クラウドの普及が進めば、消費者視点への転換が必要???
こんにちは、2010.12.22にジャパン・クラウド・コンソーシアムの設立総会がありましたね。
ところで、今朝の経団連の「経団連情報通信政策担当」のツイッターに以下のような発言ありましたが、どうでしょうか。。。
・2010.12.24 10時ちょっと前
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クラウドの普及が進めば進むほど顧客視点、企業視点から消費者視点への転換が必要。日本のモノ造りノウハウをクラウドに活かすことが重要。究極は日本の御用聞き文化。
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●疑問1
・クラウドの普及と消費者視点への転換は矛盾なく進めることはどこまで可能なのか?
スーツを誂える人は0ではないが、そんなに多くはない。大多数は、つっているスーツをちょっと直して買っているのではないか?
その理由の多くは値段ではないか?値段が安いスーツは、日本製ではなく、発展途上国製ではないか?
●疑問2
消費者視点という意味では、少なくとも
・消費者の持っている情報が完全でかつ
・消費者の判断力が正しければ、
「御用聞き文化」というのはわかりやすいが、
本当にそうなのか?
●疑問3
日本のモノ造りノウハウをクラウドがどこまでクラウドに活きるのか?
お正月の宿題ですかね。。。
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Comments
丸山 様
夏井です。
この「つぶやき」の意図するところはちょっとわかりにくいですね。たぶん,ちゃんと咀嚼・理解した上でのつぶやきではないからでしょう。
パブリッククラウドに関して「消費者保護的視点」を導入すべきだとの考え方は,私が世界で最初に発案したものです。
情報ネットワーク法学会のパネルディスカッションに登壇するのに先立ち,この考え方の健全性を検証するため,パブリッククラウドの関係の世界のトップ研究者(複数)と意見を交換しました。その上で,公表しても大丈夫だし,いずれ世界の趨勢になると信じてこの考え方を日本で初めて情報ネットワーク法学会のパネルディスカッションで披露しました。
ポイントは,消費者保護「的」な視点であるという点です。
企業利用者は,消費者ではありません。しかし,パブリッククラウドでは,個人としての消費者だけではなく,どんな超大企業であっても全ての企業利用者を消費者と同じ立場にあるものとみなさなければなりません。
私は,消費者保護という用語が不適切だと思い,利用者保護としてとらえるとこうことを提案しました。
この利用者保護(消費者保護的)という視点において重要なことは,消費者契約におけるのと同様,パブリッククラウド利用契約では,利用者にとって一方的に不利益な約款条項を無効として扱うということが最も重要な提案となっています。
利用者保護(消費者保護的)視点において重要な部分は上記のとおりですので,この点を曖昧にしたまま「モノづくり」といった本来ベクトルの異なる方向に議論をゆがめてはなりません。あくまでも法的論点として議論を尽くすべきです。
ただし,利用者保護的視点で議論するといっても,様々なくだらない(非常に人間的すぎる)原因により,日本ではなかなか議論になりにくいかもしれませんね。
それでも,今後,世界は私見をベースとする方向で進むでしょう。このベクトルをゆがめることは不可能です。ですから,結果として,またまた日本だけが孤立して取り残されるような状況になってしまうかもしれませんね。
せっかく日本が世界をリードできるように正しい提案をし続けているのに,それを正確に理解することができるだけの十分な能力をもった人材が乏しすぎるというのが現在の日本の置かれた現状です。
Posted by: 夏井高人 | 2010.12.24 13:16
夏井先生、コメントありがとうございます。
なるほど、私は、
・消費者のニーズに合わせたクラウドの開発が必要
というように受け取ったんですね。
でも、夏井先生が以前からおっしゃっているように、
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企業利用者は,消費者ではありません。しかし,パブリッククラウドでは,個人としての消費者だけではなく,どんな超大企業であっても全ての企業利用者を消費者と同じ立場にあるものとみなさなければなりません。
私は,消費者保護という用語が不適切だと思い,利用者保護としてとらえるとこうことを提案しました。
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というのであれば、納得です。
それで、経団連も
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消費者契約におけるのと同様,パブリッククラウド利用契約では,利用者にとって一方的に不利益な約款条項を無効として扱う
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という法制度を整備しよう!という提案をしていくのは、よいことだと思います。
おそらく、世界的視点で考えると大多数の企業(もちろん、日本でも)が利用者になるわけで保護の対象となるわけですから!
Posted by: 丸山満彦 | 2010.12.24 17:12