政令改正? 原発へのサイバー攻撃対策
こんにちは、丸山満彦です。サイバー攻撃に備えて、原発を制御するコンピューターシステムを外部のネットワークから遮断するよう、政令?を改正するという話もでているようですね。。。
外部のネットワークから物理的に分離したからといって、攻撃ができないわけではないのですが、守るべきポイントが限定されやすいので、守りやすくはなりますね。。。
■NHK
・2011.11.15 原発事故教訓にテロ対策強化へ
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政府は、・・・テロリストによる攻撃を想定し、原子炉を冷却するための非常用の電源を新たに防護対象とするなど、原発へのテロ対策を強化することになりました。
・・・非常用の電源や海水ポンプを新たに防護対象とし、事業者に対し、壁などで覆うとともに、外部からの侵入に備えて監視を強化することを義務づけるとしています。・・・サイバー攻撃に備えて、原発を制御するコンピューターシステムを外部のネットワークから遮断することも規定するとしています。会合で、藤村官房長官は「・・・、テロリストによる妨害・破壊活動などでも発生しうるもので、対策を強化していく必要がある」と述べました。政府は、政令や省令の改正を進め、緊急性の高い対策は今年度中に講じるよう事業者に求めることにしています。
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■日経新聞
・2011.11.14 原発、警察常駐で非常電源警備 テロ対策強化を決定
■朝日新聞
・2011.11.14 原発テロ対策強化へ=電源・冷却設備も防護―政府
■読売新聞
・2011.11.15 原発へのサイバー攻撃対策 政令改正へ
■毎日新聞
・2011.11.14 原子力関連施設:テロ対策を強化--政府方針
■産経新聞
・2011.11.14 原発テロへの備え強化 政権交代後初めて対策本部
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・・・来年3月までに原子炉規制法に基づく省令の改正を目指す方針を確認した。・・・
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Comments
丸山 様
夏井です。
原発だけではなく,重要施設は全てインターネットから切り離さないと駄目です。インターネットベースのスマートグリッドは特に厳禁です。インターネットベースのパブリッククラウドも必ずハックされ壊滅しますので絶対駄目です。
唯一の防御手段は,インターネット(TCP/IP)を捨てることです。
以上のことはサイバー法ブログで随分以前から何度も書いてきたことなんですが,内閣府はどうして今まで何も手を打たなかったのでしょうか?
現在の状況下では通常の情報セキュリティの考え方は全く通用しません。私見である「戦時と平時が常に共存する状況」の理論だけが唯一意味のある理論です。
Posted by: 夏井高人 | 2011.11.17 23:22
丸山 様
夏井です。
米国政府がサイバー攻撃によるものと判定した発電プラントへのサイバー攻撃事例が報道されていたので,私のブログに書いておきました。
http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-e128.html
Posted by: 夏井高人 | 2011.11.19 09:30
夏井先生、コメントありがとうございます。
軍や自衛隊、金融機関の決済のネットワークなど、必要なところで専用のネットワークはすでにありますよね。。。
これだけ危険とわかっているのに、その危険性を十分に検討せずに、無邪気にインターネットベースのネットワークで重要インフラを構築しようというのは、どういうことでしょうね。インターネットが通信手段として向いているものも多いですが、向いていないものも当然あるというあたりまえのことなんですけどね。。。
Posted by: 丸山満彦 | 2011.11.19 15:42