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2010.04.26

夏井先生の意見は一見過激のように見えるが、冷静になって検討する必要がある。。。

 こんにちは、丸山満彦です。夏井先生が、「もしサイバー犯罪者によってGoogleのシステムの支配が奪われたら」というトピックスを2010.04.24に書いています。「法的責任を果たす能力を相対的に喪失してしまうほどに巨大化した企業は,法人格主体としては(法的義務を履行する能力を最初から欠いているという意味で限定責任能力者的な存在であると理解した上で)基本的には法人格を否定されるべき存在であると認識することが重要だ。
」という主張をしていますが、これは冷静になって検討する必要があるのではないかと思います。
 

 
 一見過激なようにも思いますが、これは検討する価値がある話だと思います。経済的な担保がある程度なければ、社会的にも大きな問題となりえますね。。。これは、授業料を前払いでもらっていた英会話スクールの倒産の問題を考えればわかりますし、金融機関では一定の資本的な裏付けがなければならないことがバーゼル等で決まっていますね。。。

 夏井先生の説は、たとえば「デジタル化せずにほってもらう権利」といったように当初は過激な話のように思えることも、いずれはなるほどと思わせるような説が多いです。
 私たちが、現実にとらわれて、知らず知らずのうちに一定のフィルターを通じて世の中を見がちになるのに対して、夏井先生は論理的に考えたらどうなるということを冷静に検討する能力があるように思います。。。
 
 この夏井先生の姿勢は見習う必要があると思います。もちろん、現実に落とし込む場合は、利害関係者の理解を促進することも含めてそれぞれの現状に応じて、対策をしていく必要はありますが。。。

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Comments

丸山 様

夏井です。

自分ではぜんぜん過激ではなく,世界ではむしろ常識に近いことを日本語で述べているだけだという認識なんですが,どうもそのようには受け止められないことが多いですね。私の不徳のいたすところです。

ところで,経済現象の場合,現実に血が流れるわけではないし,死体がころがるわけでもないので認識しにくい面はあります。しかし,本質的には生存競争だけで成立しているという点において戦争や侵略と何ら変わるところがありません。形式的に合意ベースで行われている場合でさえそうで,欧州における戦争では常に談合が存在していました。日本の戦国時代でもそういうことがあったのでしょう。

そのように,一見異なる事象のように見えてしまうことでも共通要素があればくくりだして考えてみるという発想方法は,植物学や法学の世界ではこれまた基礎中の基礎です。それができない人は,植物学者としても法学者としても完全に落第です。そして,共通部分を差し引いた「差分」をどのように理解し分析し洞察するかによって,その人の業績の良し悪しが決定されるものだろうと思います。このことはモデリングの場合でも同様で,いかに正確に重なる部分と重ならない部分とを識別しながらわかり易い「ベン図(集合の概念図)」を書けるかという点を無視したモデリングは,ほぼ虚構です。

日本では,戦後の経済成長の過程で,知識を覚える秀才が重視されました。確かに,知識は重要です。しかし,知識の蓄積だけでは決して洞察には至りません。共通部分と差分とを選り分ける能力が最も重要だと理解しています。

Posted by: 夏井高人 | 2010.04.27 at 22:43

夏井先生、コメントありがとうございます。勝手に夏井先生の話を持ち出してすみません。クラウドとか、はやり物を意図的につぶそうとかそんな気はないんです。かと、いってそれに無条件にのってしまおうという気もない。
何事にも良い面もあれば悪い面もある。良い面は伸ばせばよいし、悪い面はそれに対する対応を考えればよい。でも、良い面ばかり強調して、悪い面はうやむやにしてしまうというのは良くない。
リスクというのは可能性をいえばいくらでも可能性はあるので、きりがないのですが、最悪の事態というのは常に考えることが重要だと思っています。それを一企業だけでなんとかできるのであれば、問題はありません。しかし、一企業ではどうしようもなく、社会全体として考える場合は、法律などの対策も検討しなければならない。そういうことだと認識しています。
物事を考える場合の視点としての共通要素をくくりだして差分を洞察することが、基本中の基本というのは同意ですね。植物の分類なども大学時代に学びましたからそう思うのかもしれませんが。。。
政府関係のクラウドの委員会にでていても、クラウド特有の部分を抜き出すという作業が重要といっても、なかなかそうはならなかったりでいらいらした経験というのも最近ありますね。。。でも、まぁ、私としては、自分が正しいということをコツコツと考えて伝えていくことが大切だと思っています。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2010.04.28 at 10:15

丸山 様

夏井です。

カテゴライズや分類という作業は、当然、評価という要素が入ります。そして、それは本質的には自然科学ではありません。にもかかわらず、ITというと自然科学分野の人間が専門家だと信じられており、かつ、自然科学だけで食っている人間はカテゴライズや分類に関する限り素人ですので、恐るべきミスマッチが生じてしまっているのだろうと思います。

現代は、明治時代ではありません。

明治時代にカテゴライズされた学問体系の分類を根本から破壊し、それまでの学問分野における権威を一度ゼロにリセットした上で、学問体系全体を構築し直さない限り、この問題が解決することはないでしょう。

しかし、利害関係があまりにも濃厚にからみすぎているので、現実的には無理な話ですね。

というわけで、ひとり草花を眺め、小さな花を愛でながら暮らす生活を続けることします。

Posted by: 夏井高人 | 2010.04.28 at 14:28

夏井先生、コメントありがとうございます。「明治時代にカテゴライズされた学問体系の分類を根本から破壊し、それまでの学問分野における権威を一度ゼロにリセットした上で、学問体系全体を構築し直」すというのは私も必要だと感じています。情報ネットワーク法学会だって、そういう意図も含めて学会として発足したように記憶しています。一部の大学では、過去にカテゴライズされた学問体系を超えた枠組みで学部を作ったりしているようなところもあるようですが、実質的にはマイナーな位置づけとなっているように思います。そもそも、既存の学会を破壊しなければならないのですが、なかなか難しいのかもしれません。実は私の大学も学科レベルでは再編されました。ということで、同窓会が再編された時を境にとまっているという状況になりますね。。。まぁ、それもよし。
「ひとり草花を眺め、小さな花を愛でながら暮らす生活を続けることします。」ずるいなぁ。。。私はもう少し働いてからそういう生活を送ることを考えています。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2010.04.28 at 15:25

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