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2009.05.22

公認会計士協会 上場会社のコーポレート・ガバナンスとディスクロージャー制度のあり方に関する提言 -上場会社の財務情報の信頼性向上のために-

 こんにちは、丸山満彦です。公認会計士協会が、「上場会社のコーポレート・ガバナンスとディスクロージャー制度のあり方に関する提言 -上場会社の財務情報の信頼性向上のために-」を公表していますね。

 
●公認会計士協会
・2009.05.21 「上場会社のコーポレート・ガバナンスとディスクロージャー制度のあり方に関する提言 -上場会社の財務情報の信頼性向上のために-」の公表について
 ・・前書文
 ・・本文


●フジサンケイ ビジネスアイ
・2009.05.22 監査役の権限強化 会計士協提言 意思決定不統一 経団連は反発

●経団連
・09.04.14 より良いコーポレート・ガバナンスをめざして 【主要論点の中間整理】


 で、その提言ですが、当報告書における提言は5つありますが、その内容を引用すると次の通りとなりますね。。。

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【提言1】会計監査人の選任・報酬の決定
○ 会計監査人の選任に関わる主要な権限は、経営の執行機関である経営者(取締役会)からの独立性が確保された監査役(会)が有し、監査役(会)による会計監査人の選任議案が株主総会に提案される仕組みとすべきである。
○ 経営者(取締役会)は計算書類等を作成して監査を受ける立場にあり、当該経営者(取締役会)が会計監査人の監査報酬を決定することは、利益の相反を生じさせる可能性があることから、外観的独立性を担保するためにも、会計監査人と同様に監視する側である監査役(会)又は監査委員会が会計監査人の監査報酬を決定する仕組みとすべきである。

【提言2】監査役の機能の強化
○ 社外監査役制度は、会社の業務について第三者的な立場にある者を加えることにより、業務執行に対する監査機能を高めることを目的としており、当該目的に合致するように、より一層その独立性(社外性)を高めていく必要があると考える。
○ 監査役(会)が有効に機能するために、上場会社における監査役の資質として、少なくとも1名については、財務及び会計に関する知見を有する者が選任される必要があると考える。
○ 監査役(会)は、会計監査人の監査が適切に実施されていることを監視する役割も担っており、会計処理について経営者と会計監査人の見解が相違した場合等に株主の立場に立って行動することなど、監査役(会)と会計監査人の連携を密に行うことにより監査役の機能を強化すべきと考える。また、監査役の職務を補助すべき使用人の充実が欠かせないと考えられ、上場会社においては当該使用人の積極的な設置が必要と考える。

【提言3-1】有価証券報告書の財務諸表と計算書類の実質的一元化
○ 株主・投資家の受け取る財務情報の質・量、比較可能性、有用性等の観点から、上場会社については、金融商品取引法と会社法における財務情報の実質的な一元化を検討すべきであると考える。
○ 財務情報の実質的な一元化の方法として、上場会社は有価証券報告書の財務諸表の作成により、会社法の計算書類の作成がなされたものとみなす(つまり、株主・投資家向けに開示される財務情報として有価証券報告書の財務諸表のみを作成する。)といった方法が考えられる。

【提言3-2】有価証券報告書の提出時期の見直し
○ 金融商品取引法上、有価証券報告書の提出は定時株主総会後とされている。適時開示の観点から、有価証券報告書の内容について、特に個別財務諸表及び非財務情報を中心に簡素化することも含め、有用性の観点から検討し、財務諸表が確定し、招集通知が発送された後、早期に有価証券報告書を提出できるようにすべ
きであると考える。
○ 早期提出が可能になれば、有価証券報告書と併せて内部統制報告書もEDINETで開示されることになり、議決権行使のために有用な情報が株主に対して間接的に提供されることになる効果があると考えられる

【提言3-3】個別財務諸表の開示の検討
○ 上場会社の有価証券報告書において、個別財務諸表は連結ベースの分析を補完する財務情報として利用されていることなどから引き続き開示が必要であるものの、現在よりも簡素化を図る方向も含め、その開示項目や様式について情報の有用性や諸外国の状況も十分踏まえた上で、検討する必要があると考える。
○ その結果、連結財務諸表と個別財務諸表の主従関係がより明確となり、上場会社のディスクロージャーは連結中心であることが明瞭になると考えられる。
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 監査役の位置づけ等については、経団連も気にするでしょうね。。。どのような制度でも悪用しようとすればいくらでも抜け道はあるし、抜け道がないようにしすぎると融通がきかなくて産業の発展を阻害することになってしまいますね。。。
 本質的には、各上場企業の最高責任者が倫理感を高く保って自主的に経営をすれば、ガバナンスがどうだこうだといわれずに済む話ではあります。
 そういう意味では、日本企業の範たるべき経団連に参加している企業で経営者が関与した不正等があった場合は、経団連自体がもっと当該企業に対して関与するというのも考え方としてあるかもしれませんね。。。

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はじめに

第1部 上場会社のコーポレート・ガバナンスのあり方に関する提言
 Ⅰ 提言の前提
  1.現行会社法の取扱い
  2.参考にすべき国際的な動向
 Ⅱ 会計監査人の選任・報酬の決定【提言1】
  1.利益相反と外観的独立性
  2.同意権の不十分性
  3.監査役(会)又は監査委員会へ会計監査人の監査報酬決定権を付与した場合の効果.
 
  1.我が国における監査役の社外性の現状.
  2.主要国における独立性要件の状況.
  3.財務及び会計に関する専門性.
  4.監査役(会)と会計監査人の連携等.
  5.企業グループにおけるガバナンスの課題.

第2部 上場会社のディスクロージャー制度のあり方に関する提言
 Ⅰ 提言の前提.
  1.会計基準の国際的な統一化の動向.
  2.現行制度の取扱いと問題の所在.
 Ⅱ 有価証券報告書の財務諸表と計算書類の実質的一元化【提言3-1】.
  1.2種類の財務情報の作成の実態と実質的一元化の可能性.
  2.株主送付用の財務諸表の見直し.
  3.財務情報一元化に向けての検討事項.
 Ⅲ 有価証券報告書の提出時期の見直し【提言3-2】.
  1.適時開示の観点からの有価証券報告書提出時期の見直し.
  2.有価証券報告書の記載事項と定時株主総会の決議事項に関する開示の見直し.
  3.定時株主総会の開催時期.
 Ⅳ 個別財務諸表の開示の検討【提言3-3】.
  1.個別財務諸表の位置付け.
  2.個別財務諸表の様式、注記事項等の見直し.
  3.損金経理要件の弾力的な見直し.
 Ⅴ 金融商品取引法と会社法に基づく監査制度の一元化【提言4】.
  1.金融商品取引法と会社法の監査報告書の日付の相違による弊害と一元化の必要性.
  2.内部統制監査に係る金融商品取引法監査と監査役監査のねじれの解消.

【脚 注】.
 【参考資料1】衆議院財務金融委員会における「公認会計士法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」
 【参考資料2】参議院財政金融委員会における「公認会計士法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」
 【参考資料3】IOSCOの専門委員会ステートメント
 【参考資料4】EC会社法第8号指令(抜粋、仮訳)
 【参考資料5】事業報告と有価証券報告書の記載事項
 【参考資料6】財務諸表等規則と会社計算規則の取扱い
 【参考資料7】現行の法定開示書類と財務情報の一元化(イメージ)
 【参考資料8】現行の決算スケジュールと財務情報・監査制度の一元化(イメージ)
 【参考資料9】財務諸表等規則の取扱い(連結FS、個別FS)
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