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2010.05.12

内閣官房 新たな情報通信技術戦略 (国民ID制度など)

 こんにちは、丸山満彦です。「新たな情報通信技術戦略」が確定したようですね。。。
 それが良い政策かどうか多少気になる点がないわけではないですが、国民、政府等が納得できる形で実行できるかどうかです。
 私も、「いくらいいことをいっても、実行されなければ意味がない」といつも上司に言われています(笑)。

 
■内閣官房
・2010.05.11 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(第53回)議事次第

 ・・資料: 新たな情報通信技術戦略(案)
 ・・参考資料1: 新たな情報通信技術戦略(骨子案)に関するパブリックコメント結果について
 ・・参考資料2: 国民主権の社会を確立するための新たな情報通信技術戦略(案)
 ・・参考資料3: 本部員提出資料


 新たな情報通信技術戦略(案)の目次っぽいもの

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Ⅰ.基本認識
Ⅱ.3つの柱と目標
 1.国民本位の電子行政の実現
 2.地域の絆の再生
 3.新市場の創出と国際展開
Ⅲ.分野別戦略
 1.国民本位の電子行政の実現
  (1) 情報通信技術を活用した行政刷新と見える化
   ⅰ)これまでの情報通信技術投資の総括とそれを教訓とした行政刷新
   ⅱ)行政サービスのオンライン利用に関する計画の策定
   ⅲ)行政ポータルの抜本的改革と行政サービスへのアクセス向上
   ⅳ)国民ID制度の導入と国民による行政監視の仕組みの整備
   ⅴ)政府の情報システムの統合・集約化
   ⅵ)全国共通の電子行政サービスの実現
   ⅶ)「国と地方の協議の場」の活用
  (2) オープンガバメント等の確立
   ⅰ)行政情報の公開、提供と国民の政治決定への参加等の推進
   ⅱ)行政機関が保有する情報の活用
 2.地域の絆の再生
  (1) 医療分野の取組
   ⅰ)「どこでもMY病院」構想の実現
   ⅱ)シームレスな地域連携医療の実現
   ⅲ)レセプト情報等の活用による医療の効率化
   ⅳ)医療情報データベースの活用による医薬品等安全対策の推進
  (2) 高齢者等に対する取組
   ⅰ)高齢者等に対する在宅医療・介護、見守り支援等の推進
   ⅱ)高齢者、障がい者等に優しいハード・ソフトの開発・普及
   ⅲ)テレワークの推進
  (3) 教育分野の取組
  (4) 地域主権と地域の安心安全の確立に向けた取組
   ⅰ)地域の活性化
   ⅱ)災害・犯罪・事故対策の推進
 3.新市場の創出と国際展開
  (1) 環境技術と情報通信技術の融合による低炭素社会の実現
   ⅰ)スマートグリッドの推進と住宅やオフィスの低炭素化
   ⅱ)人・モノの移動のグリーン化の推進
   ⅲ)情報通信技術分野の環境負荷軽減
  (2) 我が国が強みを持つ情報通信技術関連の研究開発等の推進
  (3) 若い世代の能力を活かした新事業の創出・展開
   ⅰ)デジタルコンテンツ市場の飛躍的拡大
   ⅱ)空間位置情報サービスその他の電子情報を活用した新市場の創出
   ⅲ)高度情報通信技術人材等の育成
  (4) クラウドコンピューティングサービスの競争力確保等
  (5) オールジャパンの体制整備による国際標準の獲得・展開及び輸出・投資の促進
   ⅰ)アジア太平洋地域内の取組
   ⅱ)国際物流における貨物動静共有ネットワークの構築
   ⅲ)情報通信技術グローバルコンソーシアムの組成支援
   ⅳ)情報通信技術による公共調達市場の拡大
 4.安全・安心な情報セキュリティ環境の実現
 5.政治活動に関する電子化
  (1) 選挙運動におけるインターネットの活用
  (2) 電子投票 
  (3) 国会活動における電子化
Ⅳ.今後の検討事項
 1. 実施体制の確立
 2.情報通信技術の利活用を阻む既存の制度等の徹底的な洗い出し


●国民ID制度関係
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ⅳ)国民ID制度の導入と国民による行政監視の仕組みの整備
 社会保障・税の共通番号の検討と整合性を図りつつ、個人情報保護を確保し府省・地方自治体間のデータ連携を可能とする電子行政の共通基盤として、2013 年までに国民ID制度を導入する。
併せて、行政機関による運用やアクセスの状況を監視する第三者機関の創設、公的ICカードの整理・合理化を行う。また、インターネットを通じて利便性の高いサービスを提供するため、民間IDとの連携可能性を検討する。
さらに、各種の行政手続の申請等に際して、既に行政機関が保有している情報については、原則として記載・添付が不要となるよう行政機関における適切な情報の活用を推進するとともに、行政機関が保有する自己に関する情報について、国民が内容を確認できる仕組みを整備する。【内閣官房、総務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省等】
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●クラウド関係
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(4) クラウドコンピューティングサービスの競争力確保等
【重点施策】
○ 国民利便性向上及びユーザー産業の高次化に資するクラウドコンピューティングサービスの競争力確保のため、データ利活用による新産業創出、データセンターの国内立地の推進、関連技術の標準化等の環境整備を集中的に実施する。
【具体的取組】
次世代クラウドコンピューティング技術の開発、複数のクラウドコンピューティングサービス間における相互接続・運用性の確保、クラウド利用のためのガイドライン等の利用環境の整備、データセンターの立地環境整備等について、関係府省が連携して推進する。特に、高効率なデータセンターの国内立地促進のため、特区制度の創設も視野にコンテナ型データセンターの設置に係る規制の緩和などを2010 年度中に検討する。【総務省、経済産業省】
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●電子投票関係
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(2) 電子投票
有権者による投票権の行使を容易にするための電子投票の促進。
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●ロボット関係
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(2) 我が国が強みを持つ情報通信技術関連の研究開発等の推進
【重点施策】
○ 我が国が強みを持つ情報通信技術関連の研究開発を重点的に推進し、早期の市場投入を目指す。
【具体的取組】
今後、世界的な成長が期待され、我が国が強みを有する技術分野(新世代・光ネットワーク、次世代ワイヤレス、クラウドコンピューティング、次世代コンピュータ、スマートグリッド、ロボット、次世代半導体・ディスプレイ等の革新的デバイス、組込みシステム、三次元映像、音声翻訳、ソフトウェアエンジニアリング等)を特定して集中的に研究開発を行うとともに、国際的なパートナーシップの下で国際標準(デジュール及びデファクト)の獲得や知的財産の活用につながる知的財産マネジメントを推進する。さらに、多様なユーザーニーズに応える革新的なコンピューティング環境の開発・整備を推進するとともに、情報通信技術に係る最先端の研究を行い、海外から有能な教員等を呼び込める高等教育機関を強化する。【内閣官房、総務省、文部科学省、経済産業省等】
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Comments

丸山 様

夏井です。

いちど現実に破綻してみなければ何が問題であるのかがわからないほど想像力の乏しい愚かな人間にはなりたくないものですね。(笑)

Posted by: 夏井高人 | 2010.05.12 at 18:47

夏井先生、コメントありがとうございます。本当にわかっていなくてそうなっているのであれば、「悲しい」出来事ですが、意図的にそうしているのであれば、「腹立たしい」出来事という場合もありますね。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2010.05.13 at 08:45

丸山 様

夏井です。

みんな誰でも「お金」が欲しいですし,仲間はずれにされたくないですからね。(笑)

ちなみに,非常に巨大なパブリッククラウドが全世界的に支配的な地位を占めてしまった場合(現実的には,米国の数社だけで世界をほぼ完全に支配可能と思われます。),その会社と契約している監査法人だけが生き残り,あとは必要なくなってしまいますね。

なにせ,パブリッククラウドの利用者(企業)の側で利用可能な監査証跡は(利用者側でパブリッククラウドに対する統制を確保することができない以上)仮想データだけということになってしまいますし,そのような仮想データに基づく監査報告書など紙くずよりも価値のないものになってしまいます。

そういうわけで,利用者の監査は,パブリッククラウドの側の監査に依存せざるを得ない状況が発生することになるでしょう。そして,パブリッククラウドを経営する会社が米国にある場合,日本を含む非米国の監査法人の出番は一切ないわけですから,結局,米国以外の国の監査法人は簡単に全滅という事態が発生します。そして,日本の監査法人が消滅すると,日本の公認会計士の大部分が失業ということになります。

日本の公認会計士の方々は,このようなカラクリまたは世界戦略の一種が現に存在しているということをご理解なのでしょうか?

考える視点はきわめて簡単です。それは,パブリッククラウドの利用者の側には「統制」がなくなってしまうという当然の事実を認識するかどうかだけです。

Posted by: 夏井高人 | 2010.05.13 at 10:42

夏井先生、コメントありがとうございます。パブリッククラウドを利用している会社の監査の場合ですが、今後、先生の考えているような懸念はあります。SAS70という委託先の外部監査報告書を利用することも考えられるのですが、必ずしもそれで100%カバーできるわけではないので、かなりの懸念はありますよね。一応、その点は課題として認識はされていますが、切迫感はないと思います。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2010.05.14 at 08:52

丸山 様

夏井です。

非常に巨大なパブリッククラウドでは,本来なら利益相反となりそうな事柄でも全部仮想化されて見えなくなってしまう可能性があります。また,本当は解決不能な利益相反や違法状態などが見えていても,「見えない」ということにしないとビジネスが成立しなくなってしまう可能性もあります。そこで,虚偽の内部統制が常態化する危険性がかなり高いです。

まじめに内部統制を実施すると,たぶん,パブリッククラウドとしてのビジネスが成立しないか,または,利益率が著しく低下するか,または,赤字が常態化するかのいずれかになるということにならざるを得ないだろう思います。

したがって,非常に巨大なパブリッククラウドにおいては,SAS70に基づく監査では,適正な評価がほとんどできないことは最初から明らかですね。

このことは,きちんと説明されれば中学生や高校生でも理解できる極めて簡単なことです。もし理解できないのだとすれば,公認会計士としてよりも社会人としての基本的能力の程度を疑いたくなってしまいます。もちろん,「頭では理解できるけれども,立場上または心情的に絶対に賛成しない」という人もあるでしょう。それはそれで精神的自由の一部かもしれませんが,私は,そのような態度は正義に適っていないと思っています。

そして,もし米国連邦政府がSAS70のもつ本質的な欺瞞性に気づいたならば,当然,何らかのアクションがあるだろうと予測しています。

結論として,「非常に巨大なパブリッククラウドというビジネスを成立させてはならない」ということになるわけです。

Posted by: 夏井高人 | 2010.05.14 at 16:53

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