クラウド時代は大失業時代?
こんにちは、丸山満彦です。夏井先生が以前から言われていることですが、クラウド時代になると集中化が進むわけですから、仕事が減りますよね。。。
たとえば、10企業にそれぞれ10名のシステム運用者がいたとしますよね。。。合計100名です。クラウドになると、たとえば、企業のシステム運用者は2名くらいになって、クラウド事業者に20名くらいのシステム運用者がいるようになるとしますよね。合計40名です。
とすれば、60名は仕事がなくなるわけですよね。。。
クラウド、クラウドと騒いで、一時は時代を謳歌するかもしれませんが、そのあとには大リストラが待っているのかもしれませんね。。。
これは、会計士業界でも同じ(これも夏井先生がご指摘ですが。。。)ですよね。国際会計基準、国際監査基準で監査をするようになれば、監査は日本の公認会計士でなくてもよいという時代になるかもしれませんね。。。(資格のコンバージェンスが必要かもしれませんが。。。)
こうなってくると、実力の時代ですから、会社や国にぶら下がってなんとかやっていこうというのは難しくなりますよね。。。
お金は指数関数的に増えますので、貧乏人と金持ちの差はどんどん開いていくということになりそうです。。。
ということで、クラウド時代は。。。というお話でした。
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Comments
丸山 様
夏井です。
二回も私見をご紹介いただき恐縮です。
私見とは言っても,本当は経済学的には常識の一部です。それゆえ,「こういうことに思い至らない人は常識がない人だ」と即座に判定することができます。
ちなみに,クラウドを導入すれば人件費が大幅削減になるという意味でコスト削減になりますが,削減された労働者は要するに消費者でもあるわけで,世界規模でクラウドが大規模導入されることにより労働者=消費者の解雇が大規模に発生すると,結局,社会の中の需要というものが一気にゼロになり,経済は崩壊します。つまり,経営者も失業することになります。
経営の世界ではコスト削減ばかり声高に主張されていますが,実はコストが高いことが雇用を支えており,それによって内需というものが構成されています。その逆に,低コスト社会とは,ボロボロに崩壊した最悪の社会だということになります。このことを正しく理解しなければなりません。これまた経済学的には常識に属するので,このことを理解できない人は,「常識がない人だ」と即座に判定することができます。
なお,こういうことを言うとすぐに「国際競争力」云々と反論されることが多いです。たしかにそれはそのとおりです。しかし,長い目で見なければならない。そして,長い目で見た場合,完全な自由貿易主義など本当は幻想に過ぎないということに気づくべきでしょう。
国民を食わせることのできない国では自由貿易など何の意味もありません。単に奴隷化のための環境を設定・維持するための装置の一つとして機能するだけです。
観念論的な自由貿易主義は捨てて,現実を踏まえ,最大限でも米国やEUのような制限された自由貿易主義でいくべきだろうと思います。その基本は,包括合意ではなく,相互主義ということになると思います。WTOの枠組みは,本当は,日本だけではなく米国にとってもEUにとっても損することばかりです。
Posted by: 夏井高人 | 2010.07.26 14:07
夏井先生、コメントありがとうございます。この話は、机上の空論ではなくて、実際にクラウドサービスを開始した事業者の企画をしている人の話ですから現実の話です。。。
当たり前ですけどね。。。
自由貿易論や自由経済論というのは逆に机上の空論だと思っています。
経済学というのは一種のモデル計算の話であって、現実の一側面を説明するためのモデルにしかすぎません。完全な自由競争市場なんていまだかつて世の中に存在したことなんてないのではないでしょうかね。。。
自由貿易も現実には実現する可能性は0であるし、食糧自給率の100%達成が困難で、天然資源もない国が自由貿易といっても結構むなしい現実がまっているだけですよね。そもそも、米国もEUも自由貿易なんて表向きはいっているかもしれませんが、日本以上に保護貿易志向だと思います。。。国益に都合のよいところだけ、自由貿易といっているんですよね。。。
クラウド化社会というのは、総バラ色社会ではなく、一部はバラ色だけれども大部分は灰色で、格差が広がっていくような気がしています。
Posted by: 丸山満彦 | 2010.07.27 07:25