不正を起こせる環境にした責任
こんにちは、丸山満彦です。食品の表示については、公認会計士による監査が必要なんではないかと思うくらい事件が続いていますが、担当者がやっていることを責任者が知らなかったということもあるようです。このことが事実がどうかは別として、担当者が不正を行える環境をつくってしまうことが問題であることを責任者の方は十分に理解しておく必要があると思います。実際に経験したことですが・・・
ある会社の支店で小口現金を取り扱っている人が不正をしていた事件がありました。もうだいぶ前の話ですが。。。この案件は、週末にお金を引き出すのを忘れたために会社のお金をちょっと借りて帰ったというところから始まっています。当然によく月曜日には、お金を戻していていました。しかし、このようなことが何度か続いているうちに、返すのがだんだんと遅れがちになったということです。
で、結果的に不正。。。確かに、担当者のやったことはよくないことですが、責任者が担当者がこのような不正を起こさないようにチェックしておけば、このような事件は起こらなかったはずですよね。。。
(1)不正を起こす動機・プレッシャー
(2)不正を起こせる環境
(3)不正の正当化
の3つができる状況であれば、不正を起こりえるとよく言われます。
内部統制としては、(2)への対応が一般的には一番簡単なんではないでしょうか・・・
担当者が不正をして、責任者が知らなかったという案件を聞くにつけ、責任者の「不正を起こせる環境にした責任」というのを考えてしまいます。。。
Comments
日経ビジネス10月8日号に「白い恋人」の前社長のコメントが載っています(敗軍の将、兵を語る)
ここで興味を引いたのが、
「昔は必死になって白い恋人を造って「このおいしいお菓子をどうやってみんなに知ってもらうか」と一生懸命に考えていました。その後、商品があたり、売上高や利益が増えていきました」というのが
「喜びの対象が『おいしいお菓子を作る』という本来のものから、売上高に移ったように思います」
という風土の変化を最大の要因にあげていることです。
失敗した人の言葉は、本質をついているなと思ったのと同時に、
「コンプライアンス」と叫んでいる人間ほど、コンプライアンスをわかっていない
(コンプライアンスを実現のためには、実は、本質的な企業のミッションや文化の確認が基礎であり、コンプライアンス部やマニュアルというのは、そのあとの話し)
のではないかというのを確認しましたね。
Posted by: 高橋郁夫 | 2007.11.07 09:13
高橋郁夫先生、コメントありがとうございます。
=====
(コンプライアンスを実現のためには、実は、本質的な企業のミッションや文化の確認が基礎であり、コンプライアンス部やマニュアルというのは、そのあとの話し)
=====
いいこといいますね。。。
=====
このおいしいお菓子をどうやってみんなに知ってもらうか
=====
ですよね。。。
Posted by: 丸山満彦 | 2007.11.08 19:36
というこで、この「「コンプライアンス」と叫んでいる人間ほど、コンプライアンスをわかっていない」というのをIT仮説として
JSSM学術講演会
テーマ:「法規制と情報セキュリティのあり方―法・技術・管理からする横断的検討―」
http://www.jssm.net/jssm/jssm05.html
でお話しようかと思っていたりしています。
(って、ちゃっかり宣伝?)
まるちゃんもお時間がありましたら、遊びに来てくださいね。
Posted by: 高橋郁夫 | 2007.11.11 09:41
高橋先生、コメントありがとうございます。。。
今日!!14日ですね。
Posted by: 丸山満彦 | 2007.11.14 12:18