DNA誤登録で別人に逮捕状
こんにちは、丸山満彦です。警察庁が管理するDNA型データベースに他人の情報を誤って登録していたので、窃盗事件と関係のない男性の逮捕状や捜索令状を取っていたようですね。。。
人間のすることですからミスはつきものですね。。。ミスがある前提で制度を考えないとだめですね。。。
●日経新聞
・2010.03.10 DNA誤情報で逮捕状 神奈川県警、無関係の人に
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警察庁が管理するDNA型記録検索システムに誤った情報が登録され、神奈川県警が1月、窃盗事件で誤情報に基づいてDNA型が一致したと判断し、無関係の男性の逮捕状と家宅捜索令状を取っていたことが20日、県警への取材で分かった。県警は原因を調査中だが、過去の事件で検体を取り違えて情報を入力した可能性が高いという。
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●朝日新聞
・2010.03.20 検体採取の警察署で取り違えか 神奈川県警DNA誤登録
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DNA型データベースに登録された誤ったDNA型情報などをもとに、神奈川県警が窃盗事件とは無関係の男性の逮捕状を取り、家宅捜索もした問題で、県警は20日、この男性の検体を最初に採取した警察署の段階で、別の検体と取り違えていた可能性が高いことを明らかにした。県警は「既に2月から、取り違えの再発防止策を導入している」と説明している。
(略)
県警によると、今回、誤って捜索を受けたのは横浜市在住の30代の男性。この男性は2007年10月、同市神奈川区でひき逃げ事故を起こした。この際、事故を捜査した警察署は、DNA型を鑑定するための検体を男性から採取し、鑑定を担当する県警科学捜査研究所に送った。だが、当時の署員の証言などから、この時点で別人の検体をこの男性の検体として送った可能性が高いという。
綿棒で人間の口から採取された検体は、警察署で複数の検体と一緒に乾燥させてから封筒に入れ、名前を書く。これらの作業は署員1人が行っており、この段階で取り違えが発生したとみられる。この男性の本来の検体は鑑定されておらず、廃棄された可能性もあるという。
県警は2月から、検体を採取する際に乾燥させる必要がない新しい綿棒を導入するなど、再発防止策を進めているという。
県警の常盤一夫・刑事総務課長は「DNA型情報だけで逮捕することはありえない」とした上で、「大変申し訳ない。調査は現在も続けており、結論が出れば、間違えた男性に謝罪したい」としている。
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●読売新聞
・2010.03.20 DNA検体誤登録、別人に逮捕状・捜索令状
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神奈川県警が、警察庁が管理するDNA型データベースの誤った情報をもとに、窃盗事件と関係のない男性の逮捕状や捜索令状を取っていたことが20日、県警への取材でわかった。
データベースには、別人のDNA型が男性のものとして登録されていた。県警が別の事件で採取した鑑定用の検体を登録する過程で、取り違えた可能性が高いという。
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●毎日新聞
・2010.03.21 神奈川県警のDNA誤情報:採取時、記名せず 男性の検体は廃棄か
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神奈川県警が1月、誤って登録したDNA型データベースを基に窃盗事件とは無関係の男性の逮捕状を取り、家宅捜索した問題で、県警神奈川署が男性とは別人のDNAを採取した際、別人の氏名を記録せず、男性のDNAと取り違えた可能性の高いことが20日、県警への取材で分かった。県警は、同署が検体を県警科学捜査研究所(科捜研)に送る際、別人のDNA入りチューブに男性の名前を付けたとみている。
(略)
同署のDNA鑑定は鑑識係が担当。DNA採取は、綿棒を口腔(こうくう)内に入れて唾液(だえき)を採取し、本人に記入させた専用チューブに入れる。鑑定の際に係員が鑑定嘱託簿に名前を記入するという。県警は、複数の綿棒やチューブを扱う過程で取り違えが起きたとみている。
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●産経新聞
・2010.03.20 DNA誤情報で別人の男性に逮捕状 神奈川県警
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警察庁が管理する「DNA型記録検索システム」に人物を誤った情報が登録され、神奈川県警が窃盗事件の容疑者として事件とは関係のない男性の逮捕状と家宅捜索令状を取っていたことが、県警への取材で分かった。
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【参考】
●日弁連
・2007.12.21 警察庁DNA型データベース・システムに関する意見書
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意見の趣旨の概要は、以下のとおりです。
1. 現在、警察庁が運用するDNA型情報データベース・システムは、プライバシー権ないし自己情報コントロール権を侵害することがないよう、規則ではなく法律によって、構築・運用されなければならない。
2. 法律を制定するに当たっては、DNA型情報が「個人の究極のプライバシー」であることに鑑み、採取、登録対象、保管、利用、抹消、品質保証、監督・救済機関について、プライバシー権ないし自己情報コントロール権の観点から適正に定めるべきである。
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●意見書全文
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