日本銀行金融研究所 暗号資産とブロックチェーンの安全性の現状と課題 by 松尾真一郎
こんにちは、丸山満彦です。
日本銀行金融研究所のディスカッションペーパーに松尾先生が書かれた「暗号資産とブロックチェーンの安全性の現状と課題」が掲載されていますね。。。
● 日本銀行金融研究所
・2020.06.12 2020-J-8 暗号資産とブロックチェーンの安全性の現状と課題 by 松尾真一郎
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2008年のビットコインの論文の中心的な技術としてブロックチェーン技術が広く注目を集めている。ブロックチェーン技術にはセキュリティの向上の観点で大きな期待が寄せられている一方で、この技術が提供できるセキュリティの範囲については、研究が始まってまだそれほど経過しておらず、十分には解明されていない。本稿では、ブロックチェーンやそれを応用した暗号資産にまつわる安全性の現状と課題を考察する。まず、現時点で指摘されている攻撃とインシデントの実例をサーベイした上で、ブロックチェーン技術が提供するセキュリティの目標を学術的観点から整理する。そして、ブロックチェーンとそれを応用したシステムのセキュリティ設計を考えるためのレイヤーについて述べ、各レイヤーにおける主な研究課題を説明する。
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セキュリティレイヤーについては、「図表2 ブロックチェーンを利用したシステムのセキュリティレイヤー」で
- 運用レイヤー
- 実装レイヤー
- アプリケーションロジック
- アプリケーションプロトコル
- バックボーンプロトコル
- 暗号技術レイヤー
と整理しています。分かり易いです。
目次は
↓
1.はじめに
(1)背景
(2)本稿のスコープ
2.ブロックチェーン技術の概要
3.ブロックチェーンと暗号資産を巡る攻撃とインシデント
(1)既存の攻撃や脆弱性の実例
イ.暗号資産取引所におけるインシデント
ロ.プロトコルに対する攻撃の実例
ハ.実装の脆弱性の実例と対応
(2)ブロックチェーンに対する攻撃手法の例
イ.51%攻撃
ロ.その他の攻撃
4.セキュリティの 6 つのレイヤーと研究の現状
(1)ブロックチェーンを利用したシステムを支えるレイヤー
(2)暗号技術のレイヤー
イ.ハッシュ関数と電子署名
ロ.危殆化による影響の評価と対策
ハ.研究課題
(3)バックボーン・プロトコル
イ.セキュリティ目標に関する性質
ロ.その他の研究課題
(4)アプリケーション・プロトコル
イ.トランザクション処理
ロ.プライバシ保護
(5)アプリケーション・ロジック
イ.セキュリティ要件と各種の攻撃
ロ.研究課題
(6)実装レイヤー
(7)運用レイヤー
5.ブロックチェーン技術におけるトレードオフ
6.おわりに
参考文献
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