犯罪対策閣僚会議 企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針と内部統制システム、個人情報保護法
こんにちは、丸山満彦です。官邸のウェブページ上に「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について」が公表されていますね。。。企業が反社会的勢力による被害を防止するため、基本的な理念や具体的な対応を取りまとめたものだそうです。
個人情報保護法や内部統制システムとの関係についても触れられていますね。。。
【首相官邸 犯罪対策閣僚会議】
・「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」[PDF]
・「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針(案)」に対する意見の募集結果について
・・別紙1 主な御意見と御意見に対する考え方について
・・別紙2 企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針に関する解説
・「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」に対する意見の募集(パブリックコメント)について
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3 内部統制システムと反社会的勢力による被害防止との関係
会社法上の大会社や委員会設置会社の取締役会は、健全な会社経営のために会社が営む事業の規模、特性等に応じた法令等の遵守体制・リスク管理体制(いわゆる内部統制システム)の整備を決定する義務を負い、また、ある程度以上の規模の株式会社の取締役は、善管注意義務として、事業の規模、特性等に応じた内部統制システムを構築し、運用する義務があると解されている。
反社会的勢力による不当要求には、企業幹部、従業員、関係会社を対象とするものが含まれる。また、不祥事を理由とする場合には、企業の中に、事案を隠ぺいしようとする力が働きかねない。このため、反社会的勢力による被害の防止は、業務の適正を確保するために必要な法令等遵守・リスク管理事項として、内部統制システムに明確に位置付けることが必要である。
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解説書の該当部分。。。
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(13)内部統制システムを構築する上での実務上の留意点
内部統制システムの世界基準と言われているCOSOの体系によれば、内部統制システムは、①統制環境、②リスク評価、③統制活動、④情報と伝達、⑤監視活動の5項目から構築されるとされている。
反社会的勢力との関係遮断を内部統制システムに位置付けるに際して、それぞれの項目における留意事項は次のとおりであるが、特に、リスク評価の部分は、重点的に管理すべき項目である点に留意する必要がある。
ア 統制環境
・ 経営トップが、反社会的勢力との関係遮断について宣言を行う。
・ 取締役会において、反社会的勢力との関係遮断の基本方針を決議する。
・ 企業倫理規程等の中に、反社会的勢力との関係遮断を明記する。
・ 契約書や取引約款に暴力団排除条項を導入する。
・ 反社会的勢力との関係遮断のための内部体制を構築する(例えば、専門部署の設置、属性審査体制の構築、外部専門機関との連絡体制の構築等)。
イ リスク評価
・ 反社会的勢力による不当要求に応じることや、反社会的勢力と取引を行うことは、多大なリスクであることを認識し、反社会的勢力との関係遮断を行う。
・ 特に、事業活動上の不祥事や従業員の不祥事を理由とする不当要求に対して、事案を隠ぺいするための裏取引を行うことは、企業の存立そのものを危うくするリスクであることを十分に認識し、裏取引を絶対に行わない。
ウ 統制活動
・ 反社会的勢力による不当要求への対応マニュアルを策定する。
・ 不当要求防止責任者講習を受講し、また、社内研修を実施する。
・ 反社会的勢力との関係遮断の取組について、適切な人事考課(表彰や懲戒等)を行うとともに、反社会的勢力との癒着防止のため、適正な人事配置転換を行う。
エ 情報と伝達
・ 反社会的勢力による不当要求がなされた場合には、直ちに専門部署へその情報が集約されるなど、指揮命令系統を明確にしておく。
・ 反社会的勢力の情報を集約したデータベースを構築する。
・ 外部専門機関への通報や連絡を手順化しておく。
オ 監視活動
・ 内部統制システムの運用を監視するための専門の職員(リスク・マネージャーやコンプライアンス・オフィサー等)を配置する。
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企業会計審議会の基準ではなく、COSOをつかっていますね。。。
【過去の今日】
・2006.06.25 個人情報漏えいで6,000円/人の支払いを命じられたヤフーBBの判決文
・2005.06.25 総務省 「有害情報判定委員会」設置?
・ 「金融機関のシステム攻撃は外部よりも内部から」 2005 Security Survey
・ 総務省 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案に係る意見募集
・ 金融庁 「偽造キャッシュカード問題に関するスタディグループ」の最終報告書を公表
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