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2020.10.15

日本公認会計士協会 監査基準委員会研究資料第1号「「監査上の主要な検討事項」の早期適用事例分析レポート」

こんにちは、丸山満彦です。

今回は、サイバーセキュリティではなく純粋な会計監査の話です。

上場企業に対する2021年3月決算に係る財務諸表の監査から監査報告書に「監査上の主要な検討事項」の記載が義務化されます。ただし、いつものごとく早期適用も認められますので、2020年3月期の監査報告書で「監査上の主要な検討事項」を既に記載している場合も出てきています。

「監査上の主要な検討事項」とは監査人が監査をする過程で監査上のリスクを感じ、慎重に監査を行った事項と言っても良いかもしれません。欧州系、つまり国際監査基準ではKey Audit Mattersと言われ、略してKAMと表記されることが多いです。米国は独自の路線?でPCAOBの基準では、Critical Audit Mattersと言われ、略してCAMと表記されます。個人的にはCAMが正確な表現だろうと思います。まぁ、好みの問題かもしれませんが。。。

監査上の主要な検討事項は、会計監査の透明化の一環と言われています。多様な企業に対する監査であるにもかかわらず、従来の監査報告書は標準文言に従ったもので、内容の違いといえば、会社名と日付くらいなもので、見事に同じ内容でした。しかし、監査人が監査の過程で監査リスクを感じ慎重に監査を行った項目を開示することにより、投資家等についても有益な情報を提供できるという考えがあるのは当然ですが、監査人のリスクの低減にも役立つのではないかと個人的には思っています。

日本では2021年3月期の監査報告書で義務化されますが、グローバルでみると出遅れ感満載の感じです。英国は2013年12月期の監査から始まっていますので、7−8年遅れです。ただ、この点については米国も遅く2020年12月期の監査からです。

今回、日本公認会計士協会から早期適用事例分析の報告書が公開されていますので、参考にされると良いですね。。。

日本公認会計士協会
・ 2020.10.12 監査基準委員会研究資料第1号「「監査上の主要な検討事項」の早期適用事例分析レポート」の公表について

 

■ 参考

● 金融庁
・2017.06.26 「監査報告書の透明化」について


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