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2008.06.29

質問:結局内部統制の不備を3つに分けとるやんけ。。。

 こんにちは、丸山満彦です。。。評価・監査に係るコスト負担が過大なものとならないよう、先行して制度が導入された米国における運用の状況等も検証し、内部統制の不備を、米国とは異なり、財務報告に与える影響に応じ「重要な欠陥」と「不備」の2つに区分することとしたわけです。これって、「米国と違ってコストに配慮しましたよ」という6つの理由の2番目なんですが、Q&Aを読んでいたら、結局不備を3つに分けとるやんけということに気づきました。。。
 みなさん、そう思いませんか?

 
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(問60)【軽微な不備の報告】
実施基準では「監査人は、重要な欠陥以外の不備を積極的に発見することを要求されてはいないが、監査の過程において、財務報告に係る内部統制のその他の不備を発見した場合には、適切な管理責任者に適時に報告しなければならない。」(実施基準Ⅲ4(3)①)とされているが、監査人は、軽微な不備も含め、監査の過程で発見した不備を全て会社に報告しなければならないか。
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 なかなかいい質問ですね。。。

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1.ご指摘のとおり、監査人は重要な欠陥以外の不備を積極的に発見することは要求されていないが、監査の過程において不備を発見した場合には、適切な管理責任者に適時に報告することが必要である。
2.しかしながら、経営者においても重要な欠陥の集計の対象とならないような影響が非常に僅少な不備まで監査人が報告の対象とすることは合理的でなく、例えば、必要に応じて、経営者と監査人で協議の上、一定の基準値を定め、この基準値を下回るような影響が僅少な不備については、報告の対象としないといったことも考えられる。
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 なかなか現実的な回答です。。。

 せやろ。。。不備を「影響が僅少な不備」と「そうではない不備」の2つにわけ、重大な欠陥となる不備とあわせて3つに分けたほうが便利やろ。。。

 不備を2つにわけて、不備のなかでも「影響が僅少ではない不備(重要な不備)」については、重大な欠陥につながるかどうかを判断する。適切な管理者に報告すべきかどうかを判断する。。。

 この話は、実施基準は2つに分けていても結局実務上は3つにわけなあかんやろなぁ・・・とはじめから周りの会計士の人といっていました。。。
 
 なお、「重大な欠陥」と「不備」というのは次元が違う話なので、「「重大な欠陥」と「不備」の二つにわける。」というのは、良くわかっていない人の話です。

 「内部統制の不備」というのは、個々の内部統制が統制目標を達成できているかどうかを判断した結果ですよね。。。「内部統制の重大な欠陥」というのは、結局内部統制が有効かどうかを判断した結果ですよね。
・個別の不備があまりにも重大なので、重大な欠陥と判断する場合もあれば、
・不備がたくさんあってその結果、全体として考えると内部統制に重大な欠陥があると判断する場合もあります。

 結局、不備を「影響が僅少な不備」と「そうではない不備」の2つにわけたほうが便利ということをQ&Aでも認めてるわけですわ。。。

 意見書の前文・・・
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・・・評価・監査に係るコスト負担が過大なものとならないよう、先行して制度が導入された米国における運用の状況等も検証し、具体的に以下の方策を講ずることとした。

② 内部統制の不備の区分
本基準では、内部統制の不備を、財務報告に与える影響に応じ「重要な欠陥」と「不備」との2つに区分することとした。米国では不備を「重要な欠陥」「重大な不備」「軽微な不備」の3つに区分していることから、財務報告への影響等についての評価手続がより複雑なものになっているとの指摘がある。
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 ほんまにもう、はじめからそういえばえーのに。。。そろそろ素人さんにも「ごまかしがばれつつある」ように思います。信頼を失いまっせ。。。

 ちなみに、「不備は3つにわけたほうがええやろ」・・・とか、「重要な不備」について、学者の人と飲みながら話をしたことをこのブログに書いています。。。ご参考まで。。。

【参考】このブログ
・2006.02.18 少なくとも重要な不備とみなさなければならない場合 PCAOB 監査基準書第2号第140項
・2006.03.08 Significant DeficiencyのSignificantは「重大」というより「注目すべき」という意味ではないか

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Comments

コンピュータ屋です。
おはようございます。

ブログの主旨「結局不備を3つに分けとるやんけ」というお話、実務的にもそうしています。
・関係ない不備(軽微、財務に関わりのないもの)
・そもそもの不備
・欠陥(それ自身が欠陥、不備を束ねた場合)
などとしています。これは初期からです。

今回の丸山先生のブログの関心ごとは、
「分けとるやんけ」、「せやろ」、「3つにわけなあかんやろなぁ・」、「信頼を失いまっせ」など
親しみやすく、また懐かしい言葉遣いですね。
ご出身地の言葉ですか?

Posted by: コンピュータ屋 | 2008.06.29 08:54

コンピュータ屋さん、コメントありがとうございます。

 ちょっと言葉が・・・すみません。
 生まれた時は京都ですが、その後尼崎、播州赤穂、豊中、宝塚と移動しております。大学時代は京都にいて、就職してからは宝塚、神戸と住んでおりました。ということで、本音で話をするときは、育ったときの言葉が一番しっくりいきます。。。

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・・・ブログの主旨「結局不備を3つに分けとるやんけ」というお話、実務的にもそうしています。
・・・
などとしています。これは初期からです。
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 普通そうしまっせ。。。

 金融庁のこの政策に関しては、具体的な対策の部分でのほころびが目立つんですわ。。。

 持分法、不備の区分、ダイレクトレポーティング方式の不採用・・・、知恵をつける人の選択ミスちゃうかいなぁと思ってますけど。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2008.06.29 12:24

コンピュータ屋です。おはようございます。

J-SOX対応のこと、これからもヒントを頂きながらまじめにやっていきます。

また、丸山先生が関西出身と知り、ますます親しみを得たところです。

Posted by: コンピュータ屋 | 2008.06.30 06:39

コンピュータ屋さん、コメントありがとうございます。
気まぐれ日記ですから、ぼちぼちといかせてもらいます。今後ともよろしくお願いします。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2008.06.30 12:32

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