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2007.09.17

上場企業の上場子会社

 こんにちは、丸山満彦です。上場会社が資金調達のために子会社を上場させかつ、その子会社を子会社として持っている場合がありますが、目的はどうであれば、子会社を上場会社としてもっていれば、子会社の少数株主が「親会社の支配があるから子会社の価値がよくならないので、親会社の株式を少数株主に売り渡してください」という意見を述べる場合もありえますよね。。。

 
【朝日新聞】
・2007.09.17 NECに子会社「切り離し」要求 米投資会社ペリー

 米投資会社ペリー・キャピタルが、NECに上場子会社の「切り離し」を求めている。NECが70%、ペリーが5%の株式を持つ半導体メーカーNECエレクトロニクスの業績が低迷。「親会社から独立していないのが理由」と見るためだ。NEC側は要求を突っぱねているが、ペリーは長期戦の構え。欧米に比べ、少数株主の権利が軽んじられているとされる日本の「親子上場」をめぐる議論に、一石を投じる可能性もある。
 「貴社の支配下では、NECエレの潜在能力を最大限に引き出すことはできない」
 ペリーは7月10日付で、NECが持つNECエレ株のうち25%を1544億円で買い取ると提案。それをNECに通知する書面でこう主張した。
・・・
株の保有だけでなく、NECエレの経営陣は社長以下ほとんどがNEC出身者。こうした親子関係が続く以上「NECの戦略を無視できず、抜本的な再建策に踏み切れない」とペリーは判断し、「親子上場」を問題にする方向に踏み出した。株の買い取り提案も、「独立が重要で、NECが株を市場に売却するなら、我々が保有しなくてもいい」という立場だ。
 これに対し、NECエレは「NECからこの製品をやれとは言ってこない」と説明。「独立性」があると主張する。
・・・
 「親子上場」は、NECに限った問題ではない。国内では制度上認められており、350社以上あるとされるが、企業の独立性や少数株主との利益相反、コーポレートガバナンス(企業統治)のあり方など、多くの問題をはらむとの指摘がある。
 東証も、「弊害が指摘されており、必ずしも望ましい資本政策とは言い切れない」と指摘。市場への積極的な説明責任を果たすよう求めている。

 親子上場は親会社株主の利害と子会社の少数株主の利害が対立することがあって、その調整が容易でない場合もありえるので、難しいと思うんですよね。。

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Comments

コンピュータ屋です。
おはようございます。

SIベンダーと言われる会社の子会社とのお付き合いがあります。専門的なことは良くわかりませんが、子会社の上場のことは指摘されている通りと思います。
また、身近な例では、上場していなくても「企業の独自性や特徴」についてはいつも疑問に思っています。
よく似た子会社をいくつも抱え、その違いは何か、顧客に対して何を訴えているのかわかりません。自社都合のみで子会社化しているのではともとられてしまいます。

このままでは、勢力低下は免れませんね。

Posted by: コンピュータ屋 | 2007.09.18 09:56

コンピュータ屋さん、コメントありがとうございます。
 今後、子会社上場についてはいろいろと意見がでてくるかもしれませんね。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2007.09.19 00:10

1)子会社を上場させるケース、と
2)上場会社を子会社化するケース
とで少々状況は違うんじゃないでしょうかね。

それと、本件に関して言えば、
「親会社から独立していない」から「業績が低迷」ってナンカ妙なリクツですねぇ。その親会社自体がダメな会社だから、というんなら判るんですが。ダメな子会社でも、優秀な親会社から独立しておらず、その庇護の下にあるから、業績が堅調というケースもあるんじゃないでしょうか。

なお、これは蛇足ですが、「資本政策」としての是非なんて高尚な話でなく、「上場企業」というのはステイタス・シンボル(特に従業員にとって)としての価値が未だに大きなウェイトを占めているように思います(冒頭記載の2)のケースでは結構これが高いハードルになったりするのでは?)。

Posted by: 監査役サポーター | 2007.09.19 23:06

良し悪しの問題もさることながら、上場維持のための諸コストを考えると、まして上場子会社がしばらく資金調達する予定がないとすれば、その状態を保持していることの意味って何なのでしょう。

Posted by: 閑人 | 2007.09.20 22:00

監査役サポーターさん、閑人さん、コメントありがとうございます。
=====
1)子会社を上場させるケース、と
2)上場会社を子会社化するケース
とで少々状況は違うんじゃないでしょうかね。
=====
上場している子会社の少数株主と親会社の株主との間での利益相反が生じると言う意味では、結果としては同じだと思います。。。

> 「親会社から独立していない」から「業績が低迷」ってナンカ妙なリクツですねぇ。
というか、「親会社から独立していない=業績低迷」ではなくて、「業績が低迷していても、親会社から独立していないので、有効な対策(例えば、親会社の製品を取り扱わずによりよい別会社の製品を取り扱うなど)ができない」のでは???ということだと思います。

>、「上場企業」というのはステイタス・シンボル(特に従業員にとって)としての価値が未だに大きなウェイトを占めているように思います
就職するときに親に納得してもらうためには、「上場会社に就職するんだよ。。。」というのはいいのかもしれませんね。。。

しかし、
> 上場維持のための諸コストを考えると、まして上場子会社がしばらく資金調達する予定がないとすれば、その状態を保持していることの意味って何なのでしょう。
という意見も出てくるでしょうね。。。

US-SOXで、日本企業のなかでもNY上場等をやめる企業が数社出ましたよね。。。まぁ、やめざる得ない企業もあるのかも知れませんが・・・

いずれにしても上場と言う制度は資金調達のための制度で、調達コストはそれなりにかかりますよ。。。ということを意識しておく必要はあるように思います。
株主の言いなりになりたくない経営者であれば、上場廃止というのも良い手段だと思います。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2007.09.22 02:01

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