データの保全義務を負う範囲は限定できなかった。。。(Pippins v. KPMG LLP)
こんにちは、丸山満彦です。eDiscoveryを紹介するブログでしりました。。。 よく調べておられますね。。。今回の事例は、確かにそうだけど、訴えられたほうは結構つらいなぁ・・・という感じですね。。。
・2012.03.02 保全義務を負う範囲の限定は認められなかったケース:Pippins v. KPMG LLP.(ニューヨーク南地区地方裁判所 2012年2月3日)
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概要
本件は、四大監査法人KPMGの監査補助者であった元従業員が、被告KPMGに対して未払いの時間外労働賃金の支払いを請求し提訴した労働訴訟である。裁判手続の中で、原告は、公正労働基準法第261条に基づき集団訴訟に加わることのできる集団(クラス)の確定を申し立てるとともに、クラス該当者である何千もの元従業員の情報を含む大量のハードドライブの保全を要求した。
これに対し、被告は、該当するハードディスクは2500以上あり、これを保全するためには150万ドル(約1.18億円)のコストがかかることを主張して、裁判所に対して、保全義務の範囲を、不作為に選択された100のハードドライブのみに限定するよう保護命令を申立てた。しかし、裁判所はこれを退け、存在する全てのハードドライブを保全するよう命令したため、さらに被告が合衆国ニューヨーク南地区地方裁判所へ上訴した。
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参考サイト
・裁判所の判断
関連情報(英文)
●Electronic Discovery
・2012.02.07 Breaking News: Pippins Court Affirms Need for Cooperation and Proportionality in eDiscovery – Electronic Discovery
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Comments
丸山 様
夏井です。
ごく普通の判断だと思います。
日本の法律家が甘すぎるというか勉強不足すぎるだけのことではないでしょうか?
Posted by: 夏井高人 | 2012.03.12 08:14
夏井先生、コメントありがとうございます。
はい、しごく当然な判断であります。
Posted by: 丸山満彦 | 2012.03.12 22:54