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2010.02.11

最近の不祥事発表 多いですね。。。 (ソニー銀行、小糸工業、ローソンエンターメディア、日本ビクター)

 こんにちは、丸山満彦です。最近立て続けに企業の不正事例が公表されておりますね。。。内部統制というのも所詮は人間がすることなので限界があるわけで、こういう問題は将来にわたってなくなることはないでしょうね。。。自分の周りでは起こってほしくないといつも思います。。。
 普通の人間としては、こういう不祥事があってもえらそうなことは言えないですよね。。。

 
■ソニー銀行
・2010.02.10 元社員による不祥事件発生について
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1. 事件の概要
 平成21 年10 月13 日(火)にお客さまからのお問い合わせにより発覚しました。
 内部調査の結果、当社元社員が平成20 年9 月から平成21 年8 月にかけて、当社お客さま口座のパスワードを詐取する手口にて、預金を不正に出金し、自らの借入金への返済資金等として費消しておりました。
 内部調査によって、元社員が着服した金額は、5 口座 総額 約3 千7 百万円と判明しており、その他のお客さまへの影響はございません。また、今回の不祥事の発生要因となった内部プロセスを既に徹底的に見直し、改善いたしました。
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■小糸工業
・2010.01.30 国内線ファーストクラス座席一部部品への耐火性試験未実施部品の使用について
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1. 概要
弊社が日本航空殿向けに生産・納入しておりますB777-200 型国内線航空機に装備されているファーストクラス座席のセンターコンソールユニットの一部に、耐火性試験を実施していない部材が装着されておりました。
なお、日本航空殿には国土交通省発行の耐空性改善通報に基づく処置を実施していただいておりますが、改修が終了するまでの間につきましても、運航が認められていると聞いております。
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■ローソン
・2010.02.09 ローソンエンターメディア取締役による不正行為の発覚について
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2.不正行為の概要
 LEMは、通常コンサート等のチケットを販売する際には、コンサート企画会社からチケットの販売業務を直接受託していました。しかし、一部のチケット販売受託に関し、2007年11月より、LEMがお客様からお預かりしたコンサート等のチケット代金を、当時写真付き切手等を販売していたプレジール社を通してコンサート企画会社へ支払うという内容の三者間契約をプレジール社、コンサート企画会社、LEMで締結し始めました。(添付資料1)
 この三者間契約の仕組みは、LEMの実質NO2である専務が持ち込んだものです。チケット販売業界では、コンサート等のチケット販売を受託するために、チケット販売事業者がコンサート企画会社に協賛金を支払う場合があります。この仕組みでは、プレジール社がLEMに代わりコンサート企画会社に協賛金の一部または全部を支払うことにより、従来に比べてLEMの協賛金支払額の減額等が見込めました。
 しかし、LEMからのコンサート等のチケット代金受領日からコンサート企画会社への支払日までは期間が長く、長期(2ヶ月~6ヶ月)にわたり資金がプレジール社に滞留していました。これを利用し、プレジール社は資金を流用していました。
 2008年10月頃より、プレジール社からコンサート企画会社への支払いが遅延するようになり、コンサート企画会社から専務へクレームが多数寄せられるようになりました。そこで専務は取締役に相談し、両名は、プレジール社が流用していることを認識しながら、社内の正式な決裁を経ず、LEMがプレジール社に肩代わりして直接コンサート企画会社へ支払いました。さらに2009年10月頃にはチケット販売前のコンサート企画のチケット代金をプレジール社に前払いする等、資金を不正に流出させていました。
 LEMとプレジール社を含む三者間の契約は、2007年11月から行われており、また専務および取締役の両名が資金をプレジール社に不正に流出させていたのは2008年10月から2010年1月までの1年4ヶ月間であることがわかりました。(添付資料2)
 現在判明しているLEMの被害予想総額は、最大約150億円です。この内訳は、プレジール社に肩代わりして直接コンサート企画会社へ支払った金額(約46億円)、プレジール社への前払金額(約46億円)、LEMのプレジール社からの未回収金額(約8億円)、以上の3点を合わせた金額約100億円と、今後LEMがプレジール社に肩代わりして直接コンサート企画会社へ支払わなければならない金額約50億円です。
 今後、債権の回収に最大限努めてまいります。
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■ケンウッド・ホールディングス株式会社
・2010.02.08 調査委員会報告とか年度決算の訂正概要、平成22年3月期第3四半期の四半期報告書の提出遅延および監理銘柄(確認中)指定の見込みに関するお知らせ
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2.過年度決算の訂正の概要
(1)訂正の概要
①ビクターにおける過年度決算の訂正の概要
 調査委員会の調査結果を踏まえると、ビクターにおいては、平成17年3月期から当第2四半期までの本件損失等の合計が約76億円の損失に比べると、約94億円の増加となります。
 上記の本件損失等の合計約170億円のうち、経営統合前の損失処理は合計約100億円、経営統合後当第24半期までの1年間の損失処理は約70億円となり、当第24半期において損失計上した約76億円と比べると、約6億円少なくなります。
 損失処理の増加要因は以下のとおりです。これらによるキャッシュアウトの要素はほとんどないものと考えております。
・スペイン、オーストリア(ロシア・東欧を担当)、ドイツの販売会社における未処理販売促進費等の処理および在庫の再評価 約45億円
・オプティカルコンポーネント(光ピックアップ)事業(以下「OC事業」といいます。)などにおける過年度決算の訂正に伴う新たな減損損失 約28億円
・欧州サービス子会社の関税および退職給付引当金の計上、その他新たに加えた在庫の再評価など 約13億円
・本社会計処理に関わる未払費用等の誤計上の新たな修正 約8億円

②当社における過年度決算の訂正の概要
 当社はビクターと株式会社ケンウッド(以下「ケンウッド」といいます。)の共同株式移転方式による経営統合により平成20年10月1日に新設されましたが、経営統合にあたっては、パーチェス法が適用され、ケンウッドが会計上の取得企業となったことから、被取得企業であるビクターの経営統合前の損益や純資産等は当社の連結財務諸表に承継されません。そのため、当社発足時の当社の損益や純資産等は、上記①のビクターにおける経営統合前の過年度決算の訂正による影響を直接的には受けず、ビクターの経営統合前の本件損失等の合計(約100億円)がビクターの純資産の減少となり、経営統合に伴って当社が認識すべき正または負ののれんに影響することとなります。その結果、これまで認識していた約32億円の「負ののれん」に代わって約68億円の「正ののれん」(以下「のれん」といいます。)を認識すべきことになるとともに、当第24半期までに計上した「負ののれん」償却額も取り消すことになるため、営業外収益が合計約16億円減少いたします。この「のれん」の処理に関しては監査法人と協議中であり、当第3四半期決算発表までに処理方法を決定する予定ですが、仮に経営統合時点に遡り一括損失処理するとした場合には平成21年3月期において約68億円円の特別損失が発生いたします。
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Comments

丸山 様

夏井です。

以前にも何度も書きましたが,内部統制は「手法」の一つに過ぎないので,金科玉条にしてしまうのは大きな間違いだと思います。

とりわけ,経営陣が率先して違法行為や不正行為を実行しようとする場合,「内部統制」はその違法行為や不正行為の実行を最適化し,効果的に隠蔽するためにも応用可能です。

したがって,「内部統制がしっかりしている」ということは,当該企業の適正性を評価する上ではプラスになっているともマイナスになっているとも言えないと思います。つまり,内部統制がしっかりしているかどうかは,当該企業を信頼してよいかどうかの判断をする際の参考には全くなりません。

一般に,「手法」や「手段」というものは価値中立的なものであり,「誰が何の目的で用いるか?」のほうがよほど大事な評価要素なのではないかと思います。

そろそろ「内部統制」の神話の時代を幕引きにしませんか?

Posted by: 夏井高人 | 2010.02.11 at 20:39

夏井先生、コメントありがとうございます。
ミスと不正(とりわけ経営者の不正)は分けて考えるほうがよいと思います。プロセス上のミスを少なくしプロセスの品質を高めるというのは、内部統制の問題というのはいいと思うんです。ただ、そのプロセスの目的をどのように設定するのかは別問題です。

 内部統制として、いちおうCOSO(金融庁の基準でも)の定義には「統制環境」が含まれていて、そこには「経営者の倫理観」というのが含まれているので、「経営者の倫理観」というのも内部統制ということになります。が、、、よく考えてみると、「経営者の倫理観」というのを内部統制に入れてしまうのは、やはり無理がありますね。。。「経営者の倫理観」なんて、本人すらコントロールできないようにも思うんですね。。。
 となると、夏井先生がいうとおり、内部統制は手段という価値中立的なものとして考えることを強調し、経営者の責任を追及するのが重要だと思います。
(なので、「普通の人間としては、こういう不祥事があってもえらそうなことは言えないですよね。」なんですよね。。。)
 
 そういえば、経済産業省のとある役人いわく、「J-SOXが浸透すれば、経営者が言い逃れできなくなる(不正があれば、内部統制の問題であれ、自分の問題であれ、すべて経営者の責任ということが明確になる)ので、それはそれでいいんですよ。。。」といっていたのを思い出しました。

Posted by: 丸山満彦 | 2010.02.12 at 07:46

丸山 様

夏井です。

「商売」ということもあるのでしょうが(笑),マネジメントシステムというものは全て「手法」または「手段」の一種に過ぎないので,神話的な部分を徹底的に払拭し,あくまでも即物的かつ冷静にとらえるようにすべき時代になったと思います。

すべからく「手段」や「手法」なるものは,その有効性の範囲や機能可能な範囲というものがあります。神話的な部分を消滅させてしまえば,それを正確に測定することができます。また,どんな「手法」や「手段」にもメリットとデメリットがあり,かつ,優位性を保つための要素と脆弱性要素とがあります。それらについても即物的かつ正確に測定すべきだと思います。その上で,特定の手段を採用するかどうかは経営判断になるのだと理解しているのですが,神話的な部分をなくしてしまったほうが,より合理的かつ効果的にその手段を使いこなすことができるでしょうし,また,そのような手段と関連する監査法人や認証機関なども無用なストレスなしに会話を形成することが可能となるのではないかと思います。

そして,特定の「手法」や「手段」がカバーできない対象を明確に意識すれば,その部分をカバーするための他のどのような「手段」や「手法」や「方策」などを採用すればよいのかを正しく判断することができるようになるし,また,既存の「手段」や「手法」それ自体に改善点や改善方法なども明確になるのではないでしょうか?

というわけで,神話の時代は終わりにしましょう。

Posted by: 夏井高人 | 2010.02.12 at 11:47

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