« 公認会計士協会 「IT委員会研究報告第31号「IT委員会報告第3号「財務諸表監査における情報技術(IT)を利用した情報システムに関する重要な虚偽表示リスクの評価及び評価したリスクに対応する監査人の手続について」Q&A」の一部改正について」の公表について | Main | 殺人の下見はネットで。。。 »

2008.11.26

証券取引所はグローバル競争にさらされている

 こんにちは、丸山満彦です。最近、「世界における日本」というものをよく考えたりしますが、東京証券取引所はグローバルマーケットから見放されつつあるようにも見えますよね。。。

 
●フジサンケイ ビジネスアイ
・2008.11.26 東証、8社撤退でピーク時の7分の1 外国企業の上場、今年はゼロ

=====
東京証券取引所に上場する外国企業が激減している。今年は撤退が8社に上る見通しなのに対し、新規上場は予定がなく、上場外国企業は20社を割り込んで23年ぶりの低水準になる。金融危機に伴う株式市場の低迷が直撃したほか、東証での自社株の流動性が低いことや、金融商品取引法による日本語での開示義務も、海外企業には大きな負担になっている。
=====

 SOX法の導入で米国ベンチャー企業が米国の証券取引所を敬遠しているのではないかという議論もありますよね。。。
 万が一、東京証券取引所が国際競争力を失いつつあるのであれば、いろいろと考える点はありますよね。。。プロ市場の議論とかもありますしね。。。

 大河ドラマの篤姫とみていると(ドラマの内容が正しいかどうかという話はありますが)、最近の日本って思うときがありますよね。。。

|

« 公認会計士協会 「IT委員会研究報告第31号「IT委員会報告第3号「財務諸表監査における情報技術(IT)を利用した情報システムに関する重要な虚偽表示リスクの評価及び評価したリスクに対応する監査人の手続について」Q&A」の一部改正について」の公表について | Main | 殺人の下見はネットで。。。 »

Comments

丸山 様

夏井です。

証券取引だけではなく,様々な法制度の上で「日本固有種」みたいなものがいっぱいありますね。これって,社会学的に観れば「鎖国」の一種なんだろうと思います。

もちろん,全部開放してしまえばそれで済むということにはなりません。

でも,どう考えてもごく一部の限られた者だけを特別に「過保護」にしている一方で,他の国民には全く何の利益もないどころか弊害ばかりあるといったような例がいくらでもあります。そして,「本当にこれでよいのでしょうか?」と首をかしげたくなることが多々あります。

Posted by: 夏井高人 | 2008.11.26 16:06

夏井先生、コメントありがとうございます。

効率化のための標準化と可用性確保?のための多様性の維持というのは、いろいろな分野でもっと真剣に議論されてもよいでしょうね。。。

会計の世界では国際的な標準化がすすめられていますし、マネジメントシステムや工業製品の標準化なども行われていますが、法律の標準化というのはこれらと比べると多様性が確保されているほうでしょうか???

ISOの世界ではそういうふうにみえるのですが、私利私欲でコンサルタントが必要もないような国際標準を作ろうとすることが問題でしょうかね。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2008.11.27 05:28

こういう苦労をしているのはアタシだけかも知れないけど、日本語の財務諸表を見ると、平成何年とあるので、いつのものなのかわからなりません。。。

Posted by: koneko04 | 2008.11.27 08:00

丸山 様

夏井です。

法の世界は,合理性が重視されるべき部分もありますけど,基本的にはその法が適用される社会の歴史や文化や経済などに根ざすものとして存在していなければ機能しない部分もあるので,一筋縄ではいかないことが多いです。

かつて,古代ローマのキケロは,法の論理を理論的にきちんと整合性がとれるものとするために分類・整理しようと試みましたが失敗しました。それは,法が「言葉」によって記述されるものである以上,そして,「言葉」は発信者の意図や目的とは無関係に受信者によって恣意的に「解釈」されない限り何の機能ももたないものである以上,やむを得ないことだったのかもしれません。その後,後期のローマ法学者やドイツの初期の法律学者らがもう一度整理し直したものが現在の日本の法体系の基礎になっています。しかし,それはそのような体裁を導入したというだけのことであり,日本人によってその法の中に感得される精神のようなものはドイツ人にとっては非常に理解し難いものであるかもしれません。日本人は千年以上も前から外国の文化を導入し,日本の文化の中に溶け込ませ,仮にそれが(論理的には)相互に矛盾するものであったとしても無理矢理共存させながら生きてきました。私はそれを「寄せ鍋文化」と呼んでいます。だから,ますますもって理解しにくい部分があるのだろうと思います。

国際規格は,ネゴシエイションによって成立する約束事の一種なのでしょうが,国際的な約束などいつでも反故にしてしまうというのが欧州の過去の戦争の歴史であったわけだし,その程度のものでしかないです。にもかかわらず,日本人は,狭い国土の中で無理矢理何でもかんでも共存させる能力を発達させてしまってきたために,国際規格というものに対して妙な幻想を抱いたり,それを墨守したりしてしまうことがあるのではないでしょうか?

そして,基本的には,その場その場の状況に合わせてルールを修正したり変更したりしてやっていかないとどうにもならないということはどの国でも同じはずなのですが,日本人はそのようには考えようとしない。このような精神的態度は,300年も続いた江戸時代の文化遺産のようなものの一つかもしれません。

現在あるコンサルタントの多くは,単なる口利きのような仕事をしている存在だと理解しています。もちろん,中には諸葛孔明のような人もいるでしょう。でも,もし存在するとしても,それは極めて稀な存在なのだろうと思います。もし日本の中にそれほど優れた人がたくさんいるのだとしたら,世間にこんなに多くの問題が積み残されているわけがないです。また,コンサルタントの中には秀才と呼んでも良い人がいっぱいいます。でも,秀才であれば常に柔軟に事態に対応できる能力をもっているというわけではないし,クリエイティブであるというわけでもないです。にもかかわらず,日本は学歴社会・肩書社会なので,妙なプライドだけはある。そのようなわけで,それにとらわれてしまっていて自分自身を正しく評価できない人々は,あるときには傲慢になってしまったりすることがあるのでしょう。あるいは,もっと賢くて自分自身をよく知っている人々は,ひたすら狡猾に生きているかもしれません。「生きる」ということは本当に大変なことだと思います。

パスカルは,『パンセ』の中で,人間は考える葦であるがゆえに宇宙全体よりも優れた存在だと書いています。宇宙はとても大きなものだけれども単に存在しているというだけのことであって,宇宙が考えるということなどあり得ない。しかし,人間はどのように弱く,宇宙に押しつぶされそうな存在であったとしても,それでも考えることができる。それがパスカルの意見です。パスカルが生きた時代を想像してみると,そこで「宇宙」にたとえているものが何であるかは自ずと明らかかもしれません。このことは,パスカルが生きた時代から何百年も経た後である現代においても基本的には同じだろうと思います。

というわけで,世間には理不尽なことばかりありますけど,要するに「それが人間社会というものだ」と悟るだけの諦念のようなものも必要なんでしょうね。

私は,自然界における多様性のようなものの重要性を信じている人間です。しかし,独占によって単一の色に染めてしまおうと考えている人や企業がたくさんある。これは,強欲がなせるわざでしょう。けれども,彼らに対して「足るということを知りなさい」と言ってみても,仏教や儒教などの教養が微塵もない人々に対しては何の効果もありません。結局,破綻してゼロに戻るまでは自分自身の愚かさを自覚することができないのだろうと思います。問題は,そのような教養のない人でも財産や権力があれば他の人を支配してしまうことができるということにあるように思います。しかも,そのような人々は「責任」という観念あるいは「徳」という概念を知らない。

プラトンやアリストテレスの昔からずっと議論されてきたことです。しかし,結局のところ,人類は,まだ正しい解を得ることが全然できないでいるのだろうと思います。

私自身は,「徳」において大いに欠けるところがあるので,決して人の上に立ってはならない人間だと自覚しています。けれども,「義」のかけらくらいはもっているのじゃないかと思うので,それを信じて生きることにしています。

苦しくても,理不尽でも,諦めないで試行錯誤を続けるしかないですね。

Posted by: 夏井高人 | 2008.11.27 23:56

夏井先生、コメントありがとうございます。
最近、いろいろと考えるにつけ、人間の本性というのは昔(たとえば1000年前)からかわっていないなぁと思うわけです。
 道具やもっている知識とかは変わっているでしょうけど。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2008.11.29 18:46

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 証券取引所はグローバル競争にさらされている:

« 公認会計士協会 「IT委員会研究報告第31号「IT委員会報告第3号「財務諸表監査における情報技術(IT)を利用した情報システムに関する重要な虚偽表示リスクの評価及び評価したリスクに対応する監査人の手続について」Q&A」の一部改正について」の公表について | Main | 殺人の下見はネットで。。。 »