米国 宇宙システムのためのサイバーセキュリティ原則
こんにちは、丸山満彦です。
米国が宇宙システムのためのサイバーセキュリティ原則を発表しています。発表から少し経っているので忘れないうちに、メモメモ・・・
・2020.09.04 Memorandum on Space Policy Directive-5—Cybersecurity Principles for Space Systems
軌道上のほとんどの宇宙船は予め設定された通信制御方法以外でのアクセスできないから、リモートでインシデントに対応する機能を含むサイバーセキュリティ対策が打ち上げ前に宇宙船の設計に統合されていることが重要となると指摘されていますが、その通りですね。。。
このため、開発のすべてのフェーズにサイバーセキュリティを統合し、ライフサイクル全体のサイバーセキュリティを確保することは、宇宙システムにとって重要と指摘していますね。。。
宇宙システムのためのサイバーセキュリティ原則
第一章 背景
第二章 定義
第三章 方針
地上システムに適用されるサイバーセキュリティの原則と実践は宇宙システムにも適用される。
第四章 原則
(a) 宇宙システムとそれを支えるインフラは、リスクベースのサイバーセキュリティ情報に基づくエンジニアリングを用いて開発・運用されなければならない。
(b) 宇宙システムの所有者及び運用者は、運用者又は自動制御センターシステムが宇宙機の積極的な制御を維持又は回復できるようにするための能力を組み込んだ宇宙システムのサイバーセキュリティ計画を策定し、 実施するべきである。
(i) 宇宙機の需要な機能への不正アクセスからの保護。
(ii) 宇宙機のコマンド、制御、及びテレメトリ受信システムの脆弱性を低減するように設計された物理的保護手段。
(iii) 信号強度監視プログラム、安全な送信機及び受信機、認証、又は効果的で有効性が検証され、試験された暗号化手段などの通信妨害及びなりすましに対する保護。
(iv) 計画的なサイバーセキュリティのベストプラクティスを採用することによる地上システム、運用技術、 情報処理システムの保護。 この採用には、内部者の脅威を含むシステムへのマルウェア感染や悪意のあるアクセスのリスクを低減するために、NISTのサイバースセキュリティフレームワークに沿った実践が含まれるべきである。
(v) 情報システム、アンテナ、端末、受信機、ルータ、関連するLAN及びWAN、電源などのシステム要素に対 して、適切なサイバーセキュリティの衛生習慣、自動化された情報システムの物理的セキュリティ、及び侵入検知方法を採用すること。
(vi) 製造された製品の追跡、信頼できる供給者からの調達の要求、偽造、詐欺、悪意のある機器の特定、その他の利用可能なリスク軽減手段の評価を通じて、宇宙システムのサイバーセキュリティに影響を与えるサプライチェーンのリスクを管理すること。
(c) 規則、規制、及びガイダンスを通じたこれらの原則の実施は、サイバーセキュリティのベストプラクティス及び行動規範の検討及び必要に応じての採用を含め、宇宙システムのサイバーセキュリティを強化すべきである。
(d) 宇宙システムの所有者及び運用者は、適用される法律で認められている範囲で、ベストプラクティスの開発を促進するために協力すべきである。 また、適用法に沿って、情報共有・分析センターのような場を利用して、可能な限り最大限に、宇宙産業内で脅威、警告、及びインシデント情報を共有すべきである。
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