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2007.08.16

不十分な内部統制が犯罪者を作ってしまう。。。

 こんにちは、丸山満彦です。「酔うぞの遠めがね」で酔うぞさんが「横浜市営バスの現金抜き取り事件・回収記録はあった」で取り上げていて初めて知ったのですが、横浜交通局のバスの運賃が総額1億円以上抜き取られていたようですね。営業所長など3名が逮捕され、懲戒免職になったようです。
 仕事柄、直接的間接的に、国内外での不正事件を見聞きします。その際に思うのは、経営者が適切な内部統制を整備・運用しておけば、犯罪者を出さずにすんだと思うことが多いですね。もちろん、だからと言って犯罪をしたことに同情するわけではないんですけど。。。

 
【報道】
■神奈川新聞
・2007.07.24 横浜市営バス売上金窃盗事件で前営業所長を懲戒免職/横浜市交通局

横浜市交通局は二十四日、勤務先の市営バス営業所から売上金を盗んだ窃盗罪で、横浜地検に起訴された前保土ケ谷営業所長で同局自動車本部営業課担当係長の小池稔被告(52)を懲戒免職処分にした。
一連の事件では、三人の交通局職員が窃盗容疑で県警に逮捕され、被害金額は一億円に上るとされている。・・・

■タウンニュース
・2007.07.31 交通局職員売上金窃盗事件 背景に経営認識の欠如 池田局長、市民に謝罪 信頼回復誓う

・・・事件の原因を「お客様からいただく料金を“数字”としか認識していなかった職員の意識の欠如」と分析。運賃こそが交通事業を支え、発展させる要であるという基本的な経営認識に欠ける幹部がいたことが、組織的な問題としてあったとの見方を示した。また、その背景に勤務歴が長い職員が比較的多いことによる「仕事よりも人間関係優先」の職場風土があるとした。
 一連の事件は、売上金をバスの料金箱から営業所の金庫へ収納する際に現金を抜き取ったことで起きた。「職場内において、売上金の取扱いをチェックしきれていなかったのは確か」と管理体制の不備を認めた上で、今後は、売上金管理のマニュアルを整備し、複数人数によるチェックなどの再発防止策を実行していくという。
・・・同時に過去の仕事の進め方との決別も図っていき「人間関係重視」から「仕事モード」の職場への転換を目指す意向を明らかにした。

 風土改革と仕組の整備は車の両輪のようにあわせて整備していく必要があります。意識を変え、仕組みをつくる。両方ないとだめですね。。。
 ところで、「仕事モードの職場」って、職場は仕事モード以外ないでしょう。。。サークルじゃないんだから・・・。根は相当深そうにも思える記述ですよね。。。

■サンケイ新聞
・2007.08.16 回収機のデータ、9カ月で差額1980万 横浜市営バス

・・・6月に逮捕された北部サービスセンター保土ケ谷営業所長=懲戒免職=が、警察の調べに対し、15年度以前についても犯行をほのめかす供述をしたため、同局が調査。その結果、7月下旬に以前勤めていた本牧営業所でディスク17枚が見つかった。そのうち、15年7月から16年3月までの同営業所のデータを解析したところ、銀行に納められた現金収入金額と料金箱データの金額との差額が約1980万円あった。・・・

基本の基本ができていない感じですよね。。。税金ですからね。。。

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Comments

トラックバックありがとうございます。

横浜市だからわたしの地元の事件なんですが、現金抜き取りという分かりやすい犯罪をなぜ堂々と続けることが出来たのかが疑問だったのです。

テレビで放送されたときに仕組みが紹介されましたが、キーワードは「現金は客の次は銀行でしか触れない」なんですね。

バスの料金箱はバスから取り外して、営業所の集金箱のようなものにセットします。
この集金箱は、事務所の受付を倍ぐらいしたような大きさで、料金箱をセットするとお金が集金箱に移動します。
集金箱は銀行に運ばれて銀行で開けられる。

という仕組みだそうです。

つまり、乗客が料金箱に入れた現金は次は銀行で外に出るとなっています。

当然、料金箱も集金箱も鍵が掛かって開けないことになっているだが、実はモノサシかなんかで
開けることが出来たらしい。

こんなのは鍵を何重にしても、開けられればそれまでだから、別のチェックを付けるわけですよね。

しかし、横浜市交通局の言い分だけでまとめると、バスの売上げがいくらだか分からないとなります。
銀行で現金を数えるまで、幾ら売上げ合ったのか分からない。
いくら何でもこれは信じがたいのですが、横浜市交通局の言い分は「売上げと集金が何%ずれるのは当たり前だ。分からない」のごときコメントでした。

そこが、今回の「光磁気ディスクが出てきた」なわけですよ。

銀行で献金を数える前の段階でも売上げデータはあったわけです。

それなら、毎日それをチェックすれば、現金抜き取りは容易に防止できたでしょう。

ところが困難のは「ディスクを探すことだった」では、日常業務になるわけがない。
そして、それを「現金と売上げはずれて当然」とコメントする事になるわけです。

まぁ、腐っている状況を是認するためにチェック機能も腐らせた、とでも言うべきなのでしょう。

Posted by: 酔うぞ | 2007.08.17 01:53

酔うぞさん、コメントありがとうございます。
 これでは、そもそもやる気がなかったとしかいいようがないわけですよね。。。

売上金額(光ディスクの記録)=入金金額(銀行の入金額)となる単純な取引にも係らず、売上金額=入金金額となっていることを確認していなかった。

ということですよね。。。

「売上げと集金が何%ずれるのは当たり前だ」というようなすごい発言があるようですので、実は、管理者も知っていながら見逃したりして。。。

 内部統制を適切に整備・運用しておけば逮捕者まで出すことはなかったのだろうと思うと、気の毒ですよね。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2007.08.18 10:11

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