白浜シンポ 無事、二日目終了・・・
こんにちは、丸山満彦です。本日は佐々木先生さん、防衛省の岡谷さん、警察庁の谷さん、英国警察さんの講演でした。。。
佐々木先生の多重リスクコミュニケータの話は非常の面白かったです。簡単に言えば、企業全体のリスク対策をとる場合、対策が両立、対立関係になることがあるのですが、その対策を最適化しようとする試みです。
岡谷さんの話では、攻撃者の意図ということが重要であるということが印象的でした。当たり前なんですが、目の前の現象面に注目しがちになり、意図に対する想像をめぐらすのを忘れがちになりまうね。。。
谷さんの話では、捜査力の向上等により犯罪者を捕まえることの重要性と、抑止の両方が重要ということが印象的でしたね。。。
英国警察さんの話は、IT技術を使って効率的に捜査段階で得た情報を整理することを、実際の犯罪捜査においての利用状況をつかっての説明でした。。。
最後に、ナイトセッションで少しはなしをしました。。。
しかし、ウイニーで情報漏えいをした人が責任を感じて?自殺するという事件や、いじめ現場をネットにアップした事件についても話をしました。。。
【参考】朝日新聞
・2007.06.08 いじめ映像がネット流出 学校、指導の最中に さいたま
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・・・実際に起きたいじめの映像が、インターネット上に流出していることが7日、分かった。数人の男子生徒が1人の生徒を囲み殴ったりけったりしている場面が音声つきで映し出されている。加害生徒の一人が携帯電話で撮影し、携帯電話サイトに投稿したものがネットで広まったという。学校側は加害生徒らの指導を進めるとともに、ネットのサイト管理者に削除を求める方針だ。
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いじめを目撃した生徒の情報をもとに学校側が5月末、加害生徒に事情を聴き、暴行の事実を認めたため、生活態度などの指導を始めていた。その後、今月6日になってネット上の動画の存在を知り、改めて調べたところ、加害生徒の一人が「軽い気持ちで投稿した」と認めたという。
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学校側は「絶対にあってはならない悪質ないじめで、被害生徒の心のケアに努めると同時に、加わった生徒には厳然たる措置をせざるを得ない」と話している。8日にも全校集会を開き、ネットに軽い気持ちで投稿することの危険性を呼びかけるという。
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自分がわからない道具を子供に買い与え、子供をしつけられない親の問題ということですかね。。。
・2007.06.08 ウィニーで児童の個人情報流出、男性教諭が自殺 千葉
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千葉県市原市教委は8日、市立小学校の男性教諭(34)所有パソコンから同市内の2小学校の児童計269人分の個人情報が、ファイル交換ソフト「ウィニー」を通じてインターネットに流出したと発表した。市教委によると、この男性教諭は5日に自殺したという。
同市教委の説明では、流出したのは男性教諭が01~06年度に勤務していた2小学校の児童の名前と電話番号、成績など。1日に「(ネット上の掲示板に)生徒の名簿や成績がある」との通報が市教委にあった。市教委が男性教諭に確認をしたところ、パソコンに児童の情報を保存し、ウィニーを使用していたことを認め、「責任を感じている」と話したという。
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ウィニーが人を殺したということかどうかはともかく、こういうことが起こったということは気の毒なことです。。。
さて、明日は最終日です。。。
【過去の今日】
・2006.06.09 SOX対応 HP社の場合
・ 国民生活センター 個人情報保護法施行後1年間の相談概要について
・2005.06.09 総務省 経路ハイジャック防止へ監視網構築へ
・ 民主党 住民基本台帳閲覧制限法案を国会に提出
・ 在留外国人にICカード携帯義務付け?
・ ゆがめられる情報セキュリティ対策
Comments
読売新聞にこんなサイトがあります。
「教育ルネサンス」
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/
タイトルだけ並べると
(10)出会い系「巡回」 注意喚起 2007年6月9日
(9)基本教え、負の側面知る 2007年6月8日
(8)町ぐるみで「携帯ダメ」 2007年6月7日
(7)細かく管理 「荒らし」排除 2007年6月6日
(6)トラブルに素早く厳然と 2007年6月5日
(5)10歳までは使わせない 2007年6月2日
(4)思春期不安 依存に拍車 2007年6月1日
(3)個人情報 暴露して攻撃 2007年5月31日
(2)顔見えぬいじめの恐怖 2007年5月30日
(1)自己紹介サイトに出会い系 2007年5月29日
こんな風にちょっと掘り下げていて、紹介したのはネット利用についてです。
それで気になるのが「10歳までは使わせない」とか「町ぐるみで「携帯ダメ」」などですが、リアルに人づきあいができるようになる中学卒業ぐらいまでは、ネットワークコミュニケーションをやらせるべきではない、と思うようになりました。
というか、インターネットで調べ物もさせない方がよい。
高校生を見ていると、ごく普通の子にかなり問題があって、基本的な社会性の訓練が出来ていません。
彼らが100%携帯メールが出来るところが怖い。
そういう目で紹介した記事を見るとなんで10歳でネットワーク利用をさせて良いのか?と思うし、「携帯ダメ」と言い出したら「どこにいるのか親は知りたい」と行ったことになるに決まっている。
つまり、必要なのは「子供用の携帯電話」の企画であって、これが社会的に合意できれば、学校では携帯電話は子供用に限定。とできます。
いじめ画像のアップは世界中全部が携帯ムービーですよ。
起きている現象にだけ着目するのではなくて、社会はどうあるべきかを考えるべきなのでしょう。
Posted by: 酔うぞ | 2007.06.09 09:26
酔うぞさん、コメントありがとうございます。白浜にこれなかったのが残念です。。。
奥村先生もこれなかったし。。。
社会はどうあるべきかを考えるのは当然に大切なわけですよね。それがブレると、どのような対策を採るべきかも変わってきます。。。
人間の本質というか性質というか、そういうものをよく考えて、その上で、人間がどういう道具を使えば、どういうことが起こりえるのか、そのためにはどのようなことをしなければ、ならないのか、つまり、あるべき社会にならないのか・・・を考えるべきかもしれませんね。。。
Posted by: 丸山満彦 | 2007.06.09 10:08