ナナボシ監査法人損害賠償事件 大阪高裁で和解
こんにちは、丸山満彦です。ちょっと間があいてしまいました。。。ナナボシ監査法人損害賠償事件で大阪高裁で和解が成立したようですね。。。
【報道】
●日経新聞
・2008.12.06 トーマツが4000万円支払いで和解 大阪高裁 粉飾決算監査で
・2008.12.06 トーマツ 4000万円払い和解──ナナボシ粉飾、大阪高裁 一審判決上回る額
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・・・トーマツが一審判決を上回る4000万円を支払うことで大阪高裁(松本哲泓裁判長)で和解したことが6日、分かった。
一審は約1700万円の支払いを命じ、上場企業の法定監査で監査法人の過失を認めた異例な判決とされた。大阪高裁は7月の第1回口頭弁論で和解勧告し、10月に最終的な和解条項案を提示。同28日に成立した。
管財人の辰野久夫弁護士は「解決金額が一審の認容額を上回ったので和解した」と説明。トーマツ広報室は「法的過失はないと考えているが、一審判決を真摯(しんし)に受け止めている。早期解決のため、和解勧告に応じた」としている。
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●朝日新聞
・2008.12.06 4千万円支払いで和解 「ナナボシ」粉飾決算めぐる訴訟
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ナナボシ管財人の辰野久夫弁護士は「一審判決より金額が増えたことなどを考慮した」、トーマツの広報担当者は「早期解決を図った」と説明した。
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●産経新聞
・2008.12.06 粉飾見逃し訴訟で監査法人が和解 トーマツ4000万円支払いへ
●時事コム
・2008.12.06 トーマツ4000万円支払いで和解=ナナボシ粉飾、監査ミス訴訟-大阪高裁
●47ニュース(共同通信)
・2008.12.06 トーマツが4千万円支払い和解 大阪高裁、ナナボシ粉飾監査訴訟
子の件については、山口弁護士がさっそくブログにのせていますね。。。
●ビジネス法務の部屋
・2008.12.06 ナナボシ監査法人損害賠償事件が大阪高裁で和解
和解の原因についての山口先生の推測?分析?は次のとおりとなっています。。。
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① 4期にわたる粉飾決算について、大阪地裁は倒産直前の事業年度における粉飾見逃しについてだけ監査法人の過失を認めたが、大阪高裁はもっとさかのぼって以前の事業年度の監査手続においても粉飾の見逃しについて監査法人の過失があるとの心証を得た
② 高裁としては、大阪地裁と同様に最終事業年度の監査手続にのみ過失を認めるが、因果関係のある損害の範囲はもっと広いと心証を得た
③ 過失や損害の範囲とは別に、過失相殺の割合については監査法人側の過失寄与度が大きいものとの心証を得た
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また、
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私の素直な気持ちからすれば、当該監査法人さんが現在でも「法的過失はないと考えている」のであれば、もっと最後まで闘っていただきたかったと思います。(もちろん、控訴審にまで係属するに至った個別事情がありますので、あくまでも私見にすぎませんが)監査計画、監査手続にリスク・アプローチが採用されることを前提として、どのような場面において、どのような計画を立てて、どのような手続をとれば会計監査人としての「正当な注意を払った」と言えるのか、またそのことが法的な善管注意義務違反の有無とどのような関係に立つのか、せっかく真正面から争点になっていたのですから、堂々と最後まで法定監査に臨む監査法人としての専門家意見を主張していただきたかったところであります。
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と感想を述べられていますね。。。
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