文献も含めて読むべきなんでしょうかね。。。
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