« これはまずい。。。ケータイ脳が大手SI屋にまで侵蝕、SI屋のセキュリティ部隊は自社の統率を@高木さんのブログ | Main | 公認会計士協会 経営研究調査会研究報告第40号「上場会社の不正調査に関する公表事例の分析」 »

2010.04.19

そんなことが論点ですか。。。「「国民ID」はIT市場に特需をもたらすか」ITProの記者の眼

 こんにちは、丸山満彦です。社会保障・税共通の番号制度(いわゆる「国民ID」)の導入について、住基ネット以上に政府と国民の緊張のある議論にならないといけないように思うのですが、「特需」になるかどうかが論点ですか。。。

■ITPro
・2010.04.19 「国民ID」はIT市場に特需をもたらすか

 
この記事は二重の意味で悲しい・・・

・政府が個人情報をリンクが容易な状況で一元的に取り扱える状況下で、国民は政府をどのように監視できるのか?
・投資効果がどの程度あるのかという議論もなく、単に「制度変更による需要がでそうでよかった」みたいな。。。

見識!

|

« これはまずい。。。ケータイ脳が大手SI屋にまで侵蝕、SI屋のセキュリティ部隊は自社の統率を@高木さんのブログ | Main | 公認会計士協会 経営研究調査会研究報告第40号「上場会社の不正調査に関する公表事例の分析」 »

Comments

掲載されている場所がITProなので、商売になるかどうかという話が主眼になるのはしょうがないとは思うのですが、なぜ、リスクにも目を向けないのでしょうか。

国民のプライバシー保護についての問題と、それに付随して、(日本人がそこまで頑張れるかどうかは疑問ですが)投資をしても反対が大きすぎて、結局導入されなかった場合、投資した金額は丸損です。

厚生労働省の第5回 社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会(2007年12月21日開催)の議事録でも、オーストラリアのアクセスカードについての例(長らく行政側と、市民、Privacy Commissionerの間で論争が続いていました。)を挙げ、懸念が表明されています。このようなところまで踏み込んで調査する姿勢が必要なのではないでしょうか。

Posted by: senryo | 2010.04.21 11:39

senryoさん、コメントありがとうございます。
そうなんですよね。。。あまりにも、浅すぎるんですよ。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2010.04.21 23:05

その一方で、メリットを国民に認識できるようにはっきりさせてほしい、というのもありますね。

むしろ、実際は、プライバシは、利用するかどうかの行動に、あまり影響を与えないのだという研究成果をあとすこしで発表します。

その一方でプライバシだけを取り出して議論すると、実際の利用行動とは別個にリスクは高いものというのを前提に議論するわけです(プライバシ・アドブォケイトの例)。ただしいリスクアプローチがとれません。プライバシ保護者が過剰な保護にいくのは、このような原理的な根拠があります。

正しいリスクアプーチのもと、国民IDというイノベーションをちゃんと受容してもらうために、どうすべきかというのが、制度設計者の知恵になりますし、メディアもそのようなニュートラルな伝え方(プライバシ・アドブォケイトのアプーチではなく)が望ましいと考えています。

Posted by: 高橋郁夫 | 2010.04.23 09:34

高橋先生、コメントありがとうございます。

=====
正しいリスクアプーチのもと、国民IDというイノベーションをちゃんと受容してもらうために、どうすべきかというのが、制度設計者の知恵になりますし、メディアもそのようなニュートラルな伝え方(プライバシ・アドブォケイトのアプーチではなく)が望ましいと考えています。
=====

その通りでございます!!!!!

Posted by: 丸山満彦 | 2010.04.23 19:21

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference そんなことが論点ですか。。。「「国民ID」はIT市場に特需をもたらすか」ITProの記者の眼:

« これはまずい。。。ケータイ脳が大手SI屋にまで侵蝕、SI屋のセキュリティ部隊は自社の統率を@高木さんのブログ | Main | 公認会計士協会 経営研究調査会研究報告第40号「上場会社の不正調査に関する公表事例の分析」 »