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2009.01.29

コンプライアンス経営の重要性を報道するテレビ局のコンプライアンスの状況?

 こんにちは、丸山満彦です。公正取引委員会がアニメーション産業に関する実態調査報告書」を公表していますね。アニメの企画、制作は再委託が行われる多層構造かつ、小規模事業者が多いことから、優越的地位の濫用や下請法の観点から取り引き慣行に問題があるのではないかということですよね。。。

 著作権の帰属については、テレビ局が単得で所有しているケースが多いようです。。。

報告書によると、調査の趣旨は、
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1 調査の趣旨
我が国のアニメーション作品については,絵,ストーリー,技術等の質の高さから,国内のみならず海外においても高く評価されており,国際競争力のある有力なコンテンツの一つとして数えられている。しかし,海外の制作会社に発注する大手制作プロダクションの増加や,従来のアニメーションクリエーター育成過程の空洞化など,業界全体の将来像としては必ずしも楽観視できる状況にはないことが指摘されている。
他方,アニメーション作品の企画,制作については,テレビ局,製作委員会等の発注者から,元請制作会社,下請制作会社へと転々と再委託が行われる多層構造にあることや,再委託を受ける制作会社は小規模な事業者が多いことなどが指摘されている。このような状況の下,仮に,個々の委託・再委託取引の中で取引上の問題があったとしても,それが顕在化することは期待しにくいと考えられる。
このため,今般,アニメーション産業の構造,取引実態及び取引慣行について調査を行い,独占禁止法(優越的地位の濫用等)及び下請法の観点から提言を行うこととする。
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 ということのようですね。。。で、

 
 概要によると、
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2 取引上の問題点と課題
・ 4割超の制作会社が,発注者から十分に協議することなく低い制作費を押し付けられた経験がある旨回答(22ページ)。
・ 取引条件について十分な協議を行ったかどうかについての発注者と受託制作会社の認識の差は大きい(23ページ)。
⇒ 発注者にあっては,取引条件改善のために,発注に際して取引条件について十分な協議が行われるように一層努めることが必要(49ページ)。
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■インターネットWatch
・2009.01.23 公取委がアニメ産業の実態調査報告、「製作委員会方式」にも言及

公正取引委員会
実態調査報告
 ・流通・取引慣行に関する実態調査報告書

・2009.01.23 アニメーション産業に関する実態調査報告書(概要)
  ・・報告書本体(上)
  ・・報告書本体(下)


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