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2008.09.19

監査人の言いなりになっている経営者評価って、本当に経営者評価っていえるだろうか?

 こんにちは、丸山満彦です。内部統制の基準等では、経営者と監査人が協議することの重要性が強調されております。しかし、実質的にはどうも監査人の言いなりになっているケースが多いのではないかと思います。例えば、評価対象となる業務プロセスを決める場合も、経営者がA,B,Cを評価範囲とすると決めても、監査人が「A,B,Dを評価範囲とします。」といえば、経営者も、A,B,Dを評価範囲に変える場合が多いのではないでしょうか?経営者評価をする情報システムの範囲をX,Yとすると決めても、監査人が「X,Zの評価をします」と言い出すと、経営者評価の範囲もX,Zに変えてしまうのではないでしょうか?

 
 監査人は所属する監査法人のマニュアルや、監査人としての考えがあるわけで、会社には会社の考えと方針があるわけですが、それが必ずしも一致しませんよね。。。
 ルールのグレーの部分が多い、つまり、デジタルに判断できない部分が多いので・・・

 そうなると、監査人のいうことを聞いていればいいや・・・ということになりますよね。

 経営者:「監査人の言うとおりにしておけ。それで、彼らは満足するんだろう。」
 監査人:「経営者評価の主体はあくまでも経営者です。われわれは内部統制報告書の適正性を評価しているだけですから」

 みたいな状態ですかね。。。

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Comments

コンピュータ屋です。おはようございます。

おっしゃるとおりです。
極論として、仕方がありません。
評価のあと、それの監査を受ける限り、言われることに寄る傾向です。
ご支援していても、監査人さんがしっかり監査できるようにと言うことを気に掛けています。
本当の意味で内部統制をおこない、自己評価を公表するという運用にはなりませんね。

以前より、将来への内部統制の保証を監査人さんに託すことには疑問に思っています。

Posted by: コンピュータ屋 | 2008.09.20 08:42

コンピュータ屋さん、コメントありがとうございます。

制度の問題か
運用の問題か

を明確に区分することが重要だと思います。

運用だけで解決できるのであれば、今のままでもいいと思いますが。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2008.09.22 22:13

企業側は、監査人による内部統制の観点を理解する良い機会と捉えるのも一つの手と思います。ここら辺のことについて、企業側は今まで監査人と会話する機会は少なかったでしょうし、監査人の考え方を理解しつつ、その理解を踏まえて経営者としての評価に活かしていく。そのようにしてしっかりとした経営者評価を行えるようになっていくというのが現実的のように思います。
初年度からの対応は難しく、少々時間を要してしまいそうですが。。

Posted by: trainee | 2008.09.24 23:32

>経営者:「監査人の言うとおりにしておけ。それで、彼らは満足するんだろう。」

現実はこういうパターンが結構多いと思います。そもそも、経営者が自分で主張すべき意見を持っていない場合、どうしてもこうなってしまうでしょうね。

内部統制報告制度で設計ミスだと思うのは、全社統制の評価結果を業務プロセスの評価範囲とリンクさせたことだと思います。監査法人の言いなりになるような経営者であれば、きちんと全社統制を評価すると重要な欠陥に該当するケースが多いと思います。しかしながら、業務プロセスの評価範囲拡大という結果が待ち受けていることから、経営者・監査人双方とも全社統制は不本意ながら有効とせざるをえないケースも多いと思われます。

制度の本来の主旨を考えると経営者レベルでの自覚を促すこと、監査論のレベルで言えば、内部統制の評価を会社と監査人で二重に評価(監査)することにより、財務諸表監査の信頼性をより一層向上させることにあるわけです。

そんなのは理屈の世界の話だと言われるとそれまでではありますが、こういった認識を経営者が持っているのであれば、単純に監査人の言う通りにしておけ、ということにはならないと思っています。

厳しい言い方かもしれませんが、現場の真面目さに依拠しているだけで、自らの方針を明確に示していない経営者が実際にはたくさんいるのでは、という気がしています。

一担当者として内部統制報告制度の対応を行っていると、監査法人の保守的な対応に辟易することもありますが、制度本来の意図はこの辺にあるのだな、と実感することが多くなってきています。制度設計のまずさについて憤慨することも多々ありますが、さりとて経営者側の姿勢が立派に評価すべきものであるのかと言われると、疑問符をつけざるをえないところであります。

そう考えると、監査人による保証を与えることについては、一定の価値を見出すことは出来るだろうと思っています。ただし、監査人が実際のビジネス環境を十分に理解した上で監査を行うという留保をつけた上での話ではありますが。

Posted by: FN | 2008.09.25 01:35

traineeさん、FNさん、コメントありがとうございます。

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初年度からの対応は難しく、少々時間を要してしまいそうですが。。
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厳しい言い方かもしれませんが、現場の真面目さに依拠しているだけで、自らの方針を明確に示していない経営者が実際にはたくさんいるのでは、という気がしています。
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そもそも内部統制について経営者がよく理解しているのであれば、よかったのですが、経営者が内部統制についてフレームワーク視点で理解が十分でない状況下で今回の制度を導入したという運用上の問題が考えられるでしょうね。

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監査法人の保守的な対応に辟易することもありますが、制度本来の意図はこの辺にあるのだな、と実感することが多くなってきています。
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 これは、判断基準があいまいで、判断する人の専門的な能力が高くない場合に生じる問題です。
 判断基準ができる限りデジタルになればよいのですが、それは難しいでしょうね。そうであれば判断する人の専門的な能力が高まるのを待つ必要がありそうです。


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監査人による保証を与えることについては、一定の価値を見出すことは出来るだろう
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 無価値とは思いませんが、費用対効果の問題でどうだということだと思います。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2008.09.25 09:20

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