参院選からネット選挙運動解禁?
こんにちは、丸山満彦です。湯浅先生のブログで知りました。。。
湯浅先生のブログから湯浅先生の論文(アメリカにおけるインターネット上の選挙運動の一断面
──Vote-Pairing規制をめぐって──)にもリンクがありますので、読んでみるとよいですね。。。
■湯浅先生のブログ
・2010.01.04
■報道
●読売新聞
・2010.01.04 ネット選挙運動の早期解禁、中傷防止策などカギ
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自民党は、メールの利用には否定的だ。HPとは違って有権者に「送りつける」ことになるメールで、「なりすまし」や中傷が横行すれば影響が大きいというのが理由だ。
法改正の必要性が長年、指摘されながら実現しなかったのも、改正内容で民主、自民両党の足並みがそろわなかったことが大きい。自民党にはベテラン議員を中心に「ネットを利用する若者には民主党支持者が多い。民主党が改正に熱心なのは、党利党略ではないか」と警戒する声も強い。
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・2010.01.04 ネット選挙運動解禁、参院選から…民主方針
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民主党は公職選挙法を改正し、インターネット利用や戸別訪問を解禁して選挙運動を大幅に自由化する方針を固めた。
(略)
ネット利用は、選挙中のHP更新だけでなく、電子メール使用も可能にする全面的な解禁とする方針だ。ただ、〈1〉投票日のHP更新は認めない
〈2〉メールの送信対象は登録者に限定する
〈3〉改ざんの恐れがあるため、選挙公報はネットに掲載しない
――などの制限を加える案が出ている。
自民党は、他人が候補者の名前をかたる「なりすまし」が容易なメールの解禁には否定的だ。民主党もなりすましや中傷の対策などをさらに検討する考えだ。
民主党は5月末までに改正案が成立すれば、参院選でネット利用を解禁できるとみている。「インターネット選挙運動解禁研究会」(田嶋要会長)で検討し、議員提案で国会に提出する構えだ。
(略)
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ちなみに、民主党のマニフェスト(政策集INDEX2009)で選挙活動、電子投票(今回は関係ありませんが。。。)に関係するところ
■民主党
●政策集INDEX2009=====
インターネット選挙運動解禁
政策本位の選挙・カネのかからない選挙の実現、候補者と有権者との対話促進などを目的として、インターネット選挙運動を解禁します。
民主党が2006年の164回通常国会に提出した「インターネット選挙運動解禁法案」を成立させ、政党や候補者に加え、第三者もホームページ・ブログ・メール等インターネットのあらゆる形態を使って選挙運動ができるようにします。インターネット導入に伴って予想される不正行為に対しては、①誹謗・中傷を抑制するためにホームページ等を使って選挙運動をする者の氏名・メールアドレスの表示を義務付ける②「なりすまし」に対する罰則を設ける――など、きめ細かな対応策を講じます。
電子投票制度の導入
地方選挙においてのみ実施可能となっているタッチパネルの電子投票機等を用いて投票する電子投票制度を、国政選挙にも導入することを目指します。
電子投票には選挙事務の効率化、選挙結果の公表の迅速化といったメリットがある一方で、投票データの改ざんや機器の不具合への懸念も示されています。そのため、導入に際しては、不正・事故防止のための措置を設けることを選挙管理委員会等に義務付けるなど必要な対策を合わせて講じます。
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■衆議院
●第164回 議案種類:衆法 40号 公職選挙法等の一部を改正する法律案
・要綱
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一 インターネット等を用いた文書図画の頒布の解禁
1 何人も、選挙運動のために使用する文書図画を、ウェブサイト、電子メールその他のインターネット等を用いて受信者の使用に係る電子計算機の映像面に表示させる方法(以下「インターネット等を用いる方法」という。)により頒布することができるものとすること。
2 ウェブサイトを用いる方法により頒布される選挙運動のために使用する文書図画は、第129条の規定にかかわらず、選挙の当日においても頒布することができるものとすること。 (新第142条の3関係)
二 自ら開設するウェブサイトを用いて選挙運動用文書図画を頒布する者の氏名及び電子メールアドレスの表示義務
インターネット等を用いる方法のうち自ら開設するウェブサイトを用いる方法により選挙運動のために使用する文書図画を頒布しようとする者(以下「選挙運動用ウェブサイト開設者」という。)は、当該文書図画にその氏名及び電子メールアドレスを表示しなければならないものとすること。 (新第142条の4関係)
三 選挙運動用電子メール送信者の氏名及び電子メールアドレスの表示義務等
1 インターネット等を用いる方法のうち電子メールを用いる方法により選挙運動のために使用する文書図画を頒布しようとする者(以下「選挙運動用電子メール送信者」という。)は、当該電子メールにその氏名、2の通知を受けるための電子メールアドレス及び電子メールその他の適宜の方法により2の通知を当該電子メールアドレスあてに行うことができる旨を表示しなければならないものとすること。
2 選挙運動用電子メール送信者は、その送信した選挙運動のために用いる電子メール(以下「選挙運動用電子メール」という。)を受信した者から、総務省令で定めるところにより選挙運動用電子メールの送信をしないように求める旨の通知を受けたときは、これに反して、当該通知をした者に対し、選挙運動用電子メールの送信をしてはならないものとすること。
(新第142条の5関係)
四 公職の候補者、候補者届出政党等以外の者の選挙運動のための有料広告の禁止
公職の候補者、候補者届出政党等以外の者は、選挙運動のために、候補者の氏名又はその氏名が類推されるような事項を、有料で、インターネット等を用いる方法により頒布される文書図画に掲載させることができないものとすること。
(新第142条の6関係)
五 選挙管理委員会によるウェブサイトの設置及び当該ウェブサイトと候補者のウェブサイトとのリンク
1 衆議院議員、参議院議員又は都道府県知事の選挙においては、都道府県の選挙管理委員会は、次のイ~ハに定める事項を表示するためのウェブサイトを設けなければならないものとすること。
イ 衆議院(小選挙区選出)議員、参議院(選挙区選出)議員又は都道府県知事の選挙にあっては、公職の候補者の氏名、候補者の申出に係るホームページのアドレス(1つに限る。)その他総務省令で定める事項
ロ 衆議院(比例代表選出)議員の選挙にあっては、衆議院名簿届出政党等及び衆議院名簿登載者の名称又は氏名、これらの者の申出に係るホームページのアドレス(1つに限り、重複立候補者については、イで申し出たものと同一のものに限る。)その他総務省令で定める事項
ハ 参議院(比例代表選出)議員の選挙にあっては、参議院名簿届出政党等及び参議院名簿登載者の名称又は氏名、これらの者の申出に係るホームページのアドレス(1つに限る。)その他総務省令で定める事項
2 都道府県の議会の議員、市町村の議会の議員又は市町村長の選挙においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、条例で定めるところにより、当該選挙の公職の候補者が申し出たホームページのアドレス(1つに限る。)を表示するためのウェブサイトを設けることができるものとすること。
(新第142条の7関係)
六 電子メールアドレス等表示義務に違反した場合のウェブサイトを用いる方法による文書図画の頒布の中止命令等
1 中央選挙管理会、都道府県又は市町村の選挙管理委員会は、選挙運動のために使用する文書図画であってウェブサイトを用いる方法により頒布されるものについて、二に違反して当該文書図画を頒布する者の氏名及び電子メールアドレスを表示していないと認めるときは、その者に対し、氏名及び電子メールアドレスの表示又は当該文書図画の頒布の中止を命ずることができるものとすること。 (新第147条第2項関係)
2 中央選挙管理会、都道府県又は市町村の選挙管理委員会は、1の処分を命じようとする場合において、当該処分を命ずべき者を確知することができないときは、当該処分を命ずべき者の利用するウェブサイトに係る電気通信の役務を提供する者に対し、当該頒布する者の氏名及び電子メールアドレスの表示又は当該文書図画の頒布の中止に関し、必要な協力を依頼することができるものとすること。 (新第147条第3項関係)
七 あいさつ目的の有料広告の禁止
1 公職の候補者等は、インターネット等を用いる方法により頒布される文書図画に、有料で、当該選挙区内にある者に対する主としてあいさつを目的とする広告を掲載させることができないものとすること。
2 何人も、公職の候補者等に対して、当該選挙区内にある者に対する主としてあいさつを目的とする広告を、インターネット等を用いる方法により頒布される文書図画に有料で掲載させることを求めてはならないものとすること。(第152条関係)
八 選挙公報のウェブサイトを用いた配布
1 衆議院議員、参議院議員又は都道府県知事の選挙においては、都道府県の選挙管理委員会は、現行の紙による選挙公報の配布のほか、ウェブサイトを用いる方法により、選挙公報を配布するものとすること。 (新第170条第3項関係)
2 都道府県の議会の議員、市町村の議会の議員又は市町村長の選挙においては、条例で定めるところにより当該選挙に係る選挙公報を発行する選挙管理委員会は、条例で定めるところにより、ウェブサイトを用いる方法により、選挙公報を配布することができるものとすること。(新第172条の2第2項関係)
九 インターネット等を用いた選挙期日後のあいさつ行為の解禁
インターネット等を用いた選挙期日後のあいさつ行為については、公職選挙法第178条(選挙期日後のあいさつ行為の制限)の規定を適用しないものとすること。 (第178条関係)
十 ウェブサイトに掲載された選挙運動用文書図画の選挙期日後の削除義務
ウェブサイトを用いる方法により選挙運動のために使用する文書図画を掲載した者は、選挙の期日後速やかに、当該文書図画の掲載が事前運動の禁止に違反することとならないようにするために必要な措置を講じなければならないものとすること。
(新第178条の2第2項関係)
十一 インターネットによる選挙運動収支報告書の公開等
1 中央選挙管理会又は都道府県の選挙管理委員会は、選挙運動収支報告書(国政選挙に係るものに限る。)に係る報告書の要旨を公表した日から5年間、当該報告書に係るデータベースをインターネットを通じて一般の利用に供しなければならないものとすること。 (新第192条第5項関係)
2 選挙運動収支報告書の提出については、別に法律で定めるところにより、電子情報処理組織を使用して行うことができるものとすること。 (新第189条の2関係)
3 政治資金規正法の収支報告書並びに政党助成法の報告書及び支部報告書についても、1及び2と同様とすること。
(政治資金規正法新第20条の2第3項、第30条関係)
(政党助成法新第32条第5項及び第7項、第36条関係)
十二 罰則関係
1 選挙運動用ウェブサイト開設者の電子メールアドレス等の表示義務違反
二に違反して、自ら開設するウェブサイトを用いる方法により頒布する選挙運動のために使用する文書図画にその氏名及び電子メールアドレスを表示しなかった者は、2年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処するものとすること。
(第243条関係)
2 選挙運動用電子メール送信者の電子メールアドレス等の表示義務違反等
イ 三の1に違反して、選挙運動用電子メールにその氏名及び電子メールアドレスを表示しなかった選挙運動用電子メール送信者は、2年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処するものとすること。 (第243条関係)
ロ 三の2に違反して、選挙運動用電子メールの送信をしないように求める旨の通知をした選挙運動用電子メールの受信者に対し、当該通知に反して選挙運動用電子メールを送信した選挙運動用電子メール送信者は、2年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処するものとすること。(第243条関係)
3 インターネット等による氏名等の虚偽表示罪
当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもって真実に反する氏名、名称又は身分の表示をしてインターネット等を用いる方法による通信を行った者は、2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処するものとすること。
(第235条の5関係)
4 公職の候補者、候補者届出政党等以外の者の選挙運動のための有料広告の禁止違反
四に違反して、選挙運動のために候補者の氏名又はその氏名が類推されるような事項を有料でインターネット等を用いる方法により頒布される文書図画に掲載させた者は、2年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処するものとすること。
(第243条関係)
5 文書図画の頒布の中止命令違反
六の1による文書図画への氏名及び電子メールアドレスの表示又は文書図画の頒布の中止の命令に従わなかった者は、2年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処するものとすること。(第243条関係)
6 あいさつ目的の有料広告の禁止違反
イ 七の1に違反してあいさつを目的とする広告を掲載させた公職の候補者等は、50万円以下の罰金に処するものとすること。
ロ 七の2に違反して公職の候補者等を威迫して、広告を掲載させることを求めた者は、1年以下の懲役若しくは禁錮又は30万円以下の罰金に処するものとすること。
(第235条の6関係)
十三 施行期日等
1 施行期日
この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。ただし、九は、公布の日から施行するものとすること。
2 適用区分
一から六まで、八及び十一(これらに係る罰則の規定を含む。)は、施行の日以後その期日を公示され又は告示される選挙に係る選挙運動及び選挙運動収支報告書について適用するものとすること。
3 検討
インターネット等を用いる方法による選挙運動の在り方については、少なくとも3年ごとに、その間に行われた選挙における選挙運動の実情について検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとすること。
4 その他
その他所要の規定の整備を行うものとすること。
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ちなみに当時の国会での審議までは探せませんでした。。。
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