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2007.06.22

「牛首を懸げて「豚」肉を売る」の件と内部統制

 こんにちは、丸山満彦です。ミートホープ社の食品の原材料虚偽表示事件ですが、どうも社長が指示をしていた可能性が出てきましたね。。。食品の原材料という報告内容の虚偽表示ですね。。。粉飾決算とよくにたもんですね。。。7~8年前から日常的に行われていたようですね。
 なぜ、このような虚偽表示がなぜ起こるのかということを考えたときに、社長が原材料表示の粉飾にからんでいるのであれば、どんなに細かく業務処理上でチェックをかけるようにしても、原材料表示の粉飾は防げませんよね。。。
 ある意味、これも内部統制の限界です。。。トップの倫理観が重要なんですね。。。これが、COSOがもっとも言いたかったことです。。。

 
【報道】
■日経新聞
・2007.06.21 偽装ミンチ、7―8年前から指示・社長自ら主導
■朝日新聞
・2007.06.21 ミート社長「自らの指示で7、8年前から」 会見で表明
■読売新聞
・2007.06.21 ミート社社長が混入指示「7、8年前から」…会見で認める
■毎日新聞
・2007.06.22 牛ミンチ偽装:豚肉混入「7、8年前から」 ミートホープ社長、指示認める
■産経新聞
・2007.06.21 社長が指示、主導と認める 豚肉混入でコスト削減


社長自ら偽装を主導したようですね。。。

・食品加工会社からミンチ肉を受注し始めた当初(7~8年前)から、豚の心臓や消費期限切れ寸前の豚肉、その他羊肉、鶏肉などを混ぜていた。
・社長は、7―8年前からコストを下げるため自ら指示した。
・原料費引き下げが目的で1―2割はコストを削減できた。
・混入は社長自ら、週1―2回の打ち合わせ時にメモや口頭で指示をしていた。
・工場長は、社長からの偽装「指示」を「命令」と受け取ったと説明し、指示のまま混入した理由について、「社長は雲の上の人ですから」と語った。
・当初社長は、「工場長に相談された」と答えていたが、工場長は「社長が言ったと思う」と反論。その後、社長は自身が「牛肉と豚肉を合わせて作ろうか」と提案したことを明らかにした。
・混入は日常的だった。
・社長は、混入の開始時期を「2005年の新工場開設後」としていたが、ウソだった。
・昨年7月末以降は偽装をやめたとしていたが1カ月ほど前まで続けていた。
・社長は、問題発覚直後は「間違って混入した」と釈明していた。
・社長は、当時は混ぜていたことについて違法との認識もなかった。
・工場長は、混ぜていたことについて「消費者をだましているという意識はあった」。
・社長は、社会も『食の安全』に厳しくなかったと弁明した。

・過去1年間に「牛100%ミンチ」表示の肉を出荷したのは北海道加ト吉など計16社で、北海道を中心に宮城、千葉、滋賀、広島にある。出荷量は総計で140~180トンになる。

ふーーー

ちなみに、表題の「牛首を懸げて「豚」肉を売る」は「牛首を懸げて馬肉を売る」です。「羊頭狗肉」ということわざと同じですね。。。


【過去の今日】
・2006.06.22 Excel の脆弱性とスプレッドシートコントロール
・       上場企業数
・2005.06.22 私が私であることの証明

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Comments

丸山 様

夏井@会議準備中です。

似たような話はどこにでもいくらでもありますね。近隣国でのインチキを非難する報道もありますが,自分の国のことをよく見渡してから報道すべきではないかと思うことがしばしばあります。

昨日,ある人と会いました。その人は,ある有効成分を含んだ食品の開発を仕事としており,大手食品メーカーから依頼されてある製品の開発に成功しました。

ところが,某有効成分の発明者が効能を発揮するために必要としている含有量よりもはるかに少ない分量を含んだ製品にするように強く要請されたそうです。その人は「それではインチキになってしまうからできない!」と抗議したそうなんですが,「要するにちょっとでも含んでいればいいんだ!」と言われ,やる気を失いかけているようです。要するに,某有名企業に利用されたわけですね。

この手の話題はこれまでいくらでも耳にしてきました。

監督官庁が全くやる気がなく,消費生活センターなどで大騒ぎにならない限りどんな違法行為でも野放しにしているのが日本の現状なので,いくら内部統制だ何だといってもほとんど無意味な場合があります。とりわけ,上記の事例のような場合には,企業が一丸となってインチキ製品売り出しのためにやっきになっているわけですので,そのような企業における「内部統制」とは内部告発の封じ込めになってしまうわけです。もしそうであれば,むしろ内部統制は「悪」ですね。隠蔽とごまかしのための証跡(エビデンス)だけが意図的に捏造され集積されていくことになります。

もともと商人は安く仕入れて高く売るのが仕事なので,そういうものなのでしょうが,違法であることは間違いない。

では,適法にやろうとするとどうなるかということ利益が出ません。日本には努力や能力などの無形の価値に対して対価を支払う風土がないからです。へたにそんなことを言うと,差別だの格差だのと言っていじめられるのがオチです。

何となくさびしい気持ちばかりになってしまいます。

Posted by: 夏井高人 | 2007.06.22 11:04

こんにちわ、せろまるでございます。

この事件、原材料の虚偽表示を社長指示で行っていたという、あんまりな事件ですね。
でも、この事件を知っても、「またか」と若干慣れてしまっている自分がいたのが怖いです。

ミート社の内部統制も問題ありですが、
私が一番着目したのは
「内部告発を事実上1年以上放置」
これです。

社員が「不正が行われている」と届出て、
さらに証拠品まで提示したにも係わらず、
役所が動かなかったこともこの事件でしっかりと
メディアに追求してもらいたいと思います。

役所は「聞き取りなどを行っていた段階で、決して放置していたわけではない。」と主張していましたが、
その内容もお粗末に過ぎるもので、
「対応した」といえるレベルではないと思いました。

確かに、不正を起こす企業は問題であり、
利益を追い求めるだけでなく、CSRもしっかりと果たさなければいけないと思いますが、
あわせて、監督省庁、役所がまともに機能、対応する必要を感じました。

Posted by: せろまる | 2007.06.22 13:37

夏井先生、せろまるさん、コメントありがとうございます。。。

内部統制は、目的達成を支援するシステムなので、間違った目的を設定すれば、おのずとへんな方向にいくことになります。もっとも内部統制の目的にはコンプライアンスというのがあるのですが・・・

商人は安く仕入れた高く売ることが重要なのですが、最低法律は守らないといけないし、社会的に意味のあることをしていないとそもそも社会的に存在できませんよね。。。

今回の事件では、内部告発を受けた役所の対応が迅速とはいえなかったようで批判を浴びているようですが、もしサボっていたのであれば、ちょっと仕事してよ・・・って感じですよね。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2007.06.23 01:00

コンピュータ屋です。
お世話になっています。

おっしゃるとおり、
ガバナンス - コンプライアンス - 財務報告に係わるプロセス
一体感を持って内部統制の対応するのがベストと思います。

でも実態は、
・業務プロセスの評価、3点セット作り
・IT統制の評価
・評価の結果の再整備、改善
に、右往左往しています。
そんな現場に社長の姿は見かけません。

せめて「がんばってくれ」と、声をかけてもらいたいものです。
内部統制の限界もクリアできるかも知れません。

丸山先生、ぜひ、いろんな場で声高におっしゃってください。


Posted by: コンピュータ屋 | 2007.06.23 08:47

コンピュータ屋さん、コメントありがとうございます。

内部統制には限界があるのですが、内部統制も効率的に行うことが重要ですね。。。
財務報告に係る内部統制ばかりに目が行きがちですが、経営的には全体のバランスをとることが重要ですね。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2007.06.25 02:31

余談ですが。

本件はミートホープ社の不祥事および所轄官庁の不手際を中心に報道されており(後に加ト吉問題も起きていますが)、生協、スーパー等購入側の非についてはあまり糾弾されていない気がします。(全ての報道をチェックしているわけではありませんのでもしかしたら既に報道されているかも。)消費者との接点に介在するこれら企業には、消費者に品質の確かな、安全な食を提供する企業理念があるはずです。本来この理念に則り、企業活動が行われていれば、内部告発を待たずして、今回の不祥事は露呈したと思います。生協を初めてとした十数社は、仕入時にどんな受入検査を行ってきたのでしょうか。また、定期的に委託先・納入先としてのミートホープ社の監査を行っていたんでしょうか。財務報告に係る内部統制報告制度では、委託業務について厳しい評価を課せられていますが、こと我々消費者の人体に直接影響する食品、食材については、全く管理が無視されていたとしか言いようがありません。
このところ、メディアの報道を見ていると一点集中主義の批判めいた記事内容ばかりが目に付きます(書く方は楽かもしれません)が、メディアとしては一歩引いて別の視点からも取材をして欲しいものです。

Posted by: 迷える内部監査人 | 2007.06.25 12:47

迷える内部監査人 さんWrote:
 >生協、スーパー等購入側の非についてはあまり糾弾されていない気がします。

そもそも偽装問題と無関係でただ製品を販売していただけの店舗は、責任を追求されるべきでしょうか?


入荷した商品を販売する店舗は、あらゆる商品をわざわざ代価を支払って検査しなければならないんですか?
そんな責務を負うんですか?

Posted by: Luca | 2007.06.25 22:43

極論ですが、駄菓子屋で販売されている「よっちゃんイカ」にタコが混入されていないかと、駄菓子屋のおばちゃんが試験検査機関に抜き取り調査でサンプルを持ち込まなければならないんですかね。
誰がどこまで責任を負わされるべきなんでしょうか。


迷える内部監査人 さんの見解は、オーバーディスカッションなのでは。

Posted by: Luca | 2007.06.25 23:34

迷える内部監査人さん、Lucaさん、コメントありがとうございます。


生協、スーパー等購入側の問題についてですが。。。

原材料として使って製品化して販売する場合と、単に仕入れて売る場合とでは変わってくると思います。

一般的に、駄菓子屋さんが「よっちゃんイカ」にタコが混入されていないことを確認する必要はないと思うのですが、生協ブランドで販売する牛肉ハンバーガーに豚肉がはいっていないことを確認する責任は生協にはあるかもしれませんね。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2007.06.26 02:07

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