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2008.02.28

「事業拠点」の定義は?

 こんにちは、丸山満彦です。内部統制の評価範囲を決める場合に、日本の基準では、「決算・財務報告に係る業務プロセスのうち、全社的な観点で評価することが適切と考えられる」業務プロセス以外の業務プロセスの評価については、「企業が複数の事業拠点を有する場合には、評価対象とする事業拠点を売上高等の重要性により決定する」ことが義務付けられていますね。。。
 そこで問題となるのが、事業拠点とは何か?ということです。この用語の定義が不明確だと、問題となりますね。。。

 「こういう要件がそろわないと事業拠点としては認められない」とか主張されると困るわけですよね。。。

 だって、実施基準では、「本社を含む各事業拠点の売上高等の金額の高い拠点から合算していき、連結ベースの売上高等の一定の割合に達している事業拠点を評価の対象とする」と書かれていて、監査人は、経営者が決定した「評価範囲」の適切性についても意見を言わなければならないからです。。。

 英語のBusiness Unitを翻訳したものだとおもいますが・・・

 

 
 もちろん、実施基準においても、事業拠点についての説明的な文章があります。
=====
 事業拠点は、必ずしも地理的な概念にとらわれるものではなく、企業の実態に応じ、本社、子会社、支社、支店のほか、事業部等として識別されることがある。
=====
 となっています。用語の定義にはなっていないんですよ。。。(残念。。。)

事業拠点とは、XXXXXです。(留意事項:地理的な概念にとらわれるものではありません。)(例示:本社、子会社、支社、支店、事業部)

 XXXXXがないんですよね。。。留意事項と、例示だけで。。。

もっと言えば、

事業拠点と識別するためには、少なくとも
・YYYYY
・ZZZZZ
 の要件をみたさなければなりません。。。

と定義してくれると助かりますよね。。。

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Comments

=====
XXXXXがないんですよね。。。留意事項と、例示だけで。。。
=====
全く同感です。これに限らず、この「実施基準」では用語の定義がないか、極めて曖昧にしか書かれていないと思います。(「内部統制の限界」「重要な欠陥」「僅少」..)
「事業拠点」については、例えば子会社は単体で事業拠点たりうると思いますが、孫会社はどうなのか。さらには持分法適用会社まで「事業拠点」かとなると、かなり違和感があります...

Posted by: 漉餡大福 | 2008.02.28 18:57

曖昧だからこそ解釈の余地があるわけで、それは運用者にとってのメリットと捉えましょう。

私見ですが、事業拠点とは、会計側面から見てそれ自体が一通りのバリューチェーンを持っている単位と考えています。
つまり外部顧客へのサービス提供が成り立つ単位と考えれば、売上・売掛金・在庫という重要勘定が備わってくると前提している趣旨も見えてきますね。

もちろん業種業態によるので、そこは経営者が定義すればよいと思えるのですが。

会社の本来の目的>業績測定のあり方>会計のあり方>内部統制の確立単位・・・と捉えていくと、事業拠点という考え方は整理できませんかね。

Posted by: 閑人 | 2008.02.29 22:05

事業拠点、誤解しているでしょうか。
わたしは、事業拠点とは一律の切り口のような
ものだと思っていました。

でも、

=====
 事業拠点は、必ずしも地理的な概念にとらわれるものではなく、企業の実態に応じ、本社、子会社、支社、支店のほか、事業部等として識別されることがある。
=====

この一文を改めて読むと、事業拠点というのは、対象会社全体を何かある一つの基準で切り分けをするわけではなさそうですが、こういう理解でいいんでしょうか。

事業拠点A:本社
事業拠点B:子会社X
事業拠点C:子会社Y
事業拠点D:P事業部(子会社Z)
事業拠点E:Q事業部(子会社Z)
事業拠点F:R(子会社ZのP,Q以外)


全社統制の評価を考えるとき、「すべての事業拠点」を対象としているので、特に運用状況の評価は事業拠点別に確かめていくのでしょうか?
でも実務上、そんなことをしていたら大変ですよね? そこで全社統制を子会社単位で考えて、会社トップに質問なりして評価していくということが可能なのでしょうか。
当然子会社全体の中に、事業拠点がすべて含まれているので、事業拠点単位で運用状況を確かめるのでなくて、子会社単位で確かめても結論は同じようなものという考えで実務は行われているのでしょうか?

Posted by: JSOX編集部 | 2008.02.29 22:37

漉餡大福さん、閑人さん、JSOX編集部さん、コメントありがとうございます。。。

 そうなんですよね、定義がはっきりしない用語が多いのです。で、これは問題なんですよ。。。
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曖昧だからこそ解釈の余地があるわけで、それは運用者にとってのメリットと捉えましょう。
=====
ではなくて、
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曖昧だからこそ解釈の余地があるわけで、監査人が勝手に定義をつけてくるわけです。
=====
 解釈の余地は、監査人にとってもあるわけです。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2008.03.01 02:36

JSOX編集部さん
>こういう理解でいいんでしょうか。

私も同様の理解をしていますが・・・。

事業拠点の定義(実行上は評価範囲ですが)は監査人が勝手に決めるということがあるのでしょうか。
協議すべき事項なので、両者合意できなければ、経営者の評価範囲が適切かどうかという監査意見にも影響する重要な事項ですよね。
経営者は少なくとも事業拠点の捉え方や評価範囲については、管理会計の方法などとの関係を踏まえ、対外的に説明できる準備をする必要がありますね。
監査人が「勝手に」決めたとしても、それに対する反論があるはずで、監査人の見解は対外説明上の一つのハードルではないでしょうか。
監査人だって「不適正」というためには相当の根拠が必要だと考えられますが・・・。

Posted by: 閑人 | 2008.03.01 13:22

閑人さん、コメントありがとうございます。

事業拠点というのは、営業所別、事業部別または会社単位というように、同一の性質のもので企業集団を切り分けしたものと勘違いしていました。
それで、同一の性質のもので切り分けるとどうしても、はずれるものが出てきて。例えば営業所別に事業拠点を選んだ場合、本社とか営業所じゃないところはどうするんだ?というように(とんだ勘違いでしたが)。

次の私の疑問は、全社的な内部統制や(全社的な観点で評価する)決算・財務報告プロセスの評価の対象です。

全社的な内部統制で、評価者が質問なり書類の閲覧なりをして評価すべき相手が「事業拠点」ごとに個々行う必要があるのか、というものです(前のコメントの後半はそういう趣旨の疑問でした)。

ここで、事業拠点は会社単位では考えていなくとも、全社的な内部統制の評価は、会社単位で評価していくということでよいのかどうか。
監査法人との協議事項となるんでしょうね。

「全社的な観点で評価する」の「全社的な観点」というのが、実務上こういうことを想定して入れられたものなんでしょうか。。。

Posted by: JSOX編集部 | 2008.03.02 11:41

JSOX編集部さん

あまり丸山さんの庭先で議論をするのも憚られますがお許しを。

私の勝手読みですが、基準が「全社的」というときは、「個々の勘定科目のアサーションに関わらない」という整理をしていて、あまり積極的な定義はないのでは。
決算財務報告過程には、全社レベルと業務処理レベルとがあると記載されていますが、貸倒引当金の評価や退職給付引当金計算などは業務処理レベルで整理できますが、子会社の決算モニタリングなどは、子会社独自で行なうものとグループ会社管理統括組織(関連事業部などの名称の組織)がダブって行っていることが多いですよね。

子会社の一部について決算事務受託会社などを作っているケースでは、各子会社には実態としては日常的な営業管理プロセスしかなく、経理業務は複数の子会社を一括して事務受託会社が行ない営業子会社に対してレポートを提供しているような場合、営業子会社には一般の販売部門としての機能しかないことから、それに必要な経理体制(売上の管理、顧客の管理)があればよいことになります。

評価は、このような実態に応じて、経営者の意図する管理業務を各組織なり役割を持った人が行なっていることを確認すること。とすれば、個々の取引が分類集計され最終の連結財務諸表に至る過程をきちんと捉えて、その過程とバリューチェーンとがうまく一致する単位として事業拠点単位(例えば組織を超えて地域別とか工場群別とかもありえますね)を捉え、その流れを外からサポートするのが全社的統制と考えてみるのはどうでしょうか。

会社の管理は、通常は組織と人事を通じて行なわれるので、評価単位としては会社や組織単位で行なわれることが多いでしょうが、細分化すると行き着く先は人別にきちんと仕事ができているかの評価になってしまいます。工場の生産品質管理などは、どの工程にどの人がアサインされたときに不良が出やすいという管理をしますが、会計の場合は、人事考課(つまり全社的統制)という考え方の中で見られているわけですね。逆にA工場とB工場で同じものを作っているのに生産性に違いが出るのはなぜだろうということを考えること(つまり全社的統制)も必要とすれば、会計にもそういった観点(これは月次管理とか異常点報告など)が必要です。

その全社的統制は会計のためにだけあるわけではなく、他の統制目的にも係っているわけで、それが財務報告観点からどの位の影響と重要さを持つかは、経営者が評価計画の中で説明責任を持つことです。

とりとめない意見ですみません。

Posted by: 閑人 | 2008.03.02 13:46

閑人さん、JSOX編集部さん、コメントありがとうございます。。。

> あまり丸山さんの庭先で議論をするのも憚られますがお許しを。

あまり気にせずに、ドンドンお願いします。。。

=====
事業拠点の定義(実行上は評価範囲ですが)は監査人が勝手に決めるということがあるのでしょうか。
=====
あるらしい(笑)。
XXXXという要件を満たさないと事業拠点とはいえない・・・みたいな。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2008.03.04 00:46

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